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“アイドルはジョージ・ハリスン”──10代ならではの揺れる気持ちを歌うシンガー・ソングライター弓木英梨乃がデビュー!

 10月21日にシングル「LφST」でメジャー・デビューを果たす、大阪出身の19歳、弓木英梨乃。母親の勧めで2歳半からバイオリンを始め、中学生の頃には父親の影響でビートルズにハマり、ギターを始めただけでなく、オリジナル楽曲作りにも目覚めたという。そんな彼女が紡ぐ作品は、10代ならではの“揺らぎ”が垣間見える一方、10代とは思えないギター・テクニックが見事に共存した、新しいスタイルの音楽と言って過言ではない。タイトル曲「LφST」が、デビュー曲ながら話題の映画『携帯彼氏』の主題歌になっていることからも、その実力と魅力がすでに各界から注目を浴びているのは明確だ。これからの音楽シーンを盛り上げてくれるであろう期待の新星・弓木英梨乃を直撃!


──メジャー・デビューまであと数日。今、どんな気持ちですか?
弓木英梨乃(以下、同) 「CDが出て、どういう反応があるのかなって思うと、ちょっと不安です……。でもそれ以上に何が起きるかワクワクだし、楽しみでもあります」
──10月21日にリリースされる「LφST」は映画『携帯彼氏』(10月24日公開)の主題歌ですが、デビュー曲がいきなり映画の主題歌になると聞き、曲作りに影響はありましたか?
 「その話を聞いた時、最初は“私には無理! 書けない!”って思ったんです。それまで自分の経験からしか曲を書いてこなかったので。でも実は私、大好きなマンガの『20世紀少年』が映画化される時に、勝手に主題歌を作ったことがあるんですよ。第一章が公開される前に、今ならまだ間に合うと思って(笑)。その時はエンドロールで流れるのを想像しながら書いたんですけど、今回も、脚本を読ませていただいた上で、エンドロールを思い浮かべながら書きました。この映画はサスペンスでもあり、ラヴ・ストーリーでもあって、わたしの中では今まであまりなかったタイプの映画なんですが、楽曲でその両方を出したいと思い、曲調はサスペンスを意識してダークに、歌詞ではラヴ・ストーリーについて書きたいなってイメージしながら作りました。曲は脚本を読んでパッとできたんですけど、歌詞は何度か書き直しましたね」
──映画の制作サイドからは楽曲に対しての具体的なリクエストはあったんですか?
 「男女の恋愛……大切な人を失ってしまうけど、最終的には次に向かっていこうっていう雰囲気が見える歌詞がいいんじゃないかと言われたので、私もそれを意識しました。ただ、曲に関しては本当にすぐできてしまったので、それをいざ先方に聴いてもらう段階になった時は緊張しちゃって……。良いですねって言われた時は、すごく嬉しかったですね。主演の川島(海荷)さんや朝倉(あき)さんとかが、映画に合ってるって言ってくれたのも、嬉しかったです」
──弓木さん自身が、この曲に対して譲れないことはありましたか?
 「ストリングスです。作曲をしている時から、この曲にはストリングスを入れたいと思っていて、デモを作った時も頭から最後まで壮大なストリングスを入れたぐらい、そこだけは絶対に譲れないと思っていて。それが実際に、しかもリヴァプール・セッション・オーケストラの演奏で入れることができたなんて……。私、ビートルズがすっごい好きなので、リヴァプールからの音を聴いた時は涙が出るほど感動してしまいました。CDにはmovie versionとoriginal versionの2種類が収録されるんですけど、特にmovie versionの方がストリングスが強調されています」
──ストリングスのほか、弓木さんのギター・プレイにも耳を奪われました。ミュージック・ビデオで拝見した、ギターを弾く姿も様になってて。誉め言葉になるかわかりませんが、すごく男らしい(笑)。
 「よく言われます(笑)。ギターは中学生の時から始めたんですけど、その時から、女の子でギターがバリバリに弾けたらかっこいいんじゃないかなっていう気持ちで練習してたんですよね。あと、ギターってバンドでも一番目立ちますし(笑)。曲を書く時は、ギター・ソロを必ず入れたいなと思っているんです。歌と同じくらい、ギター・ソロも聴いてもらいたいので、レコーディングの前はいつも、すごく時間をかけて考えます」
──「LφST」でも、カップリングの「Pride」でも、弓木さんのギターの音色からは、いわゆるエレキの音というよりも、どこか優しい印象を受けました。それこそビートルズに通ずるものがあるというか。
 「ビートルズのギターって歪まない、クリーンな音なんですよね。私が中学生の頃、大好きなジョージ・ハリスンのリード・ギターのところをずっとコピーしてる日々を送っていて、プレイだけでなく音もコピーしてたんです。なので、知らないうちに自分が曲を作る時もそうなっていたというか。でも最近、私の曲にはもっと歪んだ音の方がいいんじゃないかっていうアドバイスをもらって。実は、カップリングの〈Pride〉なんかは、自分では歪み過ぎてるんじゃないかっていうぐらいの気持ちなんです。自分でデモを録っている時は、こんなに歪ませないぞって思ってたんですけど……(笑)。最近は歪んだギターの曲も書くようになってきたような気がします」
──早速新しい引き出しが増えたんですね。これから先、どんなアーティストになっていきたいと思っていますか?
 「今までは本当、自分のために曲を書いて、自分のために歌ってって感じだったんですけど、これからは聴く人がいるってことを意識して、たくさんの人に共感してもらえる曲を書きたいです。そういう曲を書くためにも、日頃からいろんなことを経験したいなって思います。曲作りのエネルギーになるものですか? 私の場合は恋愛。恋愛すると曲がたくさん書けます。だから早く、東京で恋愛したいな(笑)」
取材・文/片貝久美子(2009年10月)
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