秋本帆華が語るチームしゃちほこの“これまで”と“これから”

チームしゃちほこ   2017/11/08掲載
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 チームしゃちほこがベスト・アルバム『しゃちBEST 2012-2017』を10月18日にリリースした。初のベストアルバムとなる本作には、ファンクラブ会員による人気投票〈推しソン選手権〉で上位20位にランクインした楽曲を収録。ファン投票1位を獲得した「colors」、1stシングルに収められた「恋人はスナイパー」、チャート2位を記録した「いいくらし」などこれまでの軌跡をリアルに体感できる作品に仕上がっている。さらに『5周年盤』には2017年3月に行われた愛知・名古屋 日本ガイシホール公演〈おわりとはじまりat日本ガイシホール〉を完全収録したBlu-rayも。約5年間のキャリアと最新のライヴ映像が楽しめる充実のベストと言えるだろう。

 今回“名古屋レッド”こと秋本帆華にインタビュー。ベスト盤をフックにしながら、チームしゃちほこの“これまで”と“これから”について語ってもらった。
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――初のベストアルバム『しゃちBEST 2012-2017』がリリースされました。ファンのみなさんのリアクションはどうですか?
 「フラゲ日(10月17日)にイベントをやったんですけど、みなさん喜んでくれてましたね。ガイシホールのライヴ映像を観た方がブログにコメントを書き込んでくれたり、楽しんでくれてるようで良かったなって。ベスト盤っていままでの良いところ取りというか、“この1枚でしゃちほこのことがわかる”というものだと思うんですよ。最近しゃちほこを知ってくれた方とか、これから知ってくれる方が最初に手に取れるCDがあるのはすごくいいなって」
――まずは3月に行われた名古屋・日本ガイシホールのライヴについて聞かせてください。デビュー以来、ずっと目標にしていた会場だったんですよね?
 「はい。路上デビューしたのが2012年なんですけど、そのときから“いつかガイシホールでライヴがやりたい”と言っていて。でも、本当に出来るとは思ってなかったんですよ。ファンの方もスタッフも“まさか出来るわけない”と思ってただろうし、私たちメンバーも“とりあえず大きい目標を立てれば、いい感じに見えるかな”くらいだったので(笑)。まさか本当に叶う日が来るなんて思ってなかったです」
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――当時のリアルな目標はどこだったんですか?
 「Zepp Nagoyaです。有名なバンドさんとかもライヴをやっているし、私も先輩のももクロちゃんのライヴを観に行っていたので、私たちもやりたいなって。2000人くらいのキャパだから大変だなって思ってたんですけど、意外とすぐに叶って。“ん??”って感じでした(笑)」
――日本ガイシホールのステージに立ったときは、どんなふうに感じました?
 「幕がバッと開いて、お客さんを見た瞬間に“ガイシのステージに立ってるんだ”と実感しましたね。1曲目が〈プロフェッショナル思春期〉だったんですけど、私から歌い出す曲なのでドキドキしちゃって。自分のパートを歌い終わって、やっと周りが見え始めました。“お客さん、めっちゃいる!”って思ったし、すごく嬉しかったです。最後の曲の〈マジ感謝〉を歌ってるとき、“いままでいちばん心から「感謝」って歌ってるな”って感じましたね。ファンのみんなに直接ありがとうを伝えられるし、改めて“いい曲だな”って。伊藤千由李がローラースケートで登場したり、私と咲良菜緒がユニット曲を歌うときに外のメンバーが手伝ってくれたり、スターダストの後輩ちゃんがバックダンサーをやってくれたり。普段とは違うステージが出来たのも良かったです」
――2016年の11月の横浜アリーナ公演からメンバーも演出に参加するようになって、ライヴの内容も少しずつ変化してますよね。
 「そうですね。今年の春のツアー(〈チームしゃちほこ おわりとはじまり SPRING TOUR 2017〜#ナゴヤの大逆襲〜〉)でもメンバーがセトリを作ったんです。“ここで盛り上げたい”とか“ここで笑ってもらえたら嬉しいね”みたいなことを考えて。みんなで意見を出すんですけど、特に咲良菜緒はふだんからたくさんライヴを観ているので、お客さんの気持ちがよくわかっていて。いつもすごくいいアイデアを出してくれるので、助かってますね。やってみて初めてわかることもあるんですよ。〈START〉という曲はライヴの最初にやったほうが盛り上がるだろうなと思っていたら、じつは中盤のほうが反応が良かったり。春のツアーでもいろいろと学びました」」
――では、ベスト・アルバム『しゃちBEST 2012-2017』について。収録曲はファンの投票で決まったわけですが、秋本さんはどんなふうに感じていますか?
