【Fanfare Ciocărlia ファンファーレ・チォカリーア】 来日公演直前!ルーマニアから世界最速のジプシー・ブラス・バンドがやってくる!!

ファンファーレ・チォカリーア   2014/10/10掲載
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 まもなく来日公演が始まるファンファーレ・チォカリーア。ルーマニア北東部に位置するゼチェ・ブラジーニ村から世界に飛び出したジプシー・ブラスのバンドだ。初めて出会ったときは世界最速と言われる演奏にびっくりしたが、最近は、トランペットやサックスの奥で、パーカッションとチューバやホルンが奏でるリズムのグルーヴィーな気持ち良さが身に染みる。ヴォーカル / トランペットのチマイ(Costică“Cimai”Trifan)と彼らを発掘したドイツ人マネジャー、ヘンリー(Henry Ernst)に話を聞いた。
――タッタラッター、タッタラターという、よく出てくる独自のリズムが大好きです。
コンスティカ“チマイ”トリファン 「それは、マネア(Manea)というグルーヴィなスタイルですね。ホーラ(Hora)とか、もっと速いダンスのリズム、シルバ(Sirba)なども定番です。これらはトルコから伝わったリズムを、自分たちのルーツに根ざしたビートに置き換えたものです」
ヘンリー・アーネスト 「何百年もオスマン帝国の支配下にあったので、セルビア、ブルガリア、マケドニア、あるいはルーマニアの一部まで含めてトルコ音楽の影響が強い。なかでもジプシーの人たちが好んで演奏するのがマネアというビートです。それはたぶんインドからトルコを経て伝わってきたんじゃないかとぼくは思う」
――同じリズムでも地域によって微妙に異なっているんじゃないですか?
チマイ 「マケドニアではホーラがオーロになるし、どこにでもあるリズムなんだけど、地域性が微妙に出ている。たとえばマケドニア、セルビアの一部、ブルガリアでは11拍子とか変拍子を好むエリアがあったり、ルーマニアにおいては、ホーラとシルバに関しては4分の4拍子もしくは2拍子で変拍子にはならない」
――ファンファーレ・チォカリーアの場合、基本的なスタイルは、2006年に亡くなってしまったリーダーのイォアン・イヴァンチャ(Ioan Ivancea)さんが決めていたのですか。
チマイ 「知識が豊富で、当然ぼくたちはリスペクトしていたけど、どんな曲を演るか、どのように演るかということに関してはみんなで決めていました。とくに外国をツアーするようになってからは、どういうふうにやれば喜んでもらえるかとみんなで考えました」
――伝統的な曲だけでなく、皆が知っているデューク・エリントンの「キャラバン」とかステッペンウルフの「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」のような曲もファンファーレ・チォカリーアふうにやっていますね。
チマイ 「ロックでもジャズでも、どんな音楽でも聴きます。ぼくらは結婚式で音楽を演奏していました。そのときABBAの〈マネー・マネー・マネー〉をやってくれとリクエストがきてできなかったら話にならない。どんな曲でもぼくらなりのスタイルで演奏できますよ」
ヘンリー 「96年に初めてゼチェ・ブラジーニ村に行って彼らに会ったとき、ぼくが西側の人間だからとABBAやマイケル・ジャクソンの曲を演奏してくれてビックリしました。8歳ぐらいの子供から70歳ぐらいのおじいちゃんまで、独自のスタイルで演奏していたんです。村に行ったのは偶然でした。車のガソリンが切れて農夫の人にガソリンを分けてもらったんです。そのとき、ぼくはジプシーの音楽が好きと話したら、ここから2キロぐらい行ったところにブラスをやっている人たちがいるよと教えてくれた。そのときぼくは、マケドニアやセルビアにジプシー・ブラスのバンドがいることは知っていたけど、ルーマニアの話は聞いたことがなかった。ちょっと行ってみたら、イォアン・イヴァンチャに出会って、みるみる村人が集まってきて演奏が始まったんです。ほんの1時間ぐらい滞在するつもりで行ったのですが、そのまま3ヵ月、滞在しました。そしてこの素晴らしい才能の持ち主たちを、広く紹介したいと思うようになったのです」
――それがファンファーレ・チォカリーアになったのですね。
チマイ 「当時は、結婚式で演奏することで生計を立てていました。いつ結婚式があって予算はこのくらいという話がイォアンに持ち込まれると、その予算に応じて、誰と誰が行って演奏するという段取りが組まれます。その場かぎりのグループで行き、次ははまたべつの組み合わせで演奏に行くというスタイルでした」
ヘンリー 「特定のメンバーでバンドのようになったのは、ファンファーレ・チォカリーアを作ったときからです」
――最新アルバム『悪魔の物語』をカナダのギタリスト、エイドリアン・ラッソとやることになった経緯は?
チマイ 「今までとは違うことをやってみたいなと考えていたところに、エイドリアン・ラッソのほうから話を持ちかけられた。録音は、とても雰囲気の良いトロントのスタジオで行なわれました。エイドリアンはイタリア系なのでぼくたちに近い感覚で仲良くなりました」
――今までたくさんの音楽フェスティヴァルに出たと思いますが、とくに好きなフェスティバルを3つあげてください。
チマイ 「私たちは世界の100以上のフェスティヴァルに出ました。スイスのパレオ・フェスティヴァル(Paleo Festival)、カナダのモントリオール・ジャズ・フェスティヴァル、それからフジロックフェスティバルですね」
取材・文 / 石田昌隆(2014年7月)
ライヴ写真 / 船橋岳大
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Fanfare Ciocărlia 来日公演
www.plankton.co.jp/fanfare/index.html

