アナログ・レコードの人気が再燃し、アナログ・レコードで音楽を楽しむ人が増えています。アナログはデジタルと異なり、その音楽に見合った再生環境を自分で作りあげていくのも魅力のひとつ。その手順で最も有効なレコード・カートリッジと針の入門機種を紹介したいと思います。
レコード・カートリッジは大きくMM型とMC型の2つにわけられます。MM型カートリッジは一般的に出力が大きく太くパワフルな音が特徴。MM型カートリッジの定番モデルに、1963年から販売されている
SHURE M44Gがあげられます。M44Gは針先が円錐状で盤面の溝にしっかりトレースするため針飛びしにくく、DJユースもできる一品。中域の表現力に長けておりガレージ・ロックのようなパワフルで力強い演奏との相性は高いです。
一方、MC型カートリッジは出力が弱く、昇圧トランスを介して出力を高める必要がありますが、MM型カートリッジでは再現できないような細やかな音を楽しめます。MC型の定番器として
DENON DL-103が長らく市場で人気を得ています。DL-103は録音を忠実に再現する繊細さと流麗なノビがあり、微細な音も表現できるMC型の魅力を存分に味わえる機種です。
また、ハードなスクラッチに対応できるモデルの一つに、バトルDJとして知られる
DJ Qbertが監修したMM型カートリッジ、
Ortfon Concorde Qbertがあげられます。同機種は11mVという高い出力で迫力ある音を再現します。肝心の針部分も、針飛びを抑える構造になっているためハードなスクラッチにも対応。ヒップホップやR&Bなどビートが重い音に適しており、低域にインパクトがあります。時間をかけて自分好みの音を出すカートリッジを探すのもいいですね。
写真は『DJ Qbert's Complete Do It Yourself SCRATCHING Vol.2 Skratch Sessions 』※ 記事は掲載日時点での情報をもとに書かれています。掲載後に生じた動向、および判明した事柄等は反映しておりません。ご了承ください。