川江美奈子連載 「春待月夜ニ君想フ〜LIFE375」 - Chapter.3 同年代対談 川江美奈子を支える、5人の証言)/Special Essay “F”
掲載日:2009年11月18日
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【Chapter.3】
川江美奈子を支える、5人の証言
 日頃から川江美奈子さんの音楽活動を身近で支えている方々に、彼女とのエピソードや魅力を書いていただきました。レコード会社のプロデューサー、プロモーター、マネージャー、イベンター、CD店と違った立場の5人の方の証言です。
川江美奈子は、音楽に真摯に取り組む
(株)ドリーミュージック
新田制作部プロデューサー 金子文枝
 川江美奈子、ニックネームは“ギャンちゃん”。ファンの間でもお馴染みの愛称でそう呼ばれています。でもなぜか私の中ではそう呼べず、初めて会った時から“川江さん”です。“なぜだろうか?”とちょっと考えてみました。とても人なつっこくて、いつまでも爽やかな学生のような雰囲気を持っていて、私とは、母と娘のような年齢差があるのに、なぜかこちらまで学生気分にさせてくれます。優等生なのに近寄りがたくなく親しみやすく、尊敬できるところが“川江さん”なのでしょう。ミュージシャン仲間は“ギャンちゃん”と呼ぶ人が増えていますが、いざレコーディングになると皆、彼女の才能の豊かさに敬意を表し、同好会のような楽しさのなかで、真剣に音作りをしていきます。それは見ていてとても気持ちの良いものです。アーティストとしてのこだわりをきちんと持っていて、頑固なところもあるけれど、人に不快を与えるものではなく、皆、彼女のために協力したくなるのです。きっと一緒に仕事をした人は共通に感じていると思います。音楽に対しても、生き方に対してもまっすぐで、それは作品を通じても分かります。
 最近、我が家で一緒に食事をすることがありますが、料理にもとても興味を持っていて、手伝ってくれます。編み物は目がくらむような細かい模様編みをいつの間にか作っていてその腕はプロ級です。スタッフの誕生日には手作りの物をプレゼントし、根っから物作りが好きなことが分かります。
 彼女が愛される理由は、さりげない人に対しての思いやりがあることと、音楽に真摯に取り組む姿勢です。プライベートでは、そろそろ“ギャンちゃん”と呼べるかなと思いつつ、私の中ではやっぱり“川江さん”です。
川江美奈子は“遠い(?)”、だからこそ深くて、皆さんの近くに届けたいアーティスト
(株)ドリーミュージック
営業宣伝本部 宣伝部 坂井知哉
 “遠い”と書くと、なんだかマイナスな感じがするけれど、そういう意味ではなくて、こちらの頭脳が及ばなくて、手が届かない感じ。“手が届かない”って書いても、いわゆる“無理目の女”ってわけでもないんですが……。川江さんの歌にはちょっと難しい言葉がたくさん入っていて、時には辞書を引き、時には検索する必要があったりして、“あっ、遠いかな”と感じる瞬間があったりします。
 川江さんは、中学や高校のクラスに必ずいた、ピアノが弾けて、休み時間や放課後に、読書や編み物をしているような女子。そんな女子と授業中に目が合って、ニコッてされたりしたことを、友達にも言わず、一人ニヤケてしまった思い出が、頭の中の引き出しからムクリと起き出すような存在。“やっぱり、遠いかな”と感じます。
 そんな“遠い”という印象を持っているときに、ある仕事の打ち合わせで川江さんの心の内側を少しだけ見られる経験をしました。それは、川江さんが作品の裏側に忍ばせた事実と本性を、事細かな説明とともに歌を届けるという企画だったのですが、番組担当者との打ち合わせの前に、“事実と違っていても、感動して、涙が出るような話をした方がよければそう言って”という川江さんのあまりにもストレートな発言に、“何がそんなことを川江さんに言わせるのだろう? 果たして、本当に川江さんの歌に説明は必要なのだろうか?”と、自分が持ち込んだ企画にも関わらず、宣伝マンとしての私は少し悩みました。そして悩んだ末に出したのが “その必要はなく、言えないことは言わなくていいです”、それが私の答えでした。宣伝マンとしては0点以下の回答だったと自認してますが、人としての川江さんを感じる上で、とても印象深い出来事でした。宣伝マンの私にかけてくれた一言は、本当に川江さんの優しさや、気遣いが溢れるものだったと思います。
 川江さんが奏でる歌の向こう側に何を感じるかは、聴く人の心と気持ちに委ねられていて、そこにある事実や本性をわかりやすく説明したくないから、時折、難しい言葉も使いながら歌う。だから“遠い”と感じる。そして近付きたい一心で辞書を引いたり、検索をする。歌との向き合い方はそれでいい。
 たまには、歌声ではない声をラジオなどで聴きたい。たとえば、学校からの帰り道で偶然逢った川江さんから、ポロッと身の上話を聞く感じ。グッと存在は近くなる。うん、そんな感じ。
 さて、そんな川江さんの歌をひとりでも多くの方に聴いていただくのが私の仕事です。自分では“遠い”なんて書いてはみましたが、どうしても聴いてもらいたい川江さんの歌がたくさんあるから、これからも世の中の皆さんの“近く”に川江さんの歌を一所懸命お届けできるよう努力します。
川江美奈子が作って、歌って、届くまで……
(株)ハーフトーンミュージック
川江美奈子担当マネージャー 吉田奈生
 彼女は曲を書くとき、鶴の機織りのようにひとつひとつ気持ちのかけらを織り込んで、反物を織り上げるように曲を書く人です。出来上がるまで、絶対に見せてくれませんし、曲を書いている川江美奈子を見たことがある人はいません。心の痛みを掘り下げたり、自分の嫌いな部分を深く考えたり、もするでしょう。それをポロポロとピアノを弾いて1曲に仕上げていく。大切な人、かけがえない人が側にいることで与えられた“愛”を心に抱いて。またポロポロとピアノを弾いて1曲に仕上げていく。
