『ブンミおじさんの森』(2010年)でカンヌ映画祭・パルムドールを受賞したタイの
アピチャッポン・ウィーラセタクン監督による幻の傑作、映画『世紀の光』(2006年)の日本での初となる劇場公開が決定。2016年1月9日(土)より東京・渋谷 シアター・イメージフォーラムで上映されます。
『世紀の光』は2つのパートに分かれており、前半は地方の緑豊かな病院、後半は近代的な白い病院が舞台。登場人物の多くも重なり、医師の恋の芽生えなどのエピソードはどちらのパートでも反復されるなど、どこか奇妙な感覚に誘われる“微笑み”と“驚き”の傑作。ラストを飾る
NEIL & IRAIZAの楽曲や、闇に聞こえる虫や動物の声、空調ダクトの響きといった“音”も本作の重要な要素となっています。
初長編となった『真昼の不思議な物体』が2001年に山形国際ドキュメンタリー映画祭で優秀賞を獲得したのを皮切りに、『ブリスフリー・ユアーズ』(2002年)はカンヌ国際映画祭・ある視点賞、『トロピカル・マラディ』(2004年)は同審査員賞、そして『ブンミおじさんの森』で遂にパルムドールに輝き、トップクラスの映画作家として注目を集めると同時に、美術作家としてもヨコハマトリエンナーレへの参加(2011年)やヒューゴ・ボス賞へのノミネートと、世界的に活躍しているアピチャッポン・ウィーラセタクン。2016年は、『世紀の光』公開に合わせ、旧作長編とアート・プログラムを集めた特集上映が開催され、3月には最新作『光りの墓』が公開。さらにアートの分野でも、福岡、青森、横浜での展覧会やワークショップ、〈さいたまトリエンナーレ 2016〉への参加に東京都写真美術館での個展も予定されています。
(C)2006 Kick the Machine Films
■『世紀の光』
2016年1月9日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
製作・監督・脚本: アピチャッポン・ウィーラセタクン
字幕: 寺尾次郎
字幕協力: 吉岡憲彦
配給: ムヴィオラ