【Jazztronik】自身のルーツでもあるブラジル音楽に挑んだカヴァー・アルバムを発表

Jazztronik   2014/06/27掲載
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 Jazztronikは、プロデューサー / リミキサー / DJである野崎良太による、特定のメンバーを持たないプロジェクト。1998年にflower recordsから颯爽と登場し、2003年にメジャー・デビューして以来、原点であるクラブ・ミュージックを主軸としつつも、ドラマや映画への楽曲提供など幅広い活動を展開してきた。ブルーノート75周年を記念してこのたび登場したニュー・アルバム『Vamos La Brasil』は、野崎の原点でもあるブラジル音楽のカヴァー・アルバム。深い知識とノウハウに裏づけられながらも、間口が広く聴きやすい内容となっている。

――ブラジル音楽のカヴァー作ですが、どんな内容にしたかったですか?
 「『ブラジル・ブルー』というブラジル音楽コンピレーション・アルバムがあるんですけど、僕がその作品に感化されたように、〈これがきっかけで、ブラジル音楽に興味を持ちました〉っていう人が増えてくれるような作品にしたいなとは思いました」
――マニアックに傾きすぎていないところがいいですね。
 「そうなんです。最初に選んでいた曲はマニアックなものが多かったんですが、それじゃあよくない。マニアックな曲を選んで難しいアレンジをすると、それっぽく聞こえるんですよ(笑)。でも、それでは意味がない。ですからここに入っているのは、僕がブラジル音楽を聴きはじめたころに知った曲ばかりです」
――そのぶん、選曲が大変そうですね。
 「最初に20曲ぐらい選んで、そこから9曲に絞りました。自分が影響を受けた音楽ですから、コアな曲を抜く勇気が最初はなかなか持てませんでしたね」
――レコーディングはどのように進めたんですか?
 「トラックをロンドンに送って、返ってきた音源を東京のスタジオで加工していきました。いつも思うんですけど、彼らは本当に自由なんですよ。たとえば〈Mas Que Nada〉がそうでしたが、戻ってきたらアレンジもビートも構成も全部変えられちゃってた(笑)。彼らは彼らで思い入れのある曲なので、やりたいことがありすぎたんでしょうね。でも全然違うビート上で歌ってるから、僕が最初につくったビートは合わないんです。だから、また最初からつくりなおさなければならなくて(笑)」
――アレンジに際してはどんなことを意識しましたか?
 「ブラジル音楽って、曖昧さがすごくいいんです。だけどベースが大きすぎると、コード感が出すぎてブラジル音楽に聞こえなくなる。ですから、べースの扱いに気を使いました。〈Mas Que Nada〉にいたっては、ベースがいませんからね(笑)」
――個人的には、9曲という曲数が絶妙だと感じました。
 「そう、そうなんです。僕、いつも詰め込んじゃう方なので、9曲のフル・アルバムをつくったのって初めてなんですよ。4月に出した『Cinematic』は8曲でしたけど、あれは構成が違いますしね。で、今回つくってみて、〈9曲っていいな〉と思いました。通して聴くと、〈あ、終わっちゃった。もっと聴きたい〉ってことになるので、それがいい。作業的な意味でも、きちんと神経を配れる曲数なんです。今後は、9曲ぐらいのアルバムをどんどん出そうかなって少し考えました」
――野崎さんにとって、ブラジル音楽とは?
 「僕の音楽観の3.5割くらいを占めるもの。学生時代、作曲をアカデミックに勉強している過程でブラジル音楽に出会って、すごく衝撃を受けたんです。たとえばアントニオ・カルロス・ジョビンがそうですが、〈すごく難しいことをやってるのに、どうしてこんな心地よく聞こえるんだろう?〉って不思議で。そんなこともあって、避けては通れないほど重要な音楽です」
取材・文 / 印南敦史(2014年6月)
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