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interview“熱さだけを出したかった”FIGHT IT OUT、2ndアルバム『Talk Shit And Hope』をリリース

FIGHT IT OUT / 2011/08/05掲載
“熱さだけを出したかった”FIGHT IT OUT、2ndアルバム『Talk Shit And Hope』をリリース
 近年、地域 / スタイルを問わず、やたらと高い確率でフライヤーに刷られているバンド名があります。横浜045ハーデスト、FIGHT IT OUT。2008年の1stアルバム『Still Suck』ではタフガイ薫るメタリックなビートダウン・ハードコアを聴かせていた彼らが、7月に衝撃の2ndアルバム『Talk Shit And Hope』をリリース。前作のテイストから、老若男女誰もが少なからず共通して持ち合わせているであろう熱く、ピュアな怒りを抽出。直に音へと具現化したかの如き全方位型アンガー・ハードコアへと進化を遂げた作品に。往年のジャパコアにも通じる日本語詞で突っ走るストレートさと今の世代ならではの雑食性が最高のブレンドで結実、ダーティかつ凶暴ながら、ポジティヴな聴後感を残す傑作となっています。作品について、シンガーのYang氏にお話を伺いました。Not Thug, Still Strong! 怒れFIGHT IT OUT!


――FIGHT IT OUTが結成されたのはいつ頃のことだたんですか?
 「結成は2000年ですね。自分で言うのもナニですけど、最初はめちゃめちゃダサいバンドだったんですよ(笑)。トメさん(本作、前作のリリース元BOWL HEAD inc.のオーナー)にリリースのお願いをしたこともあったんですけど、“勝手に出せば”って言われちゃうくらい(笑)」
――今はかっこいいんだからいいじゃないですか(笑)。当初は、どんな音楽性を目指していたんですか?
 「俺の意見が反映されることが多かったんですけど、元々結構速いのが好きで。ユースクルー(スタイル)とか。バンドで言ったらYOUTH OF TODAY(ユース・オブ・トゥデイ)、TEN YARD FIGHTみたいな。最初“音はYOUTH OF TODAYで格好は2PAC(2パック)”っていうコンセプト?があったんですよ(笑)。つまり何にも分かってなかったんです(笑)」
――(笑)。ユースクルー・スタイルでやろうと思ったのには何かきっかけがあったんですか?
 「う〜ん、俺結構音楽の聴き方が変で。ハードコア / パンクに入るきっかけになったのは西海岸のメロディック・ハードコアだったんです。BAD RELIGION(バッド・レリジョン)、PENNYWISE(ペニーワイズ)とか。その周りのバンドを聴き漁っているうちにいつの間にかYOUTH OF TODAYみたいなものも聴くようになってて。SICK OF IT ALL(シック・オブ・イット・オール)とか。H2Oなんかも最初は西海岸のバンドだと思ってたくらいで(笑)、全部“ハードコア”だと思って聴いてたんですよ。詳しい友達に教えてもらったりして、それぞれどんなバンドなのか分かるようになった感じですね。その中で一番フィットしたのがユースクルーだったんです」
――で2PACはどこから出てきたんですか(笑)?
 「(笑)。2000年くらいに周りでGファンクが流行ったことがあったんですよ。地元の友達もローライダーとか乗ってて。それにちょっと影響されちゃったんですね(笑)。でもそのおかげでヒップホップも聴いたんで、良かったんですよ。西海岸の、ICE CUBE(アイス・キューブ)とか。高校生の頃からWU-TANG CLAN(ウータン・クラン)、NAS(ナズ)とか好きな友達もいたんで、耳には入ってきてましたけど。でもまあガッツリ聴きこんだりっていうことはなかったです」
――友達で、今ガッツリとヒップホップをやっている方っています?
ROCKCRIMAZ / MEDULLAのトモ(Ill-T)ですね」


