オーディオテクニカが飛びきりユニークなヘッドフォンを発売する。一般的なハイエンドクラスのワイヤレスヘッドフォンに見えるが、実は世界で初めてワイヤレスのデジタルオーディオ信号をフルデジタルでドライバーまで伝送できる、新技術「ピュア・デジタル・ドライブ」を搭載した点が画期的なのだ。
アナログ方式による信号伝送に比べて、フルデジタルの場合は元の音源に含まれる情報をロスなく伝えられるメリットがある。その結果、ユーザーはミュージシャンが演奏した音楽を、録音現場のリアルな空気感も含めて丸ごとヘッドフォンで楽しめるようになる。

Bluetoothで送られるワイヤレスのデジタル音声信号を
ドライバーまでデジタルのまま伝送する「ピュア・デジタル・ドライブ」。
デジタル伝送による斬新なサウンドが実現した背景には、トライジェンス・セミコンダクター社が開発したデジタル信号処理技術「Dnote」がある。ワイヤレス、またはUSBから受けたオーディオ信号をDnoteのチップが独自のフルデジタル信号へ再変調処理をかけて、オーディオテクニカのエンジニアが丁寧にチューニングしたドライバーユニットに送り込む。フルデジタルと聞けば何となく硬く、エッジの尖った音をイメージしがちだが、本機のサウンドはリッチな音楽性にあふれている。生楽器の音色が自然に再現され、ヴォーカルの質感もしっとりときめ細かい。長年ヘッドフォンの開発に携わってきたオーディオテクニカならではの、巧みなサウンドチューニングの技術が冴え渡る。話題のハイレゾ音源だけでなく、CDから取り込んだ音源を再生する場合でも、ドライバーまで純度を保ったフルデジタルによる信号伝送ができるアドバンテージが活きてくる。
本機にはいわゆるハイレゾの帯域もワイドにカバーするドライバーが搭載されている。USBケーブルでPCにつなげば、ヘッドフォンに内蔵するD/Aコンバーターにより、最高96kHz/24bitのハイレゾ音源がフルデジタルでドライバーに送られ、上質なサウンドが味わえる。
さらにiPhoneのサウンドがより高品位に再生できるAACや、Androidスマートフォンに対応機が広がるaptXもサポートしているので、スマートフォンで楽しむワイヤレスオーディオも"差が付くヘッドフォン"であるといえる。また、aptXの上位版として期待されている48kHz / 24bit音声伝送に対応するaptX HDをサポートしていることも注目できる。
これほど多彩な先進技術を詰め込みながら、軽く剛性も高く仕上げたヘッドフォンは抜群のポータビリティを備えている。装着感も心地よく、長時間音楽を聴いても疲れにくい。まさに贅沢を極めたワイヤレスヘッドフォンが誕生した。