ヨーロッパ・ジャズ・シーンで活躍する、英・ブライトン出身のサックス／フルート奏者のアルバム。ニュー・マスターサウンズなどにも参加した、しなやかで美しい円熟のフレーズを中心に、ソウルフルな現代スピリチュアル・ジャズを披露している。

当代随一の歌い手が自身の生まれた70年代にフォーカスした一枚。マーヴィン・ゲイやプリンスといったレジェンドの音楽を土台に、シェニア・フランサやバロジを迎えてホセ・ジェイムス流の一級のコンテンポラリー作品へと昇華している。

ニューヨークはブルックリンのアミルタ・キダムビが率いるスピリチュアルジャズ・バンドによる3rdアルバム。相互に関連する世界中の紛争現場に関心を寄せて制作されており、そのメッセージ性とともに享受されるべき音楽。

英・ロンドンを拠点としてブリティッシュ・ジャズ・シーンを牽引するベーシスト、ルース・ゴラーによるアルバム。楽曲ごとに共演するドラマーを変えた興味深い作品で、セブ・ロッチフォードやフランク・ロザリーといった名手が参加している。

元SUPER BUTTER DOGのギタリスト、竹内朋康の約10年ぶりとなるソロ・アルバム。自身が中学時代に聴いていたジェフ・ベックへの回想的な作品で、フュージョンに焦点を当てるとともに、インストゥルメンタル・ミュージックを改めて追求した。

互いに1955年生まれのベテラン・テナーサックス奏者とギタリストがデュオ形式でインプロヴィゼーションに取り組んだ刺激的な作品。30分近い二つの楽曲のみで構成されており、ライヴ演奏らしい緊張感も感じ取れる。

海外でも名の知られたトランペッターの黒田卓也を中心とする大所帯バンドによる1stアルバム。国内で合宿して録音したものを米・ニューヨークでミックスダウンした3曲を含め、プロダクションの面でもスケールの大きな一枚だ。

ハンマーダルシマー奏者の第一人者、Hammered Dulcimer MiMiの2024年2月発表のアルバム。ピアニストの竹村夕子とともに音を作り、“MiMi Roll”と称される粒の細かい独自のトレモロ奏法が存分に楽しめる一枚となった。

陸悠、西口明宏、馬場智章といういずれも劣らぬ3人のサックス奏者が黒田卓也のプロデュースのもとで制作した2024年発表作。スタンダードのほかに彼らのオリジナル曲も含み、バランスのとれた“カオス”となっている。

各々が異なるグループで活躍する内橋和久(g）、太田惠資（vn）、かわいしのぶ（b）、外山明一(ds）の4人からなる即興バンドによるアルバム。シンプルなタイトルを冠されたわずか3曲のみながら、ライヴ録音による臨場感と凄みを体験できる。

2024年、ヘンリー・マンシーニが生誕100周年を迎えたのを機に編まれたコンピレーション。歴代の名ジャズ・ヴォーカリストからピアニストまで、錚々たる顔ぶれにより演奏された巨匠の楽曲をまとめて聴くことができる。

シャバカ・アンド・ジ・アンセスターズを率いる、新世代UKジャズの筆頭格が放つデビュー・アルバム。EP『Afrikan Culture』を土台に、さらに独自性を追求した内容。エスペランサやカルロス・ニーニョら豪華ゲスト陣にも注目だ。

米・アラスカ生まれのヴォーカリスト、ヘイリー・ロレンによる2024年発表のアルバム。三つの先行シングルを含むヴァラエティに富む楽曲で構成されており、古き良き時代のジャズとポップスを無理なく融合させた歌唱を聴かせる。

米・ニューヨーク在住の日本人ジャズ・ヴォーカリストによる1stアルバム。現地の腕利きミュージシャンや押しも押されぬ存在となった黒田卓也らを迎えて録音されており、すでにベテランらしい堂々たる歌唱を聴かせている。

ALIのメンバーとしても活躍したキーボーディストによるソロ・プロジェクトのアルバム。“音楽映画”をコンセプトとした、6曲からなる長編の組曲作品で、インストゥルメンタル音楽の枠を超えた物語を紡ぎあげている。

サックス奏者の守谷美由貴が、峰厚介(ts）をゲストに迎えて放つ4作目のリーダー・アルバム。夏をイメージしたポップな爽快作で、自身のオリジナル曲のほか、峰作曲の美しいバラードや師である土岐英史の名曲「After Dark」などを収録している。

2018年にデビューした名古屋発の5人組インスト・バンドによる2024年発表作。とりわけ伊藤寛哲の存在感が大きく、アドリブを含むギター・インストとしての性格が強いが、随所にドラムソロなども聴ける硬派な一枚だ。

名盤『アット・ザ・パーシング』が吹き込まれた1958年に録音されたもう一つのライヴ作。イスラエル・クロスビーらとのおなじみのトリオでワシントンDCのクラブに出演した際の実況録音で、抑制の効いた演奏が印象的。

アーマッド・ジャマルがイスラエル・クロスビーを含むトリオで録音した記念すべき最初のアーゴ盤。少ない音数で聴き手を魅了できる鋭敏なセンスはマイルス・デイヴィスを含む多くの人々を虜にし、死後も輝きを放っている。

1958年録音の不朽の名盤『アット・ザ・パーシング』と同日の演奏で構成されたヴォリューム2。プレイの質はもちろん第一弾と遜色なく、ジャマルのトリオによるクールな「チェロキー」などを聴くことができる。

アーマッド・ジャマルがイスラエル・クロスビーを含むトリオで米・サンフランシスコのブラックホークに出演した際の実況録音。同時代のプレイヤーのみならず後の世代にも多大な影響を与えたタッチをじっくり味わうことができる。

マイルス・デイヴィスを魅了し、上原ひろみを見いだしたレジェンド、アーマッド・ジャマルが自身の所有するシカゴのジャズ・クラブ「アルハンブラ」で行なったライヴ。イスラエル・クロスビーらとの息のあったトリオ演奏が心地よい好盤だ。

端正なフレージングで他のジャズメンと一線を画したアーマッド・ジャマルのトリオによるライヴ盤。1961年に自身が所有するクラブで録音されたもので、レイドバックした雰囲気の中で披露されるスウィンギーなピアノを楽しめる。

トリオで優れた録音を遺しているアーマッド・ジャマル。本作は1959年に15人からなるストリングス隊を迎えて制作されたもので、趣味のよいピアノと洗練されたアンサンブルが醸し出す雅やかな雰囲気がたまらない。

マイルス・デイヴィスはもちろんのこと後世にも多くの影響を与えたアーマッド・ジャマルのトリオによるスタジオ録音。「タイム・オン・マイ・ハンズ」をはじめとする人気曲のほか、ジャマル自身のペンによる楽曲も収めている。