photo: WYPAX


――1stアルバムでは結構ローカル・ビートダウンのフレイヴァが入ってきますよね。そこまでの道程がどんな感じだったんですか?
 「ずっと時代も何もごちゃまぜで聴いてきたので、“ビートダウン”てものが耳に入ってきたのは結構最近のことなんですよ。だから1stのときも別に“ビートダウン・バンド”っていうことは意識してなくて。モッシュ・パートが欲しいなあ、くらいの感じだったんです。ユースクルーからJUDGE(ジャッジ)みたいなちょっとタフでメタリックなバンドを聴くようになって、SICK OF IT ALL、MADBALL(マッドボール)……っていう流れですね。あとメタルとかも」
――FIGHT IT OUTって、あんまりメタルの影響感じないですけど。
 「といっても、METALLICA(メタリカ)超好き!みたいな感じではないんですよ。空気を汲み取るだけというか……。BRUJERIA(ブルヘリア)とかも好きですし。たぶんルーツを辿るとぐちゃぐちゃだと思うんですよ(笑)」
――雑食なんですね、良いことだと思います。
 「そうですね。でも自分でバンドをやるとなると、やっぱり速いものがいいんですよね。だから1stアルバムでも、ビートダウンと同じくらい速い曲もたくさん入ってて。HOODSみたいな、重くて速い感じの」
――そうですね、HATEBREED(ヘイトブリード)よりHOODSって感じですね。
 「はい。HOODSはドンピシャでしたね」
――今までのお話を総合すると、今回の2ndアルバムでの変化は自然な流れだったんですね。“やってみました”という感じじゃなくて、連続性もありますもんね。
 「そうですね。1stの速い部分を凝縮した感じで」
――ビートダウンは飽きちゃったんですか?
 「飽きた……というか、他と同じことをするのが嫌なんですよね。モッシュ・パートで暴れさせる、っていうのが定番になっちゃってるじゃないですか。そういう形式ばってるのが嫌で。俺はもっと、自分の好きな速いパートでグッと惹きつけたいっていうのもあるし。あとは歌ですね。速い曲の方が気持ちを載せ易いんですよ」
――それに合わせて歌詞も日本語詞に変えたんですか?
 「そうですね。結構、英語がコンプレックスになっていたところがあって。普段英語喋ってないわけじゃないですか。日常生活で英語のスラングなんか別に使わないし(笑)。そういうコンプレックスを払拭するためにも。ヴォーカルとして、やっぱり言いたいことをちゃんと伝えたいし。日本語にしたら正直なことしか言えないじゃないですか。熱さだけを出したかったんですよね」


photo: WYPAX


――具体的に歌詞はどんな内容が主なんですか?
 「2ndを作るって決めてから俺が見てきた状況というか……バンドを長くやっていると変なしがらみとかも出てくるし……。あとは友達のこととか、政治的なこともあります。歌詞を読むと文句みたいに見えるかもしれないですけど、前向きになるための悪口なんです。もっと良くなることがたくさんあるっていう想いも込めてますし」
――タイトルに“Hope”を入れたのは、先の震災の影響もあるのかな、と思ったんですけど。
 「歌詞を曲に載せたのは震災の前だったので、歌の中では歌っていないですけど……常に頭の中にはありますね。ベネフィット・イベントにも出させていただきましたし」
――音作りがノイジーというか、より勢いのある荒々しい仕上がりになっていますよね。これも意図的にそうされたんですか?
 「そうですね。俺の中では『American Hardcore』のDVDを観たのが結構デカくて。衝撃だったんです。あの空気感が俺の求めていた感じに近かったんですよね。ファッションより怒りというか。俺はヴォーカルだから、文化とか音楽の背景よりも、気持ちの面でのハードコアをもっと出したいなって思ったんです。荒く、鋭い音で」
――こういった音作りをする上で、影響を受けたバンドってありますか?
 「また俺の変な音楽の聴き方が反映されちゃうんですけど(笑)。最近になってHERESY(ヘレシー)を聴いて、ファストコアを聴くようになったんですよ。CAPITALIST CASUALITIESみたいな、Six Weex、625 Thrashcore周りのものとか。あとはINTERNAL AFFAIRS(インターナル・アフェアーズ)、PIECE BY PIECE、TRASH TALK(トラッシュ・トーク)とか。アルバム作る直前にそのへんの音をよく聴いてたんで、影響は大きいですね。MK ULTRA、SEEIN RED、LOS CRUDOS(ロス・クルードス)なんかを教えてもらったり。俺全然マニアックじゃないんですよ。入ってきた情報をところどころつまんでる感じなんで……そういうの好きなんスか!みたいに話しかけられてもたぶん困っちゃうけど(笑)」
――でもそれがバンドのオリジナリティにつながっている感じはしますよね。
 「そうですね、俺はそう思ってるんですけど。うちのバンドってたぶん、スポンジみたいな感じなんですよ」


