ニュース

〈Slow Music Slow LIVE'14〉今年も大盛況の3日間に

高橋幸宏   2014/09/03 15:19掲載
はてなブックマークに追加
〈Slow Music Slow LIVE’14〉今年も大盛況の3日間に
 今年で11回目を迎えた〈Slow Music Slow LIVE'14〉が8月29日(金)、30日(土)、31日(日)と、東京・池上本門寺の野外特設ステージで開催。心配された雨はライヴ中に一度も降らず、オーディエンスも出演アーティストも大いに音楽と都会の自然を楽しんだ、大盛況の3日間となりました。

 初日、8月29日(金)の“Mysterious Moon”はSalyu中納良恵(from EGO-WRAPPIN')という強烈な個性を持つ実力派女性アーティストによる夢の対バン。オープニング・アクトの久和田佳代は昭和歌謡のテイストを強く持つヴォーカリスト、“リズム歌謡”というパンチの効いたスタイルで、笠置シヅ子のカヴァー「買い物ブギ」、上京して初めて書いたという「春になったら船に乗れ」を歌う。

 満場の期待の中、現われた中納は「今日は一人ぼっちでやってきました」とピアノの前に座って1stソロ・アルバム『ソレイユ』から「夢」を弾き語る。エンディングでは自分のコーラスをサンプリングし“一人コーラスグループ”を演出。「ソレイユ」からはドラムも加わり、繊細でキュートな魅力を見せつけました。

 Salyuもバックは小林武史のグランドピアノのみ。「回復する傷」から2人のスリリングな競演が続くと、アンコールは中納を迎えた3人で、カーペンターズのカヴァー「Close To You」。Aメロを中納とSalyuが交代で歌い、サビはハモるという超豪華セッション!

クリックすると大きな画像が表示されますクリックすると大きな画像が表示されますクリックすると大きな画像が表示されます

 30日(土)“Rainbow Beat”は、お馴染みの顔ぶれが揃った上に、佐野元春が初参戦と話題のラインナップ。オープニング・アクトの古川本舗は、男女2人のヴォーカルを擁する7人編成。カホーンやスタンディング・ベースを使った大らかなアコースティック・ロックにワルツがぴったりマッチした「Hail against the barn door」などで雰囲気を作り上げる。ハンバート ハンバートは「夏を締めくくるお祭りです」と初々しい恋の歌「Shall we dance」から、すれ違い始めたカップルの歌「ぶらんぶらん」など、悲しい物語をユーモラスに描く、持ち味全開のステージ。

クリックすると大きな画像が表示されますクリックすると大きな画像が表示されます

 土岐麻子は「今回は贅沢させてもらいました」と言うように、バックのギターはペトロールズの長岡亮介、ピアノは世武裕子と共にシンガー・ソングライターの2人が揃いぶみ。絶妙なハーモニーで「Mr.Sandman」や「トー キョー・ドライブ」など非常に洗練された音楽でオーディエンスを楽しませる。昨年、初出演し大きな反響があったCaravanがトランペットとスタンディング・ベースを従え登場。何事にも縛られないボヘミアンならではの、旅をテーマにした歌を次々に繰り出し、今年も大きな拍手を浴びていました。

クリックすると大きな画像が表示されますクリックすると大きな画像が表示されます

 本フェスにすっかりお馴染みのBONNIE PINKも素晴らしいライヴを展開。アコギ1本をバックに歌った「Grow」では情感豊かに世界を表現、「またこのステージに戻ってきたいと思います」との言葉も。ORIGINAL LOVEはのっけから観客のハートをつかみ、「ウイスキーが、お好きでしょ」で会場は大盛り上がり。終わった後はフードコートの白州を使用したハイボールが飛ぶように売れたとか!

