リサーチ

“Riot Grrrl(ライオット・ガール)”とは?

2006/03/31掲載
はてなブックマークに追加
ここ日本でも一時期話題を呼んでいたムーヴメント“Riot Grrrl(ライオット・ガール)”。Grrrlの綴りは知っていても、その内容となると???その実態について、CDJournal.com的考察をまとめてみました。
“Riot Grrrl(ライオット・ガール)”とは?
 1990年代初頭、アメリカはワシントン州オリンピアを発信源に登場した“Riot Grrrl(ライオット・ガール)”ムーヴメント。パンク・シーンでの性差別/ライヴ会場での様々な暴行事件などをきっかけに、音楽/ファンジン/アートといったクリエイティヴな活動を通じて、フェミニズム思想を草の根方式で広げていった運動のこと。ちなみに、ともすれば「ガルルル」と読んでしまいそうなR3つの“Grrrl”綴りは、フェミニスト達が使っている“womyn”(“women”の意)に倣って作られた言葉であるそうな。

 BIKINI KILL、BRATMOBILE、HEAVENS TO BETSY、HUGGY BEARthe BUTCHIESSEVEN YEAR BITCHbis(無論、メンバーに男性が在籍しているバンドもあり)をはじめ、ザ・スリッツジョーン・ジェット(最新作『ネイキッド』にはキャサリーン・ハンナ(元ビキニ・キル)が参加)といった先駆者としてリスペクトを受けているバンド/アーティスト、レーベルで言うならばMr.Lady Records(2003年に閉鎖?)、KILL ROCK STARSなどの音楽を指針に、各々の方法でその意義を社会に向けて発信していく活動。ハードな音を追求するあまり、マッチョなムード一辺倒となっていたシーンを、少しずつではありますが確実に変えてきた“Riot Grrrl”。しかしながら、その受け取り方は本国アメリカと日本とでは多少異なるご様子。

 一過性のブームとして実に軽〜くスルーしてしまった日本では、パンクを匂わすサウンド、激しいパフォーマンス、どことなくメッセージ色あり、女性がフロントマンをつとめている、何か頑張っている、バラエティ番組でやたら発言する、ヒステリックな大声、離婚した途端にテレビに出まくる、とにかくデカイ、本気で夫婦喧嘩をする、いきなり小説家宣言をしてしまう、ごきげんよう大賞を常に狙っている、川崎麻世を尻に敷いている……などなど、本人の自覚も無いところで“Riot Grrrl系”として勝手にジャンル付けされているケースもしばしば。Riot Grrrl=暴動!女の子!戦う!なんか激しそう!と直訳したよなシンプルすぎる思考回路のもと、世のグランジ・ブームに合わせて伝わってきたラウドなガールズ・バンド(L7HOLEなど)は即Riot Grrrl行きにされていたのも懐かしい思い出。冷たい街の視線をもろともせず、ゴスロリ〜ギャル〜韓流化する女性の方々をある意味Riot Grrrlとして扱っている点も、社会的背景の無い日本ならでは、といったところでしょうか。

 元ビキニ・キルのキャサリーン・ハンナが在籍するル・ティグラ、Excuse 17/HEAVENS TO BETSYのメンバーによって結成され“Riot Grrrl”をある意味最も有名にしたスリーター・キニー、ル・ティグラのご友人でもあるソウル・パンクことGossip、ジャネット・ワイス(スリーター・キニー)とサム・クームズ(元ヒートマイザー)によるクワージ……などなど、ルックスではなく、その精神性を受け継ぐ新たなバンドも数多く登場し、今も脈々と息づく“Riot Grrrl”。轟音/ダンス/アコースティックと、多様に進化を遂げているサウンドに込められた志を紐解けば、その味わいもさらに深いものとなるのでは。
※ 記事は掲載日時点での情報をもとに書かれています。掲載後に生じた動向、および判明した事柄等は反映しておりません。ご了承ください。
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] みやけん 人気ピアノYouTuber 『俺のヒットパレード!』第4弾リリース![インタビュー] Billyrrom 注目の新世代バンドに聞く新章突入と〈HEADZ 〜NEW HOT WAVE〜〉出演への思い
[インタビュー] 町あかりの歌謡曲・春夏秋冬 春のテーマは「ディスコ」![インタビュー] Arvin homa aya  実力派シンガーの話題曲 アナログで連続リリース
[インタビュー] ジェイコブ・コーラー × kiki ピアノ 凄腕師弟コンビ[インタビュー] 文坂なの \
[インタビュー] 人気ジャズ・ピアニストが立ち上げた新レーベル 第1弾は田中裕梨とのコラボ・シングル[特集] いよいよ完結!? 戦慄怪奇ワールド コワすぎ!
[インタビュー] you-show まずは目指せ、新宿制覇! 新宿発の楽曲派アイドル・グループがデビュー![インタビュー] 想像を超えた創造。タフでラフでラブな一枚 崇勲×ichiyonのジョイント・アルバム
[インタビュー] 千住 明、オペラ・アリアをヴァイオリンで 千住真理子とともに20年以上前の編曲スコアを再録音[インタビュー] 思い出とともに甦る名曲の数々 藤あや子のカヴァー・アルバム
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015