photo: WYPAX


――CROWN OF THORNZみたいなアルペジオも出てきますよね。
 「ウワッ(笑)。ジャムってるときにギターの奴にアルペジオ入れてって頼んだら、あれだったんですよ。これって……?ってことになって、実際CROWN OF THORNZのCDをスタジオでかけてみたらやっぱり(笑)。でも入れちゃうことにしたんです(笑)」
――いやいや、この音の中にあのアルペジオは意外性があってかっこよかったですよ(笑)。もっと身近なバンドで影響を受けたところってありますか?
 「A.O.W.の存在はものすごく大きかったですね。知り合ったのはここ2年くらいのことなんですけど、たまたま観たライヴでヤラれてしまって。“俺今まで何ちょづいてたんだろう……”って考えてしまうくらい覆されちゃったんですよね。ライヴに対する姿勢は100%影響受けています」
――FIGHT IT OUTだってライヴはキョーレツですよね!
 「嬉しいっす。強烈なライヴをしないとマズいなっていうのはありますし」
――1stの頃ってちょっとサグい印象もあったじゃないですか。そのイメージで怖がってライヴに行けない子たちのことはどう思ってます?
 「俺たちは誰かを傷つけようなんてこれっぽっちも考えてないんで、そんな子たちにもぜひライヴを観に来てほしいですね。サグに憧れてる奴らはいるかもしれないけど、そういうのはファッションとしてしか見ていないんで。俺はモヤシだなんて全然思わないし、言いたいことや熱さが伝わって、一緒に楽しめたらなって思います。ライヴが盛り上がらなくても、CDを買って聴いてくれて何か感じてもらえるっていうだけでももちろん嬉しいですし」


photo: WYPAX


――A.O.W.もそうですけど、FIGHT IT OUTって、決まったスタイルのハードコアだけを聴いている方からしたら結構な振り幅で色んなジャンルのライヴに出演しているじゃないですか。上の世代で言えばSLANGみたいに。自分たちがそういうバンドだということは認識されてるんですか?
 「SLANGは高校生の頃からずっと大好きな日本のバンドのひとつなんですよ!でもSLANGみたいになろうとしてるってことは全然ないです。流れに任せてライヴに出ていたらこうなっていたっていう感じですね。でもまあ、こんな動き方してるのって俺たちくらいしかいないし、俺たちがやることでアリにしちゃいたいっていう気持ちはありますね」
――そういう動きをすることで、違うジャンルのファンがライヴに来てくれることってありますか?
 「ありますよ。〈PUNKAFOOLIC!〉で観て好きになってくれて、ライヴに来るようになった子とかけっこういますね」
――今なかなかそういうバンドっていないですよね。しかも、FIGHT IT OUTはあらゆるタイプのライヴに出ているだけじゃなくて、地元をすごく大事にしている印象があります。“横浜ローカルのバンド”だという意識はあるんですか?
 「それはありますね。自分たちのイベントは横浜でやってるし。一時期横浜のバンドたちの活動がスローになっちゃったことがあって。ここ2年くらいは俺たちがやらないとイベントも無いくらいの感じだったんですけど、A.O.W.の存在を知ってからは捨てたもんじゃないなって思うようになりました。横浜は昔からすごいバンドがたくさんいますからね。SYSTEMATIC DEATHECHOとか。最近はGERONIMOのYamadaさんと結構話すようになって。彼が今やってるT.C.Lは12月にやる俺たちのイベントに誘ったりしてるんです。T.C.Lもファストでかっこよくて、ツボなんですよね」
――なるほど、楽しみですね。この場で何か言っておきたいことってあります?
 「う〜ん、文句っぽくなっちゃうし、俺みたいなのが言うことじゃないかもしれないんすけど……。守りに入ってるバンドが多過ぎるんですよ。いろんなイベントに出てみて実感しているんですけど。お客さんを選んでる場合じゃないぞっていう。そういう壁みたいなものが壊れていったら、もっとおもしろいことになると思うんですよね」


