前作『ルックアフタリング』から9年、伝説のブリティッシュ・シンガー・ソングライター、ヴァシュティ・バニアン（Vashti Bunyan）が待望の3rdアルバムを完成させました。最後のオリジナル・アルバムになるという、初のセルフ・プロデュース作『ハートリープ』（YAIP-6030 2,300円 + 税）は10月12日（日）の発売です。

　ヴァシュティ・バニアンは、1970年発表の1stアルバム『Just Another Diamond Day』が幻の名盤と再評価される声に背中を押されるかたちで、2005年にデヴェンドラ・バンハートやジョアンナ・ニューサムらが参加した35年ぶりのアルバム『ルックアフタリング』で奇跡的な復活を果たしました。『Just Another〜』はジョー・ボイドがプロダクション、ロバート・カービーがアレンジを担当。『ルックアフタリング』はマックス・リヒターのプロダクションでしたが、新作は制作のすべての過程を彼女自身でコントロールしたセルフ・プロデュース作品。

　ヴァシュティの変わらぬハートウォーミングなウィスパー・ヴォイスを、ギターやピアノでリードしながらキーボードやストリングスのアレンジでふわっと包んだ、箱庭のように可憐なサウンドは、これまでのアルバムの中でもっともパーソナルで親密な美しさを放ち、歌詞では、家族や友だち、人生や愛、夢や現実の物語を簡潔に綴っています。

　アルバムのアートワークは“Hart's Leap（牡鹿の跳躍）”と題のついたシカの絵で、前作『ルックアフタリング』から引き続きヴァシュティの娘ウィン・ルイスが担当。『ルックアフタリング』で描かれた野うさぎと対になるような印象を与えています。