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ビーディ・アイの呼びかけによる日本支援チャリティ・イベントのレポートが到着!

ビーディ・アイ   2011/04/05 15:43掲載
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 イギリスが生んだ稀代のロックンロール・スター、元オアシスリアム・ギャラガー(vo)率いる新バンド、ビーディ・アイ(Beady Eye)の呼びかけで実現した、イギリス赤十字社による東日本大震災を支援するチャリティ・イベント<ジャパン・ディザスター・ベネフィット>(JAPAN DISASTER BENEFIT)が、現地時間(イギリス)4月3日(日)にブリクストン・アカデミーで行なわれました。

 オアシス時代からツアーで何度も日本を訪れているビーディ・アイは、「古くからの友人である日本のために何かしたかった」と、地震発生からわずか10日後の3月22日にこのチャリティ・イベントを発表、さらに12日後にはイベント実施と、異例のスピードで行動。そしてビーディ・アイの趣旨に賛同し、このイベントに参加したのは、ポール・ウェラープライマル・スクリームリチャード・アシュクロフトザ・ヴァーヴ)、グレアム・コクソンブラー)、ケリー・ジョーンズステレオフォニックス)、ザ・コーラルという顔ぶれ。

 ビーディ・アイのメンバーは、「日本で地震が起きた頃、俺たちはちょうどヨーロッパ・ツアー中だった。確かパリだったかな? ずっとTVを見てたよ。すぐに何かしないといけないと思ってポール・ウェラーに電話したら、大至急OKしてくれた。その後ポールも多くの友人に電話して、あっという間にみんなが賛同してくれて、気づいたらこんなに集まってくれた」(リアム・ギャラガー)、「出演者はもちろん、ライヴ会場、会場で働いている人も全て無償で協力してくれたんだ」(アンディ・ベル)と、語ったこのイベント、約5,000枚のチケットは3月25日(土)朝9:00に売りだされ、即日ソールドアウト。出演したアーティストだけでなく、クルーまでもが無料奉仕したというこのコンサートの収益金(約16万ポンド / 約2,200万円)は、イギリス赤十字社を通じて、被災地で被害者の対応にあたっている日本赤十字社の支援にまわされることになっています。

 ライヴ当日、ビーディ・アイはライヴの最初と最後でステージ後方のスクリーンに日の丸を掲げながら計11曲を披露、イベント最後となるビーディ・アイのラスト・ナンバーに選ばれたのは、彼らとしては初披露となるビートルズのカヴァー曲「アクロス・ザ・ユニバース」。オリジナルではジョン・レノンがヴォーカルをとるこの楽曲は「なにも自分の世界を変えることはできない」というメロディーが印象的なもので、まさにビーディ・アイから日本へ向けられた応援ソングと言えるのでは。


ビーディ・アイ


【オフィシャル・ライヴ・レポート】より / Text By Ako Suzuki

 4月3日、東北地方太平洋沖地震の被災者を支援するため、リアム・ギャラガー(ビーディ・アイ)の呼びかけにより、UKロック界の大御所が集結したチャリティ・コンサート<JAPAN DISASTER BENEFIT>が、ロンドンのブリクストン・アカデミーで開かれた。

 購入に枚数制限があったにもかかわらず約5,000枚のチケットが瞬く間にソールドアウトしたこのスペシャル・ギグは、ロック・ファンのみならずミュージシャンからも厚い信頼を獲得しているザ・コーラルのパフォーマンスでスタート。「Good Bye」「Dreaming Of You」といったヒット曲のほか、ビートルズのカヴァー「Ticket To Ride」など7曲をプレイした。期待を裏切らない、彼ららしい実直でストレートなプレイでオーディエンスの心を掴み、この特別な夜の幕を切って落とした。

 続いて、「日本の映像を見てショックを受けていたときにポール・ウェラーから電話をもらい、すぐに出演を了承した」というグレアム・コクソンが、ステージに上がった。オープニングで新曲「Advice」を披露。自身を含め2ギター体制のフル・バンドで、「Don’t Let Ya Man Know」「Standing On My Own Again」「I Can’t Look At Your Skin」など6枚目のソロ・アルバム『Love Travels At Illegal Speeds』(2006年)のトラックを中心に8曲をプレイ。バック・ヴォーカルの女性2人もギターを手にし、ギタリストが総計4人になる場面も見られた。何層にもうねる、ダークで複雑なパフォーマンスを展開した後、グレアムは、シャイな彼らしく最後にぽつりと「日本のために」との言葉を残しステージを後にした。

