ハワイアン・ミュージックを代表する人気アーティスト、
ケアリイ・レイシェル(Keali'i Reichel)の最後のフル・アルバム
『カワイオカレナ』が発売と同時にAmazonワールド、ジャズ・フュージョンチャートで1位を記録するなどチャートを急上昇しています。
普段ハワイアン・ミュージックを聴かない人でも、「涙そうそう」のハワイアン・ヴァージョンを聴いたことがあるのではないでしょうか。ケアリイ・レイシェルは1994年のデビュー作「カワイプナヘレ」がハワイで大ヒットし、すぐにアメリカ・メインランドでも圧倒的な人気を獲得。ハワイアン・ミュージックのグラミー賞とも言われる「ナ・ホク・ハノハノ・アワード」を29回受賞するなど、ハワイアン・ミュージックを代表するアーティストとなりました。ここ日本では、2006年にテレビCMで使用された「涙そうそう」のハワイアン・ヴァージョン「カ・ノホナ・ピリ・カイ」のヒットをきっかけに、ハワイアンというジャンルを超えて幅広く愛されるアーティストとなりました。
デビュー作から20年目にリリースされたニュー・アルバム『カワイオカレナ』は、前作『ケアラオカマイレ』からなんと11年ぶりのリリース。昨年まで毎年〈クカヒ・イン・ジャパン〉と題された大規模なジャパン・ツアーを行なっており、編集盤のリリースもその間に数枚リリースされていますが、オリジナル新作アルバムとしてはまさにファンが待ちに待った作品。「カワイオカレナ」とは「カレナにある泉」という意味のハワイ語で、ケアリイが住むマウイ島ピイホロ地区にあるたくさんの泉のこと。ケアリイは、「私が今住んでいるピイホロには、かつて王族が水浴びをしていたカレナの泉があります。そこにリスナーの皆さんを導いて、旅に連れていきたかったのです。ピイホロに住み始めてから今までの8年間にどんな経験をしたのか、一曲一曲がそれぞれひとつの旅なのです。その旅に皆さんを導きたかったのです」と語っています。
オリジナル曲、カヴァー曲、チャント(祈りの歌)を織り交ぜながら、ハワイの豊かな文化を伝え、心躍る旅路へと誘い、そして帰る場所(ホーム)の大切さに気づかせてくれる、アルバム1枚全体をひとつの旅のように意識して作ったと語るこのニュー・アルバムは、ケアリイの最後のアルバムになるとのこと。「フル・アルバムとしてはこれが最後の作品になるでしょう。このアルバムが出来るのに11年かかっているから、次のアルバムが出来上がる頃には僕はおじいちゃんだからね(笑)」と本人が語っており、ケアリイ・レイシェルのキャリアにおいて、またハワイアン・ミュージック界においてもひとつの最高到達点となる作品といえるでしょう。