WRAPSOUN Reference8
1,280,000円■ユニット: フルレンジ x 8 ■出力: 160W x 2ch ■重量: 23kg※お問い合わせ: 感ヌ エス イー
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音楽が楽しめる類い希なスピーカー
「ラプソン」は「WRAPSOUN」と書き、WrapSoundという意味だ。その名前の通り、広い空間全体に対してつつみこむように、音のムラをつくらず均一な音を提供する、まったく新しく、そして類い希なスピーカーだ。
普通のごく一般的なスピーカーは、発音しているスピーカーの近くの音が一番大きく、距離が離れれば離れるほど音量は急激に減衰する。そのため体育館や会議室など、広くてしかも音響的な調整がなされていない場所で隅々にまで音を届かせようとすると、スピーカー付近の音量をきわめて大きなものにしなければならない。ライヴを行なうミュージシャンが難聴になるのはこのためだが、スポーツクラブでエアロビクスの指導をするインストラクターや熱心な受講者の多くもまた、スピーカーによる騒音性の難聴に悩まされている。オーディオ的ルームチューンが施されていない広い場所で大音量を出すと非常に不快な音になる。そして、スピーカーの近くにいる人が難聴になるほどの音量を出してやっと一番遠くの人に音が届くというわけだ。こんな場合ラプソンのスピーカーなら、さほど音量を上げずに遠くまで音が到達するので、学校や公共施設などでいち早くその効果が認められ、発売以来「耳を守るスピーカー」としての導入事例が増えている。
ラプソンは、残響時間20秒の特殊な部屋に置いても音が明瞭に聴こえるし、逆に無響室でもよく音が届く。出力わずか5 Wのアンプを使って出した音が、全長400mのトンネル内でも端から端まで混濁せずに音が到達する。その秘密はユニットの配置にある。無共振の八角形のエンクロージャーの正面にはスピーカーユニットがなく、写真の通り、サークル状に8個のユニットが取り付けられている。ユニットが取り付けられている面には傾斜がつけられていて、エンクロージャー内部は隔壁を設けたアルミ削り出しの密閉型だ。エンクロージャーの剛性が高く不要な振動を抑えることにより、忠実な再生音を得ることに成功している。また、このユニット配置により、DSPを使わずにサラウンド的な広がり感のある再生音が得られるという特長もある。
ラプソンをPA用としてコンサートホールやライヴハウス、路上ライヴなどで使う場合も、きわめて自然で浸透力のある再生音が魅力だ。もちろん、一般家庭の壁や天井に取り付ければ、無限大のバッフルを持つスピーカーとして機能し、部屋のどの場所でも同じように音楽を楽しむことができる。今回紹介するラプソンの新型Reference8は木製のスピーカー台が用意されたので、設置する際の自由度の高いものになっている。とくに人の声やヴァイオリンの再生音は、魅力的に聴こえた。
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