「たにまにて」小嶋真理の台湾漂流記 第1回 小嶋、友達に出会う の巻

2016/10/27掲載
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第1回 小嶋、友達に出会う の巻
 皆様、初めまして。この度、台湾よりフレッシュな音楽やカルチャー情報について連載させていただくことになった小嶋真理と申します。
 一体小嶋とは何者だ、と思われる方がほとんどだと思いますので、軽く自己紹介をさせていただきます。私、小嶋真理、去年の秋の終わりに長年のOL生活に終止符を打ち、それからは細々と金の儲からぬ写真家、なんて恰好つけて言ってみましたが実際はゴリゴリのフリーターをしており、翻訳や書き物を細々とやらせてもらったりと、ほぼ何でも屋のような生活を始め、今年7月末にソレッと勢いとノリで台湾へやってきました。またまたなぜ台湾に、と疑問に思われるかもしれませんので、経緯を説明したいと思います。
 今年5月、台北で〈Not Big Issue〉というインディペンデント系のアートブック・フェアが開かれた際に、代田橋に拠点を置くアートブック出版レーベル「Commune」さんのブース番お手伝いとしてフェアに参加しました。フェア自体は3日間でしたが、なんせ私はほぼ無職状態だったのでそのまま2週間台北に滞在し、ブックフェアでは台北ローカル・アーティストたちに囲まれ和気あいあいとした雰囲気の中で沢山の出会いに歓喜し、街に繰り出し最高のマッサージや美味しいローカル料理を求め毎日ワクワク探検し、南国特有の開放的とゆとりある国柄に心癒されると同時に、私という人格の根本に渦巻くチャラ〜い部分があぶり出されていくようにテンションはブチ上がり、こんなにアドレナリンがくまなく脳内へ放出されてしまう土地があるんだなぁと感動し、台湾に恋してしまいました。正に、中毒状態です。
 ブックフェアのため台北に到着した夜、シカゴにある美大に通っていた当時の同級生&ご近所さんで、現在は台北&上海在住のテクノDJ・Tzu Singが、Korner(またの名をThe Wall公館)というライヴハウスで開催されるイベントに参加すると連絡をくれたので観に行きました。大学時代の彼は、髪の毛サラサラのイケメン音楽オタクで、年齢層高めのコアなテクノ好きが集まるシカゴのクラブに一人で通っているような男子でした。近年、Tzu Singはブルックリンに拠点を置くL.I.E.S. Recordsに所属し、ワールドワイドに活躍するDJとなったという噂は耳にしておりましたが、10年ぶりに再会すると自信たっぷり大物感を漂わせる男性に成長していました。ライヴハウスのソファーに座り、昔話に花を咲かせているうちに数年前、人気イラストレーター・デュオSTOMACHACHE.のトモエちゃんを通じて江戸川区花火大会で出会った台湾ベースのインディ・ロックバンド“透明雑誌”のドラマー兼カルチャー・ショップ「Waiting Room」FUGAZIの名曲!)のオーナーの一人であるTrixと再会。そして、Trixの紹介で日本でもよくライヴをしているビートメイカーのMeuko! Meuko!ことポンちゃん、台北ベースのストリート・ブランドなどのカメラマンとして活躍するBinちゃん、そして、スケーター写真家のハルタケンジ君に出会いました。台北に到着した夜に出会ったこの4人は、ソウルフルかつ柔軟な感覚の持ち主で、OL仕事を辞めたはいいけどフリーランスとかでは喰っていけないかもなぁと不安ばかりで途方に暮れていた私の人生の過渡期に、大きな影響を与える存在となりました。というか、とても良い遊び仲間になりました。ガハハ〜。
