第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門において、
黒沢 清監督作品『岸辺の旅』(出演:
深津絵里 /
浅野忠信)が監督賞を受賞しました。黒沢監督にとっては2008年の第61回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」で審査員賞を受賞した『トウキョウソナタ』に続く受賞となります。
――3年間、失踪していた夫が突然帰ってきた。だが、夫は「俺、死んだよ」と妻に告げる。そして、夫が過ごした最期の時間をめぐる、夫婦ふたりの旅がはじまった――。“死んだ夫と旅をする”愛する人との永遠の別れを描く究極のラブ・ストーリー、映画『岸辺の旅』(10月1日よりテアトル新宿ほか全国ロードショー)。監督賞の受賞会場となった満場のドビュッシーにて、審査員からは「まさに岸辺(彼岸)に連れて行ってくれる、素晴らしい旅に連れて行ってくれる、最高の作品でした。そして、素晴らしい演出をされた黒沢 清監督に、監督賞をお贈りします」との言葉を受け、拍手喝采の中、壇上に招かれた黒沢監督。受賞については、「まさにサプライズで、とても緊張しています。ささやかな作品が、こうしてカンヌの場で、ひとつの輝きとして発見して頂けたのだと思います」と語っています。
黒沢 清監督(談話)
まさにサプライズで、とても緊張しています。ささやかな作品が、こうしてカンヌの場で、ひとつの輝きとして発見して頂けたのだと思います。とても光栄です。
審査員長のイザベラ・ロッセリーニさんからも「おめでとう」との声をかけて頂きました。
監督賞は、作品全体の賞であると思っています。すべての俳優、すべてのスタッフに頂いた賞ということで、とても誇りに思います。
先に帰国された深津さん、浅野さんと一緒にカンヌに来られただけでも楽しい思い出になりましたが、本日、このような賞をいただいて、さらに良い思い出になりました。二人には「ありがとうございました」と伝えたいです。お二人の力があったから、こうした場に招かれましたし、お二人がいたから初めて「人生」を描くことができました。日本に帰ってから、深津さん、浅野さんと「カンヌ楽しかったね」と盛り上がりたいです。<
(C)Kazuko Wakayama