 そして早くも3番手にUKロック界の親分的存在ポール・ウェラーが登場し、会場を揺るがせた。「30年間、日本のファンから多くのサポートをもらってきた。今度は俺たちがそれを返す番だ」との嬉しい言葉を発してくれたウェラーは、「Whirlpools End」「Start!」「Eton Rifles」など13曲を熱演。オーディエンスを大合唱させた。また、ラストでは、ステレオフォニックスのケリー・ジョーンズがジョインし、ビートルズの「Come Together」を一緒にプレイ。

 続いては、そのケリー・ジョーンズがアコースティック・パフォーマンスを披露。3曲と短いセットながら、「Local Boy In The Photograph」「Maybe Tomorrow」「Dakota」といったヒット曲の連打により会場は大合唱。ギター1本で5,000人を制覇した見事なパフォーマンスに。

 そして、プライマル・スクリームの登場に、会場はいままでの盛り上がりとはまたべつの、激しいグルーヴの嵐にヒットされた。不在のマニの代わりに元セックス・ピストルズグレン・マトロックをベースに、「Accelerator」「Movin On Up」「I wish You Would」「Loaded」「Country Girl」「Rocks」というグレイテスト・ヒッツ的なセットリストで、オーディエンスは総立ち。フロントマンのボビー・ギレスピーは、「このコンサートでプレイできて光栄に思っている。被害に遭った人たちを助けることができたら嬉しい」と話した。

 続いて、リチャード・アシュクロフトがアコースティック・パフォーマンスを展開。ザ・ヴァーヴの「Sonnet」「Lucky Man」でまたもやオーディエンスを大合唱させた後、「このイベントに参加してくれてありがとう。日本の友人、日本のみんなにはいまそれが必要なんだ」と述べ、ラストに新曲を披露。

 そしていよいよ、この素晴らしいコンサートを開催してくれたビーディ・アイの出番。リアムはコンサート前、「日本からの悲惨な映像を見てショックを受けた。それで何かできないかとみんなに連絡を取ったんだ。ポール・ウェラーはすぐに返事をくれた。プライマルもそうだ。それからさらに広がり、とんとん拍子で話が進んだ」と同公演が実現した経緯を説明している。

 「日本にはたくさんいい思い出がある」「日本の人は俺たちにいつもよくしてくれた」と日本や日本人に対し深い想いを持つメンバーは、スクリーンに大きく映し出された日の丸をバックに登場。オーディエンスは総立ちの大喝采で彼らを迎えた。すでに熱くなっている会場の温度がさらに上がったような熱狂ぶりだった。

 バンドは、デビュー・アルバム『ディファレント・ギア,スティル・スピーディング』のオープニング・トラックでもある「Four Letter Word」でパフォーマンスをスタート。その後、「Beatles And Stones」「Millionaire」など次々と熱いロックンロール・ナンバーをプレイ。彼らの実力と底力を実感させる、エネルギッシュでスピーディー、激しく骨太のパフォーマンスを見せてくれた。なかでも「The Roller」は、この夜のクライマックスの1つとなった。

 そして、ショウの半ばで「日本のために」と「Kill For A Dream」を捧げてくれたほか、終盤の「Sons Of The Stage」「Across The Universe」は再び、日本の国旗をバックに熱演。「信じて頑張ってくれ」というメンバーの想いが込められた、スペシャルなパフォーマンスだった。リアムはショウの最後、ステージからピッチに下りファンと接触。オーディエンスだけでなく、この夜の彼の興奮が伝わる一瞬でもあった。

 総勢7組のアーティストが出演し、そのパフォーマンスは5時間にもおよんだ。出演したアーティストだけでなく、クルーまでもが無料奉仕したというこのコンサートの収益金(約16万ポンド)は、日本赤十字社に寄付される。また、アーティストだけでなく観客の対応も温かく、日本人だとわかると「大丈夫?」「日本が立ち直ることを信じている」などと声をかけてくれる人も少なくなく、温かく強く励まされる一夜だった。


ビーディ・アイ


【ビーディ・アイ:セット・リスト】
01. Four Letter Word
02. Beatles And Stones
03. Millionaire
04. The Roller
05. Bring The Light
06. Standing On The Edge Of The Noise
07. Kill For A Dream
08. Man Of Misery
09. The Morning Son
10. Sons Of The Stage(ワールド・オブ・ツイストのカヴァー曲)
11. Across The Universe(ビートルズのカヴァー曲)
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