 「『DISC 1』(〈colors〉〈乙女受験戦争〉〈そこそこプレミアム〉など)はライヴのアゲ曲、お客さんがコールを入れやすい曲が多くて。『DISC 2』(〈START〉〈プロフェッショナル思春期〉〈いいくらし〉などを収録)は音楽の幅が広くて。『DISC 1』は“炎”、『DISC 2』は“キラキラ”という印象ですね、私のなかでは」
――秋本さん自身が特に思い入れがある曲は?
 「やっぱり〈colors〉ですね。2014年に出した曲なんですけど、ファン投票でも中間発表からずっと1位だったし、大事なときに歌ってきた曲でもあるので。しゃちほこの歴史を一緒に積み上げてきた感じもあるし、メンバーもお客さんも思い入れがあると思います。去年の武道館ライヴのときに、お客さん、スタッフのみなさんに対してサプライズで歌ったことも私のなかではすごく印象に残っていて。そのときからファンのみなさんも〈coloros〉を意識するようになったんじゃないかなって。横アリ公演のタイトルも〈colors〉だったし」
――チームしゃちほこのテーマ・ソングというイメージもありますからね。
 「そうですね。“僕たちの色色 まざりあって ほら、新しい色”という歌詞も好きです。〈恋人はスナイパー〉にもいろんな思い出がありますね。2012年の4月に路上ライヴを始めたときに作っていただいた曲で、しゃちほこの曲のなかでもいちばん歴史があって。初披露は名古屋城だったんですけど“見てー!あの金ピカに光る私たちのシンボル!しょちほこよー!”という最初のところで金のしゃちほこを指さしたんですよ(笑)。そのときに“人間50年 アイドル5年、尾張名古屋にしゃちほこあり!“というキャッチフレーズをはじめて言ったんですけど、ちょうど5年でガイシホールのステージに立てて。いい流れだと思います(笑)」
――2014年以降は〈プロフェッショナル思春期〉〈いいくらし〉など、表現力を求められる楽曲も増えてますよね。
 「最初の1、2年は勢いで突っ走っていたというか"とにかくお客さんを疲れさせよう"っていう感じだったので(笑)。いまもそういう面はあるんですけど、じっくり聴かせる曲、見せる曲も増えて。メジャー・デビューしてから、ボイトレにも通い始めたんですよ。それまでボイトレしてなかったのもおかしな話なんですけど(笑)、歌を上手くいたいとも思ってなくて、とにかくその場を盛り上げることだけを意識していたんですよね、私は」
――メジャー・デビューのタイミングで"歌の技術も上げたい"と思ったと。
 「その時期にチーフ・マネージャーが"ボイトレやらないとダメだ"ってやっと気付いたんですよ(笑)。伊藤千由李はもともと歌が上手くて、歌姫としてしゃちほこを引っ張ってもらってるんですけど、私はカラオケにもほとんど行ったことがなかったから」
――でも、ライヴを重ねることでステージでの経験値は上がってくるのでは?
 「はい。しゃちほこはバンドさんとの関わりも多いので。〈colors〉はBase Ball Bear小出祐介さん、〈START〉はBLUE ENCOUNTさんに作っていただいたり。ロックフェスにもよく出させてもらっていて、ロッキン(〈ROCK IN JAPAN〉)は今年で4回目だったんですよ。"しゃちほこはロック方向で攻める"というのがあったみたいです、どうやら(笑)。アイドルフェスにはなかなか出させてもらえないんですけどね」
――ロックフェスで得たものもたくさんある?
