カティア&マリエル・ラベックというクラシック畑のピアノ・デュオをご存じでしょうか。一頃は「ラベック姉妹」という名称でフィリップスから数々のアルバムをリリースしていましたが、現在は自らのレーベル「KML」(Katia et Marielle Labequeの略でしょうか)を立ち上げ、より自由な演奏活動を展開しているようです。
そんな中の一枚、
『Shape of my heart』(輸入盤)が、ちょっと興味深い内容だったので、購入してみました。カティア・ラベックは姉のほう。共演者には、近年クラシック寄りの活動が目立つ
スティングをはじめ、
チック・コリア、
ハービー・ハンコック、
ゴンサロ・ルバルカバと高名なポップ系ミュージシャンが名を連ねる、いわゆるクラシカル・クロスオーヴァー・アルバムです。
この豪華な共演陣とのアンサンブルがどう展開しているかへの興味で購入したのですが(Amazonで購入可能)、内容は意外とクラシック寄り、つまりカティア寄りの音楽になっているようです。共演者が彼女のやりたい音楽を理解しつつ寄り添っている印象で、ライヴ・ハウス的な空気感も感じられたり。
1曲目の「Moon Over Bourbon Street」で、いきなり「え? 枯葉?」とか思ってしまいました。メロディがちょっと似てるんですが、もしかすると元歌取りでしょうか。洋楽にはさほど詳しくないので…。他にも「My Funny Valentine」なども演奏しており、全体に多少のジャズ風味はまぶされています。むしろ、後半でサティの「グノシエンヌ」が出てきたのに、不思議な違和感を覚えました。こうやって並べると、サティも立派にクラシカルな音楽なんですね。
こういう作品を音だけで聴くと、演奏者がやりたい音楽というのは、なかなかに一筋縄ではいかないものだと思います。演っている側は、自分たちが楽しむことが第一義なんでしょうが、見聞きする側が、それを楽しい・美味しいと思うためにはさじ加減も重要。この盤は少しだけ「甘味が足りない」感じがしました。ライヴとしてなら狭いライヴ・ハウスで、アルバムとしてはできれば映像で観たいなと思った一枚でした。