ミニ・レビュー
化け物ベスト。封入されたカードのため複数買いも続出。いったい何百万枚売れる? 画一的だが、歌が決定的に上手いこと。ツボを押さえた展開のロック・サウンドは、悔しいが日本最強。今の邦楽ロックで最も理想的な形態と音を築いた先駆けだ。一家に一枚か?
ガイドコメント
デビュー10周年を記念して、98年にリリースされた初のベスト・アルバム。痒いところに手が届く選曲がうれしい。キャッチーなメロディ、あふれる躍動感などB'zの魅力を存分に堪能できる。
収録曲
01LOVE PHANTOM
『X-FILE』という超話題のドラマのタイアップ曲。ドラマの内容にリンクするというよりは、“愛の幻”というタイトルからしてB'zらしい、ノリの良いロック曲。シンセとギターが絡み合い広がっていくサウンドの中で、グワッと盛り上がっていくヴォーカルが気持ちいい。
02love me、 I love you
TVドラマ『柊叉三郎』の主題歌となった、95年発売の17thシングル。“メタル・ギター・サウンド・ミーツ・ユーロビート”が得意技だった彼らが、R&Bのテイストを取り入れたサウンドを聴かせ、そのルーツ、音楽性の広さを感じさせてくれもした。ストレートに愛を歌った詞も魅力。
03Easy Come、 Easy Go!
04ZERO
タイアップなしでもミリオン・ヒットとなった92年発売の11thシングル。基本的にメロディアスな路線は変わらないが、メタリックなギターが炸裂するハードなロック・ソング。“今会いたいすぐ会いた〜い”に心を鷲づかみにされる婦女子多し。
05ALONE
91年リリースの8thシングルで、初期を代表するバラード。孤独をテーマにしながらも、前向きで力強い歌詞とそれを歌うハスキーな稲葉の声、そして松本の泣きのギターに胸を打たれる。
06裸足の女神
93年、TOYOTA「カローラ レビン」のCFソングになった、ユーロビートでも激しいロック・サウンドでもない、爽やかで聴き心地のよいポップ・ロック・ソング。恋に破れた時、あるいは勇気を持ちたい時に聴くと元気が出てくる、優しい歌詞がたまらない。
07愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない
長い長いタイトルに誰もが驚きつつ、さすがと思わされた、93年発表の12thシングル。サビ部分でヴォーカルにあわせ鳴り響くシンセのサウンドがちょっと時代を感じさせるが、タイトルそのままの詞の後に続く“僕は君だけを傷つけない〜”が印象的。
08LADY NAVIGATION
これぞB'z、な夏っぽさ全開の初期代表曲。ユーロビートの曲調、限りなくセクシーなヴォーカル、そこに絶妙に絡んでいくメタリックなギター。バブルの香り漂うダンサブルなサウンドが懐かしいくらいだ。
09太陽のKomachi Angel
初期B'zの代名詞とも言えそうなファンキーでダンサブルなナンバー。歌詞やアレンジにちょっとバブルの香りが漂うが、ポップで歌いやすいメロディは、色あせることなく耳に残る。
10BE THERE
スーツでビシッと決めた二人が並ぶジャケットも懐かしい、90年、超初期の4thシングルは、どこか昔のTM NETWORKなどを思わせる、デジタルなビートも時代性を感じさせる。ちょっと無機質に歌う稲葉の声に逆にクールさを感じてぐっときたりして。
11Don't Leave Me
シングルは、わりとノリのよいナンバーが多かったが、ここでは一転、アメリカン・ロックの香りが強い、ずっしりとしたバラードを聴かせている。特にサビ部分での切なく訴えかけるヴォーカルがたまらない。94年の14thシングル。
12Bad Communication E.Style
13Calling
14さまよえる蒼い弾丸
98年発売のポカリスエットCMソングになった、爽快で勢いのあるロック・ソング。ラヴ・ソングが得意に思える稲葉だが、こういう世情を意識したわりと攻撃的な歌詞もめちゃくちゃいい。聴くうちに、やるぞ!と思わされる元気の出る曲だ。