EARIN
オープン価格 29,800円前後■形式: カナル型 / Bluetooth ■ドライバ: バランスドアーマチュア ■再生周波数: 20Hz〜20kHz ■感度: 105dB ■インピーダンス: 25Ω ■サポートコーデックス: AAC / apt-X / SBC ■重量: ミニ ■重量: 3.5g ■付属品: 充電・収納用カプセル / USBケーブル / コンプライ社製フォームチップ(S / M) / シリコン製イヤーチップ(M) / スタビライザーロック※お問い合わせ: モダニティ
www.modernity.jp/ 完全ワイヤレスを実現した
Bluetoothイヤフォン
EARINは、左右ユニット間のケーブルを排した、完全にワイヤレスなカナル型Bluetoothイヤフォン。スウェーデンのEpickal AB社がKickstarterで開発資金を募り、972,594£(約1億5,700万円)を集めたことでも話題になった。
再生装置と接続する左ユニットから、右ユニットへと無線で信号を分配する仕組みで、左右双方にレシーバーとバッテリーを内蔵している。にも関わらずハウジングは長さ20mm、直径14.5mm、片側のユニットの重さは3.5gしかない。ちょうどハイブリッド型のカナル型イヤフォンからケーブルだけを無くしたようなサイズ感だ。

キャリングケースを兼ねた充電用アルミカプセル。
写真のようにEARINをセットしてUSBバスパワー
経由での充電のほか、カプセル自体にもバッテリ
ーが内蔵されていて、外出時でもEARINを3回ほ
ど充電することが可能。
充電は付属のアルミカプセルに収納し、USBバスパワーを利用して行なうが、このカプセルにも600mAhのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、フル充電にしておけばEARIN本体を3回充電できる。EARIN本体のバッテリー持続時間は3時間ほどだが、この仕組みで1日使って困ることはほどんどない。なお、カプセル、EARIN本体とも、フル充電までは約75分。
このカプセルに本体を収納すれば、自動的に再生装置と切断、取り出すと再接続する仕組み。コーデックは標準的なSBCのほか、AACとapt-Xに対応。イヤーチップはコンプライ社製で、遮音性とともに装着安定性も高いが、さらに安定させるためフィン型のスタビライザーも付属する。
ドライバーはシングルのバランスドアーマチュア型で、特にピークやディップも認められず、フラットで聴きやすい音に仕上がっている。Bluetoothということでハイの伸びや、解像性能に多くを期待はできないが、このタイプのドライバーを載せたイヤフォンとしては、豊富な低域の量感は魅力だ。無償提供されているAndroid / iOS向けの専用アプリには低域のブースト機能もあるが、その必要は感じない。
難点は、やはり小さく紛失してしまいそうなことと、小型化優先で、他のBluetoothイヤフォンのようなヘッドセット機能を持たないこと。そして左右ユニットを無線接続しているために、電波状況によっては右チャンネルの瞬断や、信号のごくわずかな遅延からフェイジングを起こしてしまう点だ。
ただケーブルの煩わしさから開放される完全なワイヤレスイヤフォンには、そうした難点を補って余りある魅力がある。モバイルオーディオの未来を示すものとして、非常に大きな意味を持った製品と言える。
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