 「肩を組んでヘドバンしたり、お客さんが自由に楽しんでるんですよね。バンドのみなさんもその瞬間のパッションで好きなように動いている印象があって。アイドルはもっと規則正しいというか、フォーメーションや歌い分けもしっかり決まってるじゃないですか。だから"ロックバンドとアイドルのいいところが融合したらすごいだろうな"と思って。しゃちほこのライヴは、上手と下手にお立ち台を用意してもらっていて。自分の気持ちが高まったときは、フォーメーションを崩してお立ち台に立つんです。それもロックフェスから学んだことだし、"いいな"と思うことは何でも取り入れるようにしてますね」
――ベストアルバムの『ROAD to ナゴヤドーム前矢田盤 SINGLE』には〈We are...〉〈耳をすませば〉が収録されています。
 「〈We are...〉はオシャレな曲だなって思います。ラップが入ってたり、菜緒がシャウトしたり。K-POPっぽい感じかなって思ったら、途中で和太鼓が入ったり、聴きどころがたくさんあるんですよ。テーマは青春なんですけど、私は“中二病っぽいな”って思いましたね。“征服脱いだアイデンティティ”とか“塗り潰せ模範解答の情景”とか“刹那を翔けろ”とか、かっこいい言葉が並んでいて。私が好きな少年漫画っぽいイメージもありますね」
――〈耳をすませば〉はノスタルジックな雰囲気のミディアム・チューン。
 「今までのしゃちほこの曲のなかでも、いちばん青春っぽい曲だと思います。大黒柚姫のパートに“自転車置き場でひとり 君を待ち”という歌詞があるんですけど、情景が思い浮かぶし、疑似恋愛ができるんじゃないかなって。いま中高生の人たちはキュンとなるだろうし、大人の方も懐かしさを感じてもらえるんじゃないかな。私はこういう甘酸っぱい青春を経験してないんですけどね(笑)。ライヴではステッキを使ってパフォーマンスをしているんですけど、それも初めてなんです。音源とは違った楽しみ方をしてもらえるんじゃないかな」
――しゃちほこの新しい魅力が感じられる楽曲ですよね。このベスト盤は5年間の総括でもあると思うのですが、いままでの活動のなかでいちばん大きなターニングポイントはどこだったと思いますか?
 「去年の夏の日本武道館のライヴから横浜アリーナまでの時期ですね。しゃちほこはもともと6人で活動していたんですけど、2015年11月に安藤ゆずが活動休止して。横アリのときに、ゆずはいなかったけど、卒業式をやらせてもらったんです。ファンのみなさんも“卒業式をやってくれて嬉しい”と言ってくれたし、メンバーも“5人でがんばろう”という気持ちになれたので……。そこで切り替えられたのは大きいと思います」
――メンバー5人の関係にも変化があった?
 「そこはあまり変わらないかな。6年くらいずっと一緒にいるから、言葉にしなくても思っていることは一緒なので」
――ナゴヤドームを目指して、ここから新しい活動がスタートしますね。
 「それこそ“ホントに出来るのかな?”という感じですね(笑)。ドームでライヴをやるアーティストさんって、日本中、誰でも知ってるようなすごい人たちばかりなので。私たちは名古屋を中心に活動しているので、まずは愛知県のみなさんにしゃちほこのことを知っていただいて。そこから全国に広げていけたらいいなと思ってます」
――そのためには新しいトライも必要かもしれないですね。
 「何がいいかな?人気アニメや人気ドラマの主題歌とか、コラボとか……。そうだ、米津玄師さんとコラボして、アニメの主題歌をやりたいです! その曲でMステに出て、ヒットして、ナゴヤドームですね!!」」
取材・文 / 森 朋之(2017年10月)
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