取材・文/久保田千史(2011年7月)


FIGHT IT OUT official site: http://fightitout.web.fc2.com/
FIGHT IT OUT official Myspace: http://www.myspace.com/fightitout1980

[live schedule]

・8月7日(日)東京 渋谷 KINOTO “A.O.W vs A.O.M round3”
w/ A.O.W / ALL OF ME / COUNT OF STRENGTH / ELECTRIC SUMMER / RAT CHILD / TNX / VELOCITY / BxCxG

・8月14日(日)愛知 名古屋 HUCK FINN “BRAIN BLAST GIG”
w/ A.O.W / THINK AGAIN / 九狼吽 / GANGS UP ON AGAINST / E.N.D

・8月21日(日)東京 渋谷 clubasia “OLYMPIK 2011”
w/ NEXT STEP UP(US) / NUMB / SAND / EDGE OF SPIRIT / DOGGY HOOD$ / DOMINATE

・8月27日(土)大阪 名村造船所跡地 “FREESTYLE OUTRO8”
w/ NEXT STEP UP(US) / BURNING SIGN / DAG FORCE & KENKEN / DAMAGE / EDGE OF SPIRIT / FIRST / LIFESTYLE / 難波章浩 / NESS HI / NUMB / palm / SAND / SLANG / STIR UP SHIT

・9月3日(土)東京 渋谷 O-EAST / O-WEST / O-NEST / O-CREST / DUO MUSIC EXCHANGE “SHIBUYA CRASH 2011”
w/ SNUFF / BIG D and the Kids Table / THE STORY SO FAR / THE CHERRY COKES / COBRA / COUNTLOST / COUNTRY YARD / DALLAX / FC FIVE / HARDCORE FANCLUB / HOTSQUALL / Jr.MONSTER / kamomekamome / locofrank / MATTER / NUMB / RADIOTS / Ratchild / S.M.N / SECRET 7 LINE / SMASH RAID / STACKERS / THORN / TV-ADDICTIONS

・9月10日(土)北海道 札幌 COUNTER ACTION “FREE YOUR MIND #19”
w/ A.O.W / BARIKAN / CHAOTIX / COSMOS / PROTESS / YUKIGUNI and + 1band

・9月11日(日)東京 下北沢 THREE “ELECTRIC CIRCUS”
w/ THE THANKS(札幌) / 撃鉄 / ELECTRIC EEL SHOCK / ME????G

・9月23日(金)京都 WHOOPEE'S “FIRE CRACKER vol.21”
w/ A.O.W / F.I.B / THINK AGAIN / BURNING SIGN and more

・10月8日(土)静岡 沼津

・10月9日(日)東京 新宿 ANTIKNOCK

・10月10日(月)神奈川 横浜BB STREET

・10月11日(火)東京 新宿 ANTIKNOCK

・10月16日(日)東京 渋谷 CYCLONE

・10月22日(土)山梨 甲府 KAZOO HALL

・10月29日(土)茨城 古河 SPIDER

・10月30日(日)埼玉 熊谷 BLUE FOREST

・11月12日(土)神奈川 横浜 BB STREET

・11月19日(土)東京 新宿 NINESPICE

・11月27日(日)愛知 豊橋

・12月4日(日)東京 新宿 ANTIKNOCK

・12月10日(土)神奈川 横浜 CLUB LIZARD “SHOCK WAVE 2011”
w/ A.O.W and more
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