パレスチナのヒップホップ・ムーヴメントを取り上げた、初のドキュメンタリー映画『自由と壁とヒップホップ』(監督: ジャッキー・リーム・サッローム)。映画の主役ともいえる史上初のパレスチナ人ヒップホップ・グループ“
DAM”のジャパン・ツアーを実現するプロジェクトのクラウドファンディングが成功、この10月に日本をまわります。(写真: 『DABKE ON THE MOON』)
若者たちの音楽による非暴力の抵抗を描き、中東の若者たちに芽生えた新しいカルチャーの動きを最先端で捉え、彼らが抱える社会的問題や歴史的背景の複雑さを映し出した『自由と壁とヒップホップ』。過酷な環境で今を生きるパレスチナ人たちが生み出す音楽の切実さ、その希望へのメッセージ、遠く離れた日本の観客にも強烈なインパクトを残し続けています。〈DAM Japan Tour 2014〉は、東京(10月7日開催、会場: WWW)、大阪(10月8日開催、会場: Conpass)、京都(10月9日開催、会場: Metro)、横浜(10月10日開催、会場: Thumbs Up)で開催。
[DAM]パレスチナ人初のヒップホップグループであり、アラビア語ラップの先駆者。
グループ名は、アラビア語の動詞DAAMA(「永久に続く」の意)から来ているが、Da Arabian MCsの略でもある。
1990年代の後半からグループを結成し、歌い始める。2000年に占領地で勃発した第2次インティファーダ(イスラエルの支配に抵抗する民衆蜂起)に触発されて制作した「Who's the terrorist?」をネット公開したところ、たちまち100万回以上のダウンロードを記録し、DAMの名前は中東の若者のあいだに浸透した。
現在も世界各地で公演を行なう傍ら、故郷のリッダで、近郊の集落もふくめたアラブ系の若者たちや、イスラエルのパレスチナ人に様々なチャンスや教育を与えるため、地域社会におけるリーダーの役割を引き受けている。