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バンドの“これまで”と“これから”を明るく照らし出すbonobosのベスト・アルバム
2008/01/15掲載
 2001年の結成以来、レゲエやダブを軸に、さまざまなサウンドを取り入れながら、バンドとして独自の進化を遂げてきたbonobos。そんな彼らが新曲2曲、アルバム初収録曲3曲を含む初のベスト・アルバム『Pastrama - best of bonobos -』を完成させた。


 2006年11月にシングル「Standing There 〜いま、そこに行くよ〜」をリリース後、ライヴ活動を控え、1年を通じて曲作りを行なっていた5人組バンド、bonobos。気が付けば、インディーズで発表したミニ・アルバム『Headphone Magic』でデビューして以来、5年の歳月を経過していた彼らがベスト・アルバム『Pastrama - best of bonobos -』をリリースする。

 「今回、ベスト・アルバムを出すにあたって、まとめる作業や新曲のレコーディングを進めてみたら、それまでの自分たちでは気付かなかったことも含め、いろいろなことを振り返るいい機会になりましたね。僕らは結成から今に至るまでやりたかったこと、やろうとしてることって、そんなに変わってないんですよ。でも、作品を重ねるにつれ、技術面やレコーディングの知識がついてきたことで、その“やりたかったこと”の強度が増しているなと思いますね」(蔡 忠浩)

 アルバム未収録の「今夜はGroove me」や「Standing There 〜いま、そこに行くよ〜」を含む、シングル曲中心の全14曲を聴くと、彼らは常に変化しながら活動を続けてきたことがよく分かる。エンジニアにボアダムスらを手掛ける原 浩一やBuffalo Daughterらでお馴染みのZakを迎えてみたり、プロデューサーも朝本浩文を起用してみたり、はたまた、バンド自身が手掛けてみたりと、試行錯誤の跡がそこかしこに残されているのだ。

 「マスタリング・エンジニアなんて、合計で6人にお願いしてますからね。レコーディングにあたってのミーティングでは毎回新しい方の名前が挙がりますし、次に何をやろうかってことは常に考えてますから」(蔡)





 bonobosと言えば、デビュー当時、フィッシュマンズ・チルドレンと形容されることも多かったが、本作を紐解くと、メントやダブ、レゲエの影響はありつつも、フォークやブレイクビーツ、ソウルやラテンと、さまざまな音楽要素が混在しており、その軌跡はフィッシュマンズの足跡をなぞったものでないことはよく分かる。早い話、彼らの音楽性は非常にユニークであるし、そのオリジナリティはもっと評価されてしかるべきだ。

 「フィッシュマンズのことは好きでしたけど、フォロワーって言われたことがものすごいイヤだったんですよ。それに対する反発心が原動力になって、打ち込みを取り入れてみたり、変化を求めていったし、今後も変えていきたいなと思います」(佐々木康之)

 このアルバムにはbonobos史上もっともハードに突き抜けてゆく「Someway」と彼らなりに80'sマナーを消化したダンス・チューン「ファンタスキッス」というこれまでにはないアプローチの新曲2曲が収録されている。彼らは本作で過去5年を総括しつつも、2008年以降の新展開をしかと見据えている。

 「自分に酔っちゃうような、そういうシリアスさを求めすぎると危険やなって思うし、道を求めつつ、笑えるような、そういういいバランスでやっていきたいですね」(蔡)



取材・文/小野田 雄(2007年12月)



【bonobos出演イベント】
タイトル:Zoff presents 〜Zoff Rock Festival〜
公演日:2008/01/29
地域:東京
会場:渋谷 O-EAST
開場:17:30
開演:18:30
料金:前売¥3,000(tax in)/当日¥3,500(tax in)  別途ドリンク代¥500
出演:LIVE…SPECIAL OTHERS / bonobos / MARS EURYTHMICS
DJ…Gakuji"CHABE"Matsuda(CUBISMO GRAFICO)
MC…Bryan Burton-Lewis(thirdculture) ほか
問い合わせ:渋谷O-EAST Tel:03-5458-4681
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