ネスレの「ネスカフェ・エクセラ」のコマーシャルは、2003年までこのリサーチ・コーナー(掲載記事はコチラ)でもご紹介している通り、「やさしく歌って(Killing Me Softly With His Song)」を渡辺美里がカヴァーしたヴァージョン（『Cafe Mocha〜うたの木〜』というカヴァー・アルバムに収録）のCMが長い間おなじみとなっていましたね。2005年現在放映されている「最後の一滴まで」篇ではブラジル音楽の重鎮セルソ・フォンセカのプロデュースでデビューした、ボサ・ノヴァの新進女性ヴォーカリスト、Chieが歌っています。残念ながら音源化などは現在のところ予定されていないようです。

　この曲のカヴァーで、もっとも有名で、人気が高いヴァージョンは、プラーズ、ワイクリフ・ジョンそしてローリン・ヒルによる最強ヒップホップ・グループ、フージーズのモノでしょうか。国内のアーティストだったら、コンピレーション・アルバム『Rhythm＆Babe』に収録されたAIのヴァージョンも、ちょっとやんちゃなイメージでオススメですよ。

　みなさまもご存知のように、さまざまなアーティストにカヴァーされ歌い継がれているこの「やさしく歌って」のオリジナル・アーティストは、ディアンジェロがカヴァーした「Feel Like Makin' Love」でも知られる、メロウで繊細なムードを漂わせる女性ソウル・シンガー、ロバータ・フラックです。独特のさらりとした官能的なうたごえがなんとも言えない不思議な魅力があります。ぜひ一度オリジナルも味わってみてくださいね。