よしもとクリエイティブ・エージェンシーと様々なジャンルのユーザー投稿型サービスがタッグを組み、今後のエンタテンメントを担う“原作”を創出する新たな才能の発掘を目指した長期プロジェクトとして昨年11月から募集を行っていた「原作開発プロジェクト」。そのKindleダイレクト・パブリッシングによる「小説部門」と、STORYS.JPによる「ノンフィクション部門」のグランプリ作品が決定。4月22日には授賞式が沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハで行われ、司会の
NON STYLE、ノンフィクション部門の審査員を務めた
大谷ノブ彦(
ダイノジ)らが登壇。
2作品が選出された小説部門のグランプリは、講評で早くも映像化への期待が寄せられた「桜七 II (上)」(受賞者 小野寺秀樹)、サラリーマンのスーパーヒーローを描いた「エスカレーターボーイ」(受賞者 大石ロミー)。また、ノンフィクション部門では、著者がなぜ“仏像彫刻家”になったのかを紐解く「マクドナルドで役立たずだった僕が、仏像彫刻家として生きて行くまでの話」(受賞者 安本篤人)が受賞。今後グランプリ受賞作品は、再出版・映像化やAmazonでの販売・映像配信などが検討されます。
また現在、同プロジェクトではユーザーがマンガやイラストを気軽に投稿できるウェブサイト「
メディバン(MediBang)」と共にマンガ部門作品を募集中。こちらは、サイト上で無料公開されている作品からグランプリを選ぶもので、応募期間は7月13日(木)まで。日本語作品は審査対象外となっています。
■原作開発プロジェクト
Kindle ダイレクト・パブリッシング「小説部門」グランプリ受賞
「桜七 II (上)」
受賞者: 小野寺秀樹
[あらすじ]
八ヶ岳の麓・清里で、奈菜と平穏な生活を送っていた鮫島。長野県を中心とした不可解な連続殺人事件が発生し、自身の回りに不穏な動きを察知する。奈菜の護衛任務を負う鮫島は清里を離れ、身を隠すために.震災で壊滅した人気の無い東京へ向かった。国の財政難により復興に着手することが出来ない東京は、本来警察と自衛隊のパトロールによって治安が保たれているはずだった。 だが突然現れた正体不明の武装集団に銃撃され、同時に奈菜の体に異変が起こる。鮫島は、敵の銃弾を浴びながら、奈菜を護るために引き金をひき続けた。
「エスカレーターボーイ」
受賞者: 大石ロミー
[あらすじ]
ハゲ、デブ、メガネの非モテ要因三拍子揃った三十歳童貞サラリーマン赤羽久志。いつものように出勤中、あることに気付いた。自分が乗っているエスカレーターの乗客の動きが、止まっているのだ。三百六十度どこを見渡しても動いている人がいない。これは人の動きが止まっているわけではなく、時間が止まっていることに気づくヒサシ。まるで成人向けビデオの企画のようだと、そんな奇妙な能力に喜ぶヒサシであったが、ある日、地下鉄テロ爆破事件に巻き込まれてしまう。
■原作開発プロジェクト
STORYS.JP「ノンフィクション部門」グランプリ受賞
「マクドナルドで役立たずだった僕が、仏像彫刻家として生きて行くまでの話」
受賞者: 安本篤人
[あらすじ]
アルバイトの簡単な仕事もミス連発の、鈍臭い高校生が主人公。子供の頃からの鈍臭さは、いよいよ就活生になっても続き、就活という人生のふるいを前に、したいこともなく、できることもない自分に全く自信が持てずにいた。そんな折、何気なくお寺に立ち寄ってみた時があった。そのお寺に鎮座していた一体の仏像に目を奪われる。「お前はこのままでいい。ありのままでいいのだ。」錯覚か、仏像の声が聞こえ、心が救われた。”出来るものなら、こんな仏像を自分も作ってみたい...” 仏像彫刻家としての人生が幕を開けたのだった。