気がつけばハイレゾ音源を聴き始めて、だいぶ月日がたってしまった。
　不思議なもので、最初は違和感があったPCオーディオも、今ではスイスイとパソコンを立ち上げ、SA-CDやアナログ・レコードを聴くのと同じようにハイレゾ音源を楽しんでいる。

　ハイレゾ音源を聴くのが楽しいのは、もちろんそれが高音質だからである。
　しかしハイレゾ音源は聴くだけでなく、探すことにも楽しみがあることに気づいた。それは我々の世代には懐かしいFM雑誌を見るような楽しみだ。

　たとえば「e-onkyo music」でハイレゾ音源を探すとしよう（以下は会員登録していなくてもできるから、気楽にやってみてほしい）。トップページで、どんな音源が入荷したか、どんな音源がオススメかが目に入る。かつてFM雑誌で新発売のレコードや、特集の見出しに心躍ったのと同じ感覚だ。

　懐かしい気分になったところで、実際にハイレゾ音源を探してみよう。トップページの気になるアルバムからクリックしてもいいし、〈Genre〉〈Artists〉〈Labels〉から絞り込んでもいい。または〈New Releases〉をチェックするのもいいだろう。

　おっ、イエスの『海洋地形学の物語』があるではないか。さっそくジャケット画像や曲目に目を通す。e-onkyoでは全曲を30秒間ずつ試聴できるのがうれしい。たとえ曲が終わっても、次の曲が再生される。サイト内であればページを移動しても流れているから、音楽を聴きながら他のアルバムにも目を通せるのだ。

　イエスと同じ70年代の音源では、マーヴィン・ゲイ『ホワッツ・ゴーイン・オン』や、CTIの代表作として知られるデオダート『ツァラトゥストラはかく語りき』を見つけた。80年代ではプリンスのアルバムや、マイルス・デイヴィス『TUTU』が気になる。最新作ならポール・マッカートニーの『NEW』まであるではないか！ これは見飽きない。

　でもe-onkyoでの、楽しさの極めつけは音源の購入、すなわちダウンロードだ。
　それはかつてFM雑誌の番組表で、エアチェックしたい番組を見つけたときの喜びに匹敵する（ホントですよ）。「このハイレゾが出たかぁ！」という感じ。さっそくハイレゾ初お目見えのプリンス『パープル・レイン』をダウンロードだ。

　このダウンロードも最初はコワゴワだったが、慣れると普通にできてしまう。
　e-onkyoでは購入後は1週間（168時間）まで、同じ音源を何度でもダウンロードできるので、もしトラブルがあったり、用事があってすぐにダウンロードできなくても大丈夫。昔のエアチェックは一発勝負だったが、ハイレゾ音源のダウンロードは心理的余裕があるのだ。

　このように、e-onkyoでの「ハイレゾ音源探し」には、昔のFM雑誌のような楽しさがある。今回はポップスとジャズのアルバムを紹介したが、クラシックや日本人アーティストの音源も多くあるので、よかったら覗いてみてほしい。