 自分の気持ちをこんなに素直に言葉にするなんて、なんて可愛らしい人だろうといつも思います。37歳、、、ちょっといい人生なんじゃないですか? 彼女の心の中にある“LIFE”がこのアルバムになり、それは、彼女を支えてきた“真実”が結晶した作品たちです。
 そして川江美奈子はシンガー・ソングライター、だからそれらを歌います。自分の気持ちは、自分で歌うことが一番響かせることができるからでしょう。レコーディングで歌うこと、ライヴで歌うこと、どちらもきっと同じで、誰かに届けるためのラッピングが違うだけ。彼女が歌うときは、川江美奈子のものだった曲たちが、羽ばたいていく瞬間だと、いつも思っています。
川江美奈子とコンサート
(株)ホットスタッフ・プロモーション
営業制作部 青山栄一
 ちょうど5年前に、ある方から川江美奈子の資料をいただいた。資料というのは、彼女のプロフィールと音源資料のことだ。僕にそういう資料を渡すということは“コンサートの制作をしてみないか”というお誘いだと思った。川江美奈子という存在に出会った日だ。
 彼女のコンサートを初めて観たのは、溝口肇さんとのジョイント・コンサート。渋谷の東急文化村にある、ドゥ マゴ カフェでの半ば野外コンサート。このカフェは、ちょうど建物の真ん中にあって、天井が吹き抜けているのです。2月の寒い夜空に美しい音色が響き渡る、それはそれは素敵なコンサートでしたよ。でもお客さんはほとんど溝口さんのファンだったけど……(2004年)。
 あれからたくさんのコンサートをやりましたね。川江さんのステージは、ほとんどがピアノ弾き語りですけど、ピアノと彼女の歌声でしか表現ができない独特な魅力があります。「桜色舞うころ」なんて初めて聴いたときは、感動のあまり泣いたものです……。歌詞がヤバイのですよ……。歌い方も、歌声も……。そして、時にはアコースティック・ギター、そしてパーカッションも。他のリズムが入ることによって、彼女の歌に楽しみが増す。歌が生きてるって感じかな。
 川江さんへはいろんなコンサートの提案をしましたね。本当はやりたくなかったコンサートもあるのでは……なんて。真夏の炎天下でピアノの弾き語りをやってもらったり……。去年なんて渋谷の公園通りにある90人しか座れない小さなコンサート会場で演奏してもらって。それも2回も。これも“品川にある大きな教会でコンサートをするための道のりなのです!”なんて勝手なことばかり。観たかったのです、グローリアチャペルのステージで歌う川江美奈子。やっぱり最高でした。歌声の響きや、モダンに染められた照明の数々。今年もバッチリ期待してますよ。。。
 最後に、ピアノと一体になっている川江美奈子の姿があるだけで、ステージの演出は成り立ってしまうのです。これからも、誰もが楽しんでくれるコンサートをたくさん作って行きましょうね。
川江美奈子は、“いつまでも聴いていたい気持ちにさせられる”アーティスト
(株)山野楽器
営業推進部 榊原 亙
 川江美奈子、この素晴らしいシンガー・ソングライターにお会いしたのはつい最近のように感じていましたが、もう5年目になるのですね! デビュー当時に初めて聴いた「願い唄」の“メロディ”、そして“歌声”の魅力にまずは心を揺さぶられました。切なさのなかにある温かみある声を、いつまでも聴いていたい気持ちにさせられたことを覚えています。1stアルバム『時の自画像』の発売前に、川江さんご本人の楽曲解説ナレーション入りサンプラーをいただき、何回も聴き直したことを思い出します。それからいろいろなライヴを拝見させていただき、より一層川江美奈子というアーティストに魅力を感じてきました。基本的にはピアノの弾き語りで、派手さはないけれどじっくり聴きこめる、ライヴで純粋に音楽を楽しめるアーティストだと思います。2ndアルバム『この星の鼓動』はバンド・サウンドも取り入れ、1stアルバムに比べて幅広いサウンドとなり、お客様の層も広がったのではないでしょうか。山野楽器の各店舗でのフリー・ライヴや、銀座本店でのライフスタイル提案キャンペーン〈Cafe Style〉のリラックス・ライヴなどにも出演していただき、盛り上げていただきました。
 そして、いろいろなアーティストに提供した楽曲をセルフ・カヴァーしたアルバム『letters』の発売タイミング(2008年)では、山野楽器のJ-POP担当スタッフを集めて〈川江美奈子 社内プレゼンテーション〉を実施しました。場所は山野楽器の音楽教室の1室。川江さんに来ていただき、ご本人からいろいろ話を聞かせてもらいました。少しも飾らない普段の川江さんを知ることができ、さらに特別に歌唱もしていただき、当社スタッフにとっても貴重な体験になりました。
 その後に行なわれた山野楽器各店でのフリー・ライヴでは、たくさんのお客様に足を止めて聴いていただき、CDを購入していただきました。とくに「初めて観たけど素晴らしい」と言って購入していただいたお客様がいたことは、本当に“売る側”としても嬉しかったです。川江美奈子さんの作り出す音楽が広がって行く喜びを感じました。つい口ずさみたくなるメロディ、そして素晴らしい歌声、心にしみる歌詞、今後もアーティスト・川江美奈子さんを応援していきたいと思います。
【Chapter.3】
川江美奈子 Special Essay “F”
 川江美奈子さんによる特別エッセイ。毎回、あるキーワードから発想されるテーマで書いていただきます。今回はアルファベットの「F」から導き出された『Friendship=友情』についてです。

