Miss Monday 連載 「ON & OFF-Music Exchange」 - Chapter.4 Album『BEAUTIFUL』Interview & 特別動画 Vol.2
掲載日:2010年6月24日
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 充実のアルバムが完成した。話題を呼んだ豪華コラボ「Life is beautiful feat.キヨサク from MONGOL800,Salyu,SHOCK EYE from 湘南乃風」をはじめ、今年に入ってからさまざまな楽曲をリリースしてきたMiss Monday。その集大成となるアルバム『Beautiful』には、彼女の真っ直ぐな思いとメッセージが込められている。温かみのあるアコースティックのサウンドをベースに、厳しい現実を目の前にした人をそっと包み込むような楽曲たちとして、それが結実している。

 デビューから10年。これまで数多くの仲間に支えられてきたというMiss Mondayが“どんな苦悩があろうとも、それでも人生は素晴らしい”というテーマを手にしたのはなぜか。じっくりと話を訊いた。
――今回の『BEAUTIFUL』は、聴き手と真摯に繋がることのできるアルバムなんじゃないかと思いました。
Miss Monday(以下、同) 「ありがとうございます。今回は特に、いろんな人の顔を思い浮かべて作っていきましたね。これまでの作品では、基本的には自分自身と向きあって、自問自答して、思いを書いていったんです。今回もそれは変わらないけれど、その視線を外にも向けることができた。これまでの10年、愛情をもらってばっかりだった。なので、これからはその愛情の恩返しをしたい。誰かのために自分ができることってなんだろうと思ったんです。そういう思いで一曲一曲を作っていきました」
――曲ごとにお話を訊いていきたいんですけれども。まず、シングルの「Life is beautiful」ですが、これを作ったことで自分に火がついたような感触はありました?
 「ありましたね。キヨサク君、Salyuちゃん、SHOCK EYE君の3人と作業させてもらって、改めて楽曲を作っていく楽しさを感じたんです。尊敬するアーティストと顔をあわせてやり取りしていくときって、やっぱりすごく楽しいんですよね。それを感じたことで、完成に向けて進んでいくワクワクした感触を感じながらやっていこうと思えた。アルバム制作の後半はひとりで作る曲がほとんどだったんですけれど、そういう一つ一つの過程の素晴らしさを、噛み締めながらやれたと思います」
――「東京」とか「軌跡」などの曲は「Life is beautiful」のテーマともつながってますよね。
 「<Life is beautiful>で歌っている人生の苦悩の部分を表現しているような曲ですね。<東京>は、上京して一人暮らししてきた中で、ふと“あたし、流されてるのかな”とか思うこともあって、でも、いつか東京に振り向いてもらえるように頑張っていこうという曲だし。<軌跡>は、ただ偶然の奇跡を期待するんじゃなくて、経験や過程を重ねていく軌跡を大事にしたいという思いを歌った曲ですね」
――アルバムの真ん中に置かれた「ウエディングバラード」は、マンデーさんの個人的な思いから生まれた曲なんですよね。
 「そうなんです。高校時代からの友達が、今度結婚することになったんですよ。その友達にプレゼントとして曲を贈りたいという思いから作ったんです」
――これはまさに“誰かのために自分ができること”ということの一つの表われですね。
 「確かにそうですね。今まで愛情をもらった分を返していけるような人間になりたいと思い始めてから<ウエディングバラード>が形になった気がしますね。素直に書いてみようって、自分の中で考え方の価値観がちょっと変わったのかなとは思います」
――1曲目の「B.E.A.U.T.I.F.U.L.」は最後にできた曲なんですよね。この曲の《君のためなら歌い続けられる》《シアワセは探すものじゃなくて この心で感じるもの》という歌詞は、アルバムを作ってきた中で得た実感が素直に出た言葉なんじゃないかと思うんですが。
 「ほんと、その通りだと思います。なんだかんだ言いながら好きな音楽を選んできたし、それを一緒に奏でられる仲間がいるだけで、自分は十分幸せかなと思って。この曲は歌詞もその場で考えたんですよ。私の制作スタイルとしては珍しいんですけれど。思ったよりうまくいきましたね」
――基本悩みがちなマンデーさんにとってはエポックメイキングな曲だったと。
 「そうなんですよ(苦笑)。新鮮な曲でしたね」
――アルバムの『Beautiful』というタイトルはいつ頃に決まったんですか?
 「半分くらい作ったあたりですね。楽しい日も、厳しい現実に向き合った日も、優しい言葉をかけてもらったり勇気をもらったりした日も、そういうのも全部含めて人生って素晴らしいって言えるんじゃないかと思ったんです。影や痛みの部分を持ってこそ美しいって言えるんじゃないかと思ったし。ただ綺麗なだけじゃなくて、苦悩もあって初めて“Beautiful”という言葉が輝くんじゃないかと思ったんで」
――今年はデビュー10周年にもなるわけですけれども。マンデーさんは、振り返ってどういう10年だったと思います?
 「“よくここまでこれたな”っていうのが率直な感想ですね。それに、一人だったら無理だったと思います。人生の分岐点で、もし一人だったら“もうやめてます”と言っていたかもしれない。さまざまな出会いや周りの人の言葉、いろんなことが重なって、逃げたいと思ったときも立ち向かえた。そういう繰り返しだった気がします」
取材・文/柴 那典(2010年6月)
《取材後記》
 Miss Mondayのニュー・アルバム『Beautiful』。これまでの連載で、そのたびごとにMiss Mondayの創作への真摯な思いを追ってきた筆者の正直な思いとしても、「感無量」という言葉がとてもしっくりくる一枚だ。

 アルバムのメイン・テーマは、シングル「Life is beautiful」でも歌われ、インタビュー中でも触れられていた「苦悩の日々も充実ととらえて、人生の素晴らしさを感じよう」というメッセージ。でも、このアルバムの味わい深さは、そのテーマの周りにいろいろな色合いをもった楽曲がキラ星のように集っているところにある。

 今年に入ってから、「さよなら feat.菅原紗由理」や「あなたに出会って feat. YU-A」などの楽曲もシングルや配信でリリースしてきたMiss Monday。これらの楽曲のように、恋愛の情景やそこで感じるセンチメントを丁寧に描写したナンバーは、DABOをフィーチャーした「本当は今でも…II」など、アルバムにおいても大きな位置をしめている。そして、そういった恋愛のモチーフが、「Life is beautiful」や「止まらない涙が、君を困らせる」や「軌跡」など、自身の思いをまっすぐに綴った楽曲と合わさることで、一つの大きな流れを描いていくような構成になっている。

 また、Miss Monday自身にとっても青春の体験だったという90年代ヒップホップのサウンドも“裏テーマ”として見逃せない。「バスタブ feat. mayula」や前作アルバム収録の「The Light」のリミックスなどで聴くことができるブレイクビーツも、オーガニックなアルバムのトーンにマッチしている。

 デビューから10年を経て、女性ラッパーとしても、一人の歌い手としても、他に比べる人のいない地点に立つ今のMiss Monday。今も《私の心の空は相変わらず 曇りか雨》(「バスタブ」)と歌う彼女だけれど、一つ一つの悩みや痛みにまっすぐに向き合ってきたことが、今の彼女を支える原動力になっている。そのことに勇気づけられる人は、きっとたくさんいるだろうと思う。
文/柴 那典
【Miss Monday / Special 映像】
Miss Mondayさんは料理が得意で、普段はさまざまな料理を作っているとのこと。それがじつに本格的。今回、その本格的な様子がわかる、オフショットをここでお届けいたします。普段は見られない特別な動画をぜひお楽しみください!
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