昨年4月、東京・渋谷シアター・イメージフォーラムなどで公開され、同劇場の公開週動員記録を塗り替えるなど驚異的な大ヒットを記録した
『アクト・オブ・キリング』。その
ジョシュア・オッペンハイマー監督の新作となる『ルック・オブ・サイレンス』(原題: THE LOOK OF SILENCE)が今年の初夏、公開されます。
60年代、インドネシアで密かに行なわれた大虐殺の実行者たちにカメラを向け、自分たちの行なった虐殺を自らが演じて映画を作る、という前代未聞の手法が大きな話題を呼んだ『アクト・オブ・キリング』。『ルック・オブ・サイレンス』は、この『アクト・オブ・キリング』と対をなす作品。
本作の主人公となるのは、虐殺で兄が殺害された後、その弟として誕生した青年“アディ”。彼の老いた母は半世紀もの間、亡き我が子への想いを胸の奥に封じ込め、アディにも多くを語らずにいました。そして2003年、アディはジョシュア・オッペンハイマー監督が撮影した、加害者たちへのインタビュー映像を目にし、彼らが兄を殺した様子をほこらしげに語るさまに、強い衝撃を受ける――。「殺された兄や、今も怯えながら暮らす母のため、彼らに罪を認めさせたい」そう願い続けたアディは2012年、ジョシュアに再会すると彼と共に加害者のもとを訪れ、母も知らなかった事実が明らかにしていきます。
日本公開の決定と共に発表されたティーザー・ポスター・ビジュアルに大きく写しだされているのは、眼鏡技師として働くアディが用意した、視力検査用の眼鏡をかけた加害者の顔。恐怖によって“沈黙”を強いられながら生きてきたアディは「無料の視力検査」を行なうことで加害者の警戒をかわしながら、彼らに核心をついた質問を投げかけていきます。被害者の視点から“責任なき悪” のメカニズムを浮かび上がらせる『ルック・オブ・サイレンス』。ぜひ劇場でご覧ください。
■『ルック・オブ・サイレンス』
2015年初夏、シアター・イメージフォーラム他全国順次公開
原題: THE LOOK OF SILENCE
製作総指揮: エロール・モリス(『フォッグ・オブ・ウォー』) / ヴェルナー・ヘルツォーク(『フィツカラルド』) / アンドレ・シンガー
製作・監督: ジョシュア・オッペンハイマー
共同監督: 匿名
撮影: ラース・スクリー
日本語字幕: 岩辺いずみ / 字幕監修: 倉沢愛子
配給・トランスフォーマー
宣伝協力: ムヴィオラ