クリックすると大きな画像が表示されますクリックすると大きな画像が表示されます

 そしてトリは佐野元春&The Hobo King Bandが本門寺に初登場。チェロ入りの編成でおくる「ヤァ!ソウルボーイ」、スペシャルなアレンジで演奏される「約束の橋」など名曲の数々、“大人の野外ライヴ”を意識したセットリストは、柔らかなタッチで会場をじっくりと盛り上げました。

クリックすると大きな画像が表示されます

 最終日となった31日(日)“Originator's CAMP”は高橋幸宏ファミリーが集結! オープニング・アクトをつとめた藤原さくらは「この3日間、皆勤賞です。全部のライヴを観ました」と挨拶、本フェス初参加の歓びを込めて歌う。チャラン・ポ・ランタンはバンドの紹介を兼ねた「忘れかけてた物語」からスタート、「スーダラ節」のカヴァーなどノスタルジックで特異なキャラクターを全開にする“スロー”とは決して言えない持ち味を存分に披露。

クリックすると大きな画像が表示されますクリックすると大きな画像が表示されます

 シニカルで美しい世界を現出させる青葉市子は、弾き語りで4曲歌った後、ゲスト・ギタリストの小山田圭吾を迎えた「日時計」では、鋭いリリックと、エフェクトを駆使したサウンドで会場を新たな色に染め上げる。Curly Giraffe高田 漣のコンビは、生楽器と声で形作る音楽の良さを改めて堪能させてくれるグレイトなサウンド。ラストとなった「96708」では堀江博久がピアニカで参加、いつまでも聴いていたくなるセッションが展開されました。

クリックすると大きな画像が表示されますクリックすると大きな画像が表示されます

 フェス常連のひとり持田香織は、アコーディオンとコントラバスが独特の世界を生む京都のデュオmama!milkを従え登場。いきなりEvery Little Thing「Time goes by」をアコースティック・アレンジで聴かせると、mama!milkとの深いケミストリーを心地よく。トリオ編成で登場の高野 寛はブラジル録音の最新アルバム『TRIO』、またCMを彩った「DAKARA」などもパフォーマンス。「夢の中で会えるでしょう」ではシンガロングが起こるなど、オーディエンスからの愛情もたっぷり!

クリックすると大きな画像が表示されますクリックすると大きな画像が表示されます

 そしてトリの高橋幸宏。佐橋佳幸(g)と堀江博久(key)の2人を伴い、ニール・ヤング「Helpless」カヴァーをまずはお届け。オリジナルやランディ・ニューマンのカヴァーなど、芯の詰まった“大人のミニフェス”こと〈Slow Music Slow LIVE'14〉最後の夜にふさわしいステージは、高野 寛とCurly Giraffeも加わったトッド・ラングレン「I Saw The Light」でフィナーレを迎えました。

クリックすると大きな画像が表示されます

(Photo By TEAM LIGHTSOME)
最新ニュース
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 魚返明未 日本の新世代ジャズを牽引するピアニストが、新たなトリオでアルバムを発表[インタビュー] みやけん 人気ピアノYouTuber 『俺のヒットパレード!』第4弾リリース!
[インタビュー] Billyrrom 注目の新世代バンドに聞く新章突入と〈HEADZ 〜NEW HOT WAVE〜〉出演への思い[インタビュー] 町あかりの歌謡曲・春夏秋冬 春のテーマは「ディスコ」!
[インタビュー] Arvin homa aya  実力派シンガーの話題曲 アナログで連続リリース[インタビュー] ジェイコブ・コーラー × kiki ピアノ 凄腕師弟コンビ
[インタビュー] 文坂なの \[インタビュー] 人気ジャズ・ピアニストが立ち上げた新レーベル 第1弾は田中裕梨とのコラボ・シングル
[特集] いよいよ完結!? 戦慄怪奇ワールド コワすぎ![インタビュー] you-show まずは目指せ、新宿制覇! 新宿発の楽曲派アイドル・グループがデビュー!
[インタビュー] 想像を超えた創造。タフでラフでラブな一枚 崇勲×ichiyonのジョイント・アルバム[インタビュー] 千住 明、オペラ・アリアをヴァイオリンで 千住真理子とともに20年以上前の編曲スコアを再録音
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015