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[PC Audio Extra]快適なディスクレス音楽生活が楽しめる“リッピング・ミュージックサーバー”――OLIOSPEC Ritmo
2012/12/10掲載
快適なディスクレス音楽生活が楽しめる“リッピング・ミュージックサーバー”
OLIOSPEC Ritmo
CDを取り込み、いい音で再生することに特化したPC
 CDをパソコンに取り込む音楽ファンが増え、音楽を聴く装置とスタイルが多様化している。だが、パソコンはもともと音楽を聴くためのマシンではないので選曲などの使い勝手が良くないし、音も貧弱だ。パソコンの便利さと音質や使い勝手を両立させる良い方法はないものか。そんな発想から生まれたのが、今回の主役「Ritmo」である。イタリア語の「リズム」を意味する名前の本体は洗練されたデザインが目を引くが、電源ボタン以外どこにも操作キーが見当たらない。どうすれば音が出るのだろうか。
 実は、Ritmoの正体はWindows PCなので、モニターやキーボードをつなげば普通にパソコンとして使える。だが、本来の目的は「リッピング・ミュージックサーバー」として活用することにある。しかし、その説明ではまだ仕組みがよくわからないという人が多いと思うので、Ritmoで音楽を聴く手順を具体的に紹介することにしよう。
CDを取り込むためのリッピングソフト
「dBpoweramp」がプリインストールされているので
すぐに使い始めることができる。
 まずは普通のパソコンと同じようにCDを取り込むリッピングから始めてみよう。電源ボタンを押してWindowsを起動し、「dBpoweramp」というリッピングソフトでCDを本体内のHDDに取り込む。モニターとキーボードをつなげば普通のPCと同じ操作でリッピングできるが、もしも手元にiPadなどのタブレットがあれば、Ritmoにインストール済みの「Splashtop」というソフトを登録して購入し、Wi-Fi環境を利用することで、すべて手元で操作できるようになる。リビングで使うならこのスマートな方法がお薦めだ。もちろん、アルバム情報やジャケット画像もこの段階で簡単に取得することができる。
 ここまでの操作でCDを取り込む“リッピング”が完了し、データは本体内のHDDに保存される。そのデータをRitmoと同じネットワークにつないだネットオーディオプレーヤーで再生するというのが、「サーバー」として活用する第一の使い方。2つの機能を組み合わせているので「リッピング・ミュージックサーバー」と呼ぶのだ。ネットオーディオプレーヤーはリンのDSやパイオニア、マランツ、ヤマハなどが発売している専用機を組み合わせるか、ネットワーク再生に対応したAVアンプを使うのが基本だ。いずれもパソコンに比べて桁違いに優れた音質で楽しむことができる。
 取り込んだ音源を再生するもう一つの方法として、RitmoのUSB端子からPCM信号を取り出し、USB-DACを介してオーディオ装置で再生するという手段があり、手軽さではこちらの方がお薦めだ。さらに、エラックのAM50のようなUSB対応スピーカーなら、Ritmoとスピーカーを直接つなぐだけで、シンプルをきわめたハイファイシステムが完成する。選曲から音量調整まですべてタブレット上で操作できるので、リビングやパーソナル用途のオーディオならこの方法がベストだと思う。本来のサーバー用途に加えて、再生機としても手軽に使えてしまうところが、Ritmoの長所の一つなのだ。
紛れもないピュアオーディオクオリティ
 アルミブロックから削り出した筐体など、本体はピュアオーディオ機器でもハイエンド機にしか採用例のない贅沢な作りで、左右の放熱フィンも筐体と一体構造になっている。内部に放熱ファンがひとつもない完全なファンレス設計を実現しているのは、アルミ筐体の放熱効果を利用しているためだ。内蔵HDDは2.5インチ仕様なので動作音はほとんど気にならず、CDプレーヤーよりも静かなほどで、普通のパソコンとはまったく作りが違うことがわかる。
 AM50はBS52.2という高性能スピーカーにUSB-DACとアンプを内蔵したアクティブ型のブックシェルフスピーカーで、RitmoとUSBで直接つなぐか、またはオプションのトランスミッター + レシーバーを追加すれば無線で音を飛ばすこともできる。今回は後者で再生音を確認した。
 RitmoをiPadでリモート操作して選曲すると、瞬時にAM50から音が出てきた。オーディオシステム顔負けのレスポンスの速さにまずは感心させられる。そして、伸びやかなヴォーカルや澄み切ったアコースティックギターの音にもう一度驚かされた。これが本当にパソコンで再生している音なのかと、思わず疑ってしまうほど純度が高く、楽器同士のセパレーションの高さや細部の情報量の余裕は、紛れもなくピュアオーディオのクオリティに到達している。ベースは輪郭が緩まずソリッドな音がするし、ヴォーカルは実在感が豊かで中高音の潤いが心地よい雰囲気を醸し出す。ピアノの粒立ち感やパーカッションのキレの良さも聴きどころで、期待以上に反応の良いサウンドを繰り出す。小音量で音楽を流しっぱなしにする用途にも向くし、大きめのボリュームで広がりのある響きに浸るのもいいだろう。音楽と生活が切り離せない人のためのディスクレスオーディオシステムとして、Ritmoは有力な候補になる。
試聴・文 / 山之内 正
アルミブロックから削り出したスタイリッシュなデザイン
OLIOSPEC Ritmo
4GBメモリ標準仕様 199,500円 / 8GBメモリ仕様 203,700円

■CPU: インテル Core i5 ■メモリ: 4GB ■データ保存用ディスク: 1TB ■プリインストールソフト: OS: Microsoft Windows7 HomePremium 64bit / リッピング: Illustrate dBpoweramp R14.3 / サーバー: Twonky Manager v2 / リモート: Splashtop streamer ■起動ディスク: 64GB mSATA SSD ■端子: USB3.0 x 3 / USB2.0 x 2 / HDMI x 1 / DVI-D x 1 / LAN x 1 / 光デジタル x 1 / マイク x 1 / eSATA x 1 ■外形寸法量: 295W x 100H x 270Dmm
※お問い合わせ: オリオスペック www.oliospec.com
エラックのアクティブスピーカーAM50と組み合わせれば、
シンプルでハイクオリティなデスクトップ・ハイファイシステムが完成する
ELAC AM50
68,250円 / ペア

■ユニット: 11cmウーファー / 2.5cmドームトゥイーター ■アンプ出力: 25W + 25W ■再生周波数: 52Hz〜25kHz ■入力: デジタル x 1(USB) / アナログ x 3(RCA / ステレオミニ / ELAC WL Interface専用) ■外形寸法: 136W x 210H x 165Do ■重量: 4.3kg(アンプ側) / 2.3kg
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