2月7日(金)〜2月23日(日)に開催される〈第6回恵比寿映像祭〉にてジャパン・プレミア上映が決定した最新作、中国南西部・雲南省の隔離された精神病院に収容されている患者たちを記録したドキュメンタリー映画『収容病棟』(写真 / 6月公開)も話題の映画作家、
ワン・ビン(王兵)。これまでに彼が発表した全作品の回顧上映が、パリのポンピドゥー・センターで、約1ヵ月にわたり開催されることが決定しました。
この回顧上映は、ポンピドゥー・センターで人気の高い回顧上映企画「文通する映画作家」展によるもの。企画ではこれまでに、
ビクトル・エリセ&
アッバス・キアロスタミ、
ジョナス・メカス&
ホセ・ルイス・ゲリン、アルベルト・セラ&リサンドロ・アロンソなどが取り上げられており、今回ワン・ビンは、スペインの映画作家ハイメ・ロサレスと共に特集。
長編第2作の『Soledad』でスペインのアカデミー賞にあたる〈ゴヤ賞〉を獲得、ビジュアル・アート作品なども発表しているハイメ・ロサレスとワン・ビンは、2004年の〈カンヌ国際映画祭〉シネフォンダシオン・プロジェクトでパリに同時期に滞在して以来友好を深め、すでにビデオによる往復書簡も発表。今回のポンピドゥー・センターでも、それぞれの作品の回顧とともに、新たなビデオ往復書簡や、観客を前にしての対話など、様々な企画が用意されているとか。
上映されるワン・ビンの作品は、『鉄西区』、『鳳鳴〜中国の記憶』、『無言歌』、『三姉妹〜雲南の子』、そして新作『収容病棟』と全長編作品と、短編・中編などもラインナップに(オープニングは『三姉妹〜雲南の子』が飾る予定)。
日本では、『鉄西区』、『鳳鳴〜中国の記憶』が〈山形国際ドキュメンタリー映画祭〉のグランプリ、『無言歌』が〈キネマ旬報外国映画ベスト・テン〉第4位&外国映画監督賞、そして『三姉妹〜雲南の子』が今年の〈キネマ旬報外国映画ベスト・テン〉第5位に輝くなど、映画界で高く評価されてきたワン・ビン、欧米では現代アートの作家としても大きな注目を集めています。
■『収容病棟』
〈第6回恵比寿映像祭〉にてジャパンプレミア上映
会場:東京都写真美術館 1階ホール
2月16日(日)上映開始 11:30〜 / トーク開始予定 15:30〜
※上映後、戌井昭人(俳優 / 劇作家 / 小説家)×ワン・ビン監督によるトークあり。
(C)Wang Bing and Y. Production