Miss Monday連載 Love & The Light(w/a white lie) SPECIAL - Chapter 3 特別対談Vol.1 Miss Monday×童子-T
掲載日:2009年4月16日
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 ニュー・アルバム『Love & The Light(w/a white lie)』の発売を記念した本連載。今回からMiss Mondayと豪華なゲストとの「特別対談」を展開します! まずは、新作に収録された楽曲「純愛百景II」で共演した童子-Tとの対談です。また、Miss Mondayのルーツを探るべく、『私がターニング・ポイントに聴いた曲』を毎回ご本人に紹介してもらいます。


共演曲「純愛百景II」に秘められた、童子-Tの手法



――まずはお2人の出会いから教えてください。


童子-T(以下、童子) 「初めて会ったのっていつだろ? 90年代だとは思うけど、はっきり覚えてないし、年寄りっぽくなるから2005年くらいに会ったってことにしとこうか(笑)」
Miss Monday(以下、MM) 「(笑)ここ最近だと、2〜3年くらい前に大阪のイベントでご一緒させていただきましたよね。そのときに、久しぶりだねーって」
童子 「マンデーはとにかく礼儀正しい人っていう印象かな。前もどっかのイベントで、俺が先にマンデーを見つけて声をかけたら、“すいません! 私の方から挨拶にいかなきゃならないのに”って。それで“恐縮です”って言ったんだよ」
MM 「梨本さんかって?(笑)」
童子 「それ言われたこっちが恐縮ですっていうさ(笑)。仲間内で、マンデーのあの礼儀正しさは異常だろって言ってるもん。この世界の女の子は男にわりとフランクで甘え上手な人が多いから、なんて甘えベタな人なんだと(笑)。ちょっとね、損してると思う(笑)」

――今回の共演曲「純愛百景II」に童子-Tさんが加えた歌詞には、マンデーさんの過去の曲名がちりばめられています。これって、郷ひろみさんと共演した「君だけを」でも試みていた手法ですよね。

童子 「あの曲はひろみさんへのリスペクトも込めて、ひろみさんの曲のタイトルを入れたんだけど、マンデーにもリスペクトを込めて、同じような形でできないかなと思ったんですよ。でも、そこから格闘が始まってね(笑)。俺、MCとして、韻を踏みつつ、ちゃんと筋があって、この韻の後にこの韻が来る理由があってそれで次にちゃんとデリバリーされてる、みたいなポリシーがあるから、めちゃくちゃハードルが上がっちゃって(笑)。いろいろ曲のタイトルを書き出したのはいいけど、“いやー、あんま合わねーぞ”ってことになってきて(苦笑)。このリリックはパズルのように、いろいろ入れ替えて組み合わせて作った感じかな」

MM 「でも、本当にうれしかったです。すごく愛情を感じたというか、私の中では“純愛百景”が“純愛二百景”くらいになった感じで(笑)」
童子 「それ、新幹線っぽくない? 純愛700系みたいな(笑)。でも、これは女性目線の曲って感じがしたな。女の人の方が感情の生き物だから、こういうふうに最後まで書ききれるけど、男は……特に俺はもっと状況を書いちゃうと思うんだ」
MM 「一組の男女がいて、2人の関係はこうで、その恋愛はこういうストーリーで、みたいな。童子さんの歌詞のスタイルはそうですもんね」
童子 「そうそう。だから、1ヴァースで1カップルとか。俺だと“純愛三景”くらいしかない(笑)」

「マンデーは誰かをプロデュースしてもいいかもな」(童子-T)


――今回のセッションで再確認した相手のリスペクトするところは?

童子 「本当にマンデーは真面目だね。俺は、20年やってきてフィーチャリングの数は同業者の中でも相当多い方だと思うけど、いちばん真面目かも。っていうか、偏った真面目なんだよ。“そこもそんなに気にするんすか?”みたいな(笑)」
MM 「あはは、よく言われます(笑)」
童子 「たぶん、こんな勤勉なラッパー、世界的にいないと思う。もうキャッチ・コピーにしていいと思うよ(笑)」
MM 「“世界一勤勉なラッパー”って? もうそれ、良いんだか悪いんだか(笑)」
童子 「まあ、俺もラッパーの中では真面目だと思うから、気持ちはわからなくないんだけど。だから、マンデーは誰かをプロデュースしてもいいかもな。真面目な人じゃないとプロデュースはできないと思うから」
MM 「私が? プロデュース? 考えてもなかったなぁ。じゃあ、第2の童子-Tをめざしますか(笑)」
童子 「俺とかマンデーは、こういう言い方しちゃうと失礼だけど、天才型じゃないんだよね。だから、目指すものの分析や追求の努力をするんだよ。でも、それって、人に何かを教えたりするときにすごく必要で。天才型の人って人にものを教えられないんだよね、自分がどうしてそれができてるかわかってないからさ」

――ところで、「純愛百景 II」にはいろんな愛情表現の形が書かれていますが、お二人はどんなきっかけで異性を好きになることが多いですか?
 
童子 「俺はちょっと影みたいなものが見えると好きになる傾向があるね。あと、ちょっとわがままな人が好き」
MM 「従順ばっかりでも嫌、みたいな?」
童子 「ダメだね(笑)。俺、女の子に対して2つの言葉をいつも言いたいの。“大丈夫か?”と“しょうがねぇな”。この2つを言わせてくれる子が大好き(笑)」
MM 「うわー、大人だなぁ(笑)。じゃあ、私はたぶん童子さんの彼女にはなれないと思います。っていうのは、私は……」
童子 「従順なの?」
MM 「そうです(笑)。従順だし、こと恋愛に関しては男の人にはグイグイ引っ張ってほしいんですよ」
童子 「年上、年下だとどう?」
MM 「私は年上ですね、絶対。結構離れててもいいかも。今、32だけど、50くらいの方とお付き合いしても全然OK」
童子 「じゃあ、今度、年の差恋愛みたいなのをラップしたら?(笑) 年の差の辛さみたいなのを描いていくっていう。結婚しても先に死んでしまうんじゃないかとか、そういう切なさを(笑)」
MM 「アハハハハ!(爆笑) タイトルは〈年の差なんて〉とか?(笑)」
童子 「いいでしょ、そんな曲。お願いだから先に行(逝)かないで、とか(笑)。もうみんな号泣だよ、年の差カップルが(笑)」

取材・文/猪又 孝
撮影/高木あつ子


Column
「私がターニングポイントに聴いた曲」〜Vol.1

Fu-Gee-La / Fugees


Fugeesの曲ですが、私が影響を受けたのはやっぱり女性メンバーのローリン・ヒルです。ラップも出来て歌も歌う。HIPHOPでもあり、レゲエでもある。何とも土臭い感じが私のセンサーにビーンと来たんですよね。私がラップを始めた頃は女性ラッパーが少なかったので(今も多くはないけど)、ずいぶん聴き込んだよ。この後ソロ・デビューしたローリンのアルバムもいいんだけど、男性メンバーと切磋琢磨してるFugeesのアルバムがフレッシュでいいです。
(Miss Monday)
※ New Album
  『Love & The Light(w/a white lie)』
  2009.4.8 Release
 
※ 公式ホームページ https://www.missmonday.com/
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