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【ティンテッド・ウィンドウズinterview】往年のパワー・ポップをモダンに昇華――ティンテッド・ウィンドウズのデビュー作
2010/02/04掲載
  ファウンテインズ・オブ・ウェインアダム・シュレシンジャーに、チープ・トリックのバン・E.カルロス、テイラー・ハンソン(あの「キラメキ☆MMM BOP」の彼です!)、そして元スマッシング・パンプキンズジェームズ・イハという、目眩がするようなラインナップのスーパー・バンドが、ティンテッド・ウィンドウズだ。傑作アルバム『ティンテッド・ウィンドウズ』をひっさげて、去る1月、ここ日本でも素晴らしいライヴを披露してくれた(その模様は、当サイトの「ニュース」コーナーに掲載中!)。というわけで、アダムと共同プロデュースを手がけた日系アメリカ人、ジェームズのインタビューをお届けします。
――ティンテッド・ウィンドウズのアルバム、素晴らしいですね。ラズベリーズビッグ・スターフレイミン・グルーヴィーズといった、70年代の、いわゆるパワー・ポップ・バンドを思わせる部分があります。
ジェームズ・イハ(以下、同) 「たしかにそうだね。そういったパワー・ポップ・バンドから、決定的な影響を受けている。だけど、ブロンディとかバズコックスといったパンク・バンドがインスピレーションになった部分もあるし……。あとナックとか……、まあ、彼らはパンク・バンドじゃないかもしれないけどさ(笑)。そういったものの、モダン・ヴァージョンが作りたいと思ったんだ」
――ぼくがこのアルバムでとくに好きなのは「カインド・オブ・ア・ガール」「キャント・ゲット・ア・リード・オン・ユー」「ナッシング・トゥ・ミー」……全部アダムの曲で申し訳ないんだけど、彼は本当にキャッチーな、いい曲を書きますよね。ソングライターとして、彼のことをどう見ていますか?
「本当に、今活動しているソングライターのなかで、ベストと言えるような存在だよね。とてもいろんなスタイルを持っているんだけど、曲の作り方にパーソナルな方法論を持っていて、歌詞もすごくスマートかつファニー……皮肉も効いてて。そう、すごくグレイトなソングライターだ」
――でも、実は最初ざっと聴いたとき、最も印象的だったのが、あなたの書いた曲のひとつ「チャ・チャ」だったんですよ。
「えーっ(笑)。あれ、単におかしいっていうか、あんな曲、書いたことがなかった。すごくオールドファッションなロックンロールで……」
――ブギ……ZZトップみたいな?
「いや、ぼくにとっては、チャック・ベリーふうのリフというか。とにかく、楽しみたくて、初めてあんな曲を書いたんだ。でも、それが一番印象的とは……(笑)」
――すみません(笑)。
「いや、クールなことだよ(笑)。とにかく、いい曲だしね。みんな、けっこう好きって言ってくれるんだ」
――あなた自身のことをうかがえば、もう10年以上も前に、唯一のソロ・アルバム『レット・イット・カム・ダウン』を出されていますよね。あれ、本当に大好きでした。正直言って、ぼくにとってあなたは“スマッシング・パンプキンズのメンバー”というより、あのアルバムを作った人……って感じなんですよ。
「ありがとう!」
――本当は、もっと自分の音楽をやってほしいんですが、アダムや(アイヴィー)のアンディといっしょにスタジオを経営してて、忙しいんですよね……。最近は、いかがですか?
「ストラトスフィア・スタジオは、いい感じだよ。でも、最近は、既存の音楽業界の調子があまりよくないだろ。だから、経営自体はなかなか大変になってきてる。いや、まあ、そんな深刻な話じゃないけどさ(笑)。ぼくらは別にビッグ・ビジネスをやってるわけじゃないし、やってて楽しいし(笑)。だいたい、いつもいい音楽とかかわっていたくて、そういうことをやってるんだからね。ビジネス的には、つねに大変(笑)」
――でも、最近の音楽状態の傾向(おそらく、ビッグな予算のレコーディングでスタジオがブッキングされることは減っている)からすると、ようやく自分のソロ・アルバムにかかれたりするんじゃないですか(笑)?
「うん、まあね。だいたい……半分くらいはできてる、って感じかな。今年中に、完成できたら、とは思ってるんだけどね」
取材・文/伊藤英嗣 for COOKIE SCENE(2010年1月)
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