ミニ・レビュー
悠揚迫らぬ第140番、躍動感あふれる第147番、ともにバッハ演奏史に燦然と輝く名演である。けた外れの集中力と峻厳な表現は現代の古楽界にあっては望むべくもない。周到な復刻のSA-CDは従来のCDとは別次元の滋味きくすべき音質でリヒター不滅の芸術を蘇らせる。★
ガイドコメント
カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ合唱団によるバッハのカンタータ2曲を収録したアルバム(1961・78年録音)。どちらも有名な作品だが、とくに第147番に登場する〈主よ、人の望みのよろこびよ〉は広く知られるメロディだろう。
収録曲
J.S.バッハ:
01カンタータ第140番「目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」BWV140
02カンタータ第147番「心と口と行いと生きざまは」BWV147
演奏
カール・リヒター指揮 ミュンヘン・バッハ合唱団 (1)ミュンヘン・バッハ管弦楽団 エディット・マティス(S) ペーター・シュライアー(T) ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(BS) (2)アンスバッハ・バッハ週間管弦楽団 ウルズラ・ブッケル(S) ヘルタ・テッパー(A) ヨーン・ファン・ケステレン(T) キート・エンゲン(BS)