【川江美奈子 NEW ALBUM&LIVE DVD】
■NEW ALBUM 『LIFE375』
11月11日発売
(MUCD-1219 税込3,045円)
01. 春待月夜
02. Rainy story
03. いつも通り
04. 三年目
05. 孤高の君へ
06. 真実
07. ピアノ
08. 旋律
09. プレゼント
10. I love you
11. LIFE

■LIVE DVD 『夜想フ会〜letters〜2008.11.20 at キリスト品川教会グローリア・チャペル』
(MUBD-1031 税込4,830円)

【『LIFE375』発売記念LIVE&サイン会決定!】
●日時:2009年11月14日(土) 14:00〜 / 16:00〜
●場所:新百合ヶ丘エルミロード店 1F 吹き抜け広場
https://www.l-mylord.com/main.html

●日時:2009年11月23日(祝) 16:00〜
●場所:東急百貨店たまプラーザ店 本館1F センターコート
https://www.tokyu-dept.co.jp/tama-plaza/map/parking.html

●日時:2009年11月29日(日) 14:00〜
●場所:相模大野ステーションスクエア3F 南北自由通路 特設ステージ
https://so-ss.com/equipment.html

※当日、会場にて川江美奈子のCD、DVDをお買い上げの方はLIVE終了後のサイン会にご参加いただけます。
※11月11日発売のNEW ALBUM「LIFE375」とLIVE DVD「夜想フ会〜letters〜2008.11. 20 at 品川教会グローリア・チャペル」の2タイトルを同時購入の方には先着で山野楽器オリジナル特典スペシャルCDを差し上げます。(入場はFREE)
※お問い合わせ:ドリーミュージック営業部/03-5775-7483

■オフィシャル・サイト:https://www.minakokawae.com/
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