トリオで優れた録音を遺しているアーマッド・ジャマル。本作は1959年に15人からなるストリングス隊を迎えて制作されたもので、趣味のよいピアノと洗練されたアンサンブルが醸し出す雅やかな雰囲気がたまらない。

マイルス・デイヴィスはもちろんのこと後世にも多くの影響を与えたアーマッド・ジャマルのトリオによるスタジオ録音。「タイム・オン・マイ・ハンズ」をはじめとする人気曲のほか、ジャマル自身のペンによる楽曲も収めている。

“カクテル・ミュージック”と呼ぶにはあまりにも深いアーマード・ジャマル作品。トリオで米・ワシントンDCのクラブに出演した際の実況録音であり、当時のメインストリームのジャズピアニストとはスタイルを異にする端正なプレイが印象的。

アーマッド・ジャマルのクインテットが1960年に録音したアーゴ盤。レギュラー・トリオにヴァイオリンとギターを加えた珍しい編成で録音されているが、各々が目立ち過ぎることはなく抑制の効いたアンサンブルとなっている。

仏・パリを拠点に活動するヒップホップ・フュージョン・バンドが2022年に発表したミックス・テープ。グルーヴ感あふれるトラックに表情豊かなギターやトランペットが重なる極上のインストゥルメンタル・ミュージック。

鍵盤奏者としてのみならず作曲家や脚本家としても才能を発揮したウェルドン・アーヴィンが、1977年に自ら手掛けたミュージカルの劇中歌アルバム。グルーヴィなチューンからゴスペル・ライクな楽曲まで、ヴァラエティに富んだ内容だ。

THE JAZZ AVENGERSのメンバーとして八面六臂の活躍を見せるサックス奏者による2024年のアルバム。AMI NAKAZONO BANDの10周年にあたり、安部潤とのタッグで制作されたオリジナル曲を多数収録している。

本多俊之と野力奏一という大御所にして同世代の二人によるインティメットなデュオ作。新宿文化センター大ホールの長期休館を前に、その歴史的遺産としての価値を確かめるべく行なわれた2023年10月の無観客録音を収録。

アルト・サックス奏者の纐纈歩美による2024年発表作。好評を博した前作『O Pato』に続いて彼女の音楽性に理解を示す実力者と制作されたもので、柔らかなサウンドと内に秘める情熱のコントラストが美しい。

ピアノの片倉真由子との共演などで人気を集めるトランペッター、広瀬未来が山口真文らを含むトップクラスのプレイヤーと制作したアルバム。グループとしてまとまりつつも各人の個性が発揮されている。

押しも押されぬトップ・ジャズ・ベーシストのクリスチャン・マクブライドが多彩な音楽性で知られるエドガー・メイヤーと共演した貴重なデュオ作。個性あふれるベース演奏はもちろんのこと、一部でピアノ演奏も披露している。

“ピアノの詩人”ことフレッド・ハーシュがECMに遺した初のピアノソロ作。世界中の同業者から一目置かれる才人が「朝日のようにさわやかに」をはじめとするスタンダードに加え即興的なオリジナル曲もプレイしている。

後進ピアニストに多大なる影響を与えたアート・テイタム。ヴェレット・バークスデール、スラム・スチュワートを迎えた第2期トリオが1953年にシカゴのブルーノート・ジャズクラブに出演した際のインティメットな演奏を3枚組のCDに収めた奇跡の発掘盤。

キャノンボール・アダレイが、実弟ナットらとのコンボで1972年に行なったパリでのライヴが2024年に初の公式リリース。フランスに残されたアーカイヴをもとにした完全版で、名曲「マーシー・マーシー・マーシー」も収録。

多くの名演を生んだジョー・シーガルのジャズ・ショーケースに出演したサン・ラをとらえた貴重な2枚組。1976年と1977年のライヴで構成されており、ジョン・ギルモアやマーシャル・アレンのプレイも漏らさず収録している。

西海岸ジャズの代表格ドラマーだったシェリー・マンの貴重な発掘音源。1枚目には1958年のモンタレー・ジャズ祭での演奏を収め、2枚目には1966年のシアトルでのライヴを収録。メンバーもそれぞれ異なり2倍楽しめる。

サックスの巨人、ソニー・ロリンズが1959年に行なった欧州ツアーの音源を3枚組CDに詰め込んだファン垂涎の発掘盤。彼の真骨頂であるシンプルなトリオながら、途中でドラムが交代しているのが興味深い。

闘病後のチェット・ベイカーが同じトランペット奏者のジャック・シェルドンらと行なった1972年のセッション。タイトル通り優れたハーモニーを奏でたものの陽の目を見ることのなかった音源が関係者の尽力により半世紀を経て発掘された。

日本国内でも人気の高いマル・ウォルドロンが、スティーヴ・レイシーらとともに95年に行なったベルギー公演。マルの70歳の誕生日を祝し、レジー・ワークマンらを迎えて行なわれた貴重なライヴが30余年を経て陽の目を見た。

唯一無二のサックス兼フルート奏者として今なお評価の高いユセフ・ラティーフ。本作は1972年のフランス公演を収めた初のオフィシャル盤であり、センスの塊ともいえるケニー・バロンとの息の合ったインタープレイは圧巻。

サックス奏者や作曲家など、多彩な顔を持つキャシー・キノシがホーン・セクションとストリングス隊とともに作り上げた壮大なアンサンブル作品。ビッグバンド・ジャズの系譜から逸脱せず進化を続ける欧州ジャズの理想形のひとつ。

ピアノ、ギター、ドラムスからなる3ピースのインスト・バンドによる2ndアルバム。ジャズやロックをはじめとする多ジャンルの音楽を取り込み、ダンサブルでエモーショナルな音楽を追求。歌詞がなくとも物語のみえるサウンドが味わえる。

デビュー作『Freedom Exercise』が高い評価を得たジョシュ・ジョンソンによる2024年のアルバム。アンビエントとも形容できるが、サックスから電子音まであらゆる可能性を音楽に注ぎ込んだ自由度の高さが特徴的だ。