ミニ・レビュー
デームスとウィーン楽壇の若い奏者たちとの「ます」。「ます」は、実は反体制の詩だそうだが、そう言われるとそう聴き取れなくもない。古楽器の、ちょっとざらついた音の質感を見事に捉えた優秀な録音なので、よけいに意味深に聴こえる。それにしても彼らの語り口の、なんと多彩で見事なことよ。★
ガイドコメント
ウィーンの古楽器奏者たちによるシューベルト。フォルテ・ピアノのパイオニアであるデームス、ヴァイオリンのイルンベルガーが中心となってウィーンの空気を伝える、まさに“本場もの”といえる演奏を聴かせてくれる。
収録曲
シューベルト:
01ピアノ五重奏曲イ長調D.667「ます」
02アダージョと協奏的ロンドD.487
03「ピアノ小品集」〜第2曲 ピアノのための小品変ホ長調D.946-2
演奏
イェルク・デームス(HF) (1)ブリータ・ビュルクシュヴェントナー(CB) (1)(2)トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(VN) マルティン・オルトナー(VA) ハイディ・リッチャウアー(VC)