2014年10月13日(月・祝)
World Beat 2014 ジプシー・オリエンタル・エクスプレス!!”

東京 めぐろパーシモンホール 大ホール
〒152-0023 東京都目黒区八雲1-1-1
03-5701-2924

出演: ファンファーレ・チォカリーア / クイーン・ハリシュ / ババズーラ / ピーター・バラカン(プレトーク)
開場 16:30 / 開演 17:30
前売 S席6,500円(税込)


2014年10月12日(日)
埼玉 所沢市民文化センター ミューズ マーキーホール
〒359-0042 埼玉県所沢市並木1-9-1
04-2998-6500

開場 15:30 / 開演 16:00
全席指定 4,000円(税込)

※お問い合わせ / ご予約: ミューズチケットカウンター 04-2998-7777

2014年10月15日(水)
兵庫 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
〒663-8204 兵庫県西宮市高松町2-22
0798-68-0223

開場 18:30 / 開演 19:00
全席指定 4,000円(税込)

※お問い合わせ / ご予約: 芸術文化センターチケットオフィス 04798-68-0255

2014年10月17日(金)
茨城 つくば ノバホール
〒305-0031 茨城県つくば市吾妻1-10-1
029-852-5881

ロビー演奏: 浅草ジンタ(18:15〜)
開場 18:15 / 開演 19:00
全席指定 4,000円(税込)

※お問い合わせ / ご予約: ノバホール 029-852-5881 / つくば文化振興財団 029-856-7007

2014年10月18日(土)
神奈川 横浜 KAAT 神奈川芸術劇場
〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町281
045-633-6500

特別ゲスト: 渡部真一(渋さ知らズオーケストラ)
出演: クイーン・ハリシュ / ジンタらムータ with ベリーダンサーズ(YOSHIE, Praha ほか)
開場 15:00 / 開演 15:30
S席 4,000円 / A席 3,000円(税込)

※お問い合わせ / ご予約: チケットかながわ 0570-015-415

2014年10月19日(日)
茨城 日立シビックセンター 音楽ホール
〒317-0073 茨城県日立市幸町1-21-1
0294-24-7711

開演 15:00
一般 3,000円 / 高校生以下 1,500円(税込 / 全席指定)
※同日12:50より映画『炎のジプシーブラス』上映会あり。公演チケットお持ちの方は入場無料。

※お問い合わせ / ご予約: 日立シビックセンター チケットカウンター 0294-24-7720
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