 5月の滞在中はほぼこの面子で遊び尽くしました。皆でチャラッチャラのクラブ街(このチャラっチャラのクラブ事情についても近々紹介しようと思います……)へ繰り出す前に、観光地でもある象山と呼ばれる山に登りました。事前にイージーな道のりと聞いていたので油断していたら、山道はぬかるんでおり思った以上に道は険しく、500gくらいの巨大ハンバーグのような大きさを誇るガマガエルや、得体の知れないもにゃもにゃした昆虫を横目に、体が溶けるんじゃないかというくらい汗を流し、登頂しても軽い脱水症状のせいなのかこれといった感動もなく、皆無言で下山しそのままクラブへ行き、朝5時までトップ40的なメインストリームのヒップホップチュ〜ンにあわせ浮かれて踊り狂ったりするという無謀な計画だらけでした。皆、体力あります。ちなみに象山下山の最中、疲れてダウナーな皆のために元気の出る音楽をと思い、ポートランド生まれシカゴ在住DJのMassacooramaan「Dancehall Princess」をポータブル・スピーカーでかけたら、死にかけている皆に止めてくれと言われました。TPOと場の空気をわきまえた選曲が必要ですね。
 登山のお話をしたので、ついでにこの連載のタイトル名(山が関係しているのです)についてもお話しようと思います。小学生の頃から大好きだった“どくとるマンボウ”こと北 杜夫先生作の「谿間(たにま)にて」という短編があるのですが、サクッと内容を説明しますと、とある男子学生が登山中、台湾に生息する幻のフトオアゲハを捕まえたことがあるという昆虫マニアのオジさんに出会う、という話なんですが、幻の蝶を台湾まで追い求めたそのオジさんのように、正に私も、ネヴァーエンディングのワクワク冒険!という幻を追いかけ台湾へ行き、その幻が、徐々に染み付いてしまうであろう日常の生活というマジックによって夢のように消えて行く儚い様を経験するのではないだろうかと思い「たにまにて」というタイトルをオマージュ的に付けさせていただきました。なんとも先を見越したエモいネーミングになってしまいましたが、連載の内容はただの飲み渡りバカ日誌という具合になりそうですので、あしからず……。
 そんなこんなで5月の短期滞在後、3ヶ月あまりでまた台北に勢いに任せて舞い戻って来た私にえっ、また来たの……?と皆が驚愕する、という運びとなりました。
 7月末に諸々の手続きや引越を済ませ、台北に移動して来たのですが、先ずは語学から学ばなくてはということで3週間、とある大学付属の語学学校に通いました。短期講座は観光がてら語学を学びに来た人たちも含め、年齢関係なくクラスに振り分けられるという割と雑な仕組みで、私の最年少のクラスメイトは日系アメリカ人の女の子モモちゃん(10歳)でした。私との年齢差23歳、私の娘と言っても過言ではないモモちゃん、いつも私の後ろの席に鎮座し、授業中に似顔絵を描いてくれたりしました。そして、マリちゃんは大人じゃなくて高校生みたい!と言ってくれました。モモちゃん、ありがとう!モモちゃんみたいな娘が、ほしい!そして、授業で初めて習った中国語ですが、発音が難しくて苦しみ、こちらはわりと英語も通じるし、いいかな……と若干諦めゾーンに入ってしまいましたが、習得できるよう頑張ります。中国語吹き替え版「ちびまる子ちゃん」が毎日テレビで放送されており、最近勉強のために見ていますがさっぱりです。ちなみにTVアニメのちびまる子ちゃんは、こちらでは“小丸子(シャオワンツー)”と呼ばれています。発音以外のヴァイブスはそのまんまですね。
 なんだか小学生の作文みたいになってしまった上に、カルチャーや音楽情報がほぼ無(!)という説明だらけの初回号となってしまいましたが、台北へ来てからは色んなライヴやイベントに行ってみたり、友達の輪を広げたりしているので、次回の号では、新たなお友達(いわゆる朋友)になった新進気鋭ミュージシャンたちの最近のお気に入りアーティストなど、ちょっとしたインタビューを交えて書こうかな!と思います。今後、まさに小丸子のようにリアルタイペイをお伝えしていけたらと思いますので、どうぞお楽しみに。それでは、再見〜!
文・写真 / 小嶋真理
www.marikojima.com
@rottendotmari
照片評論
01
この時は、Ponちゃんがネオンでビカビカのレトロなダンスホールに行ってみたい!と言ったので10人くらいで集まって東帝舞場というダンスホールへ行ってみました。行ってみたら70年代の台湾の歌謡曲が流れる中、年配カップル数組が社交ダンスを踊っているというまるでウォン・カーウァイ映画の中のような世界でした。

ちなみに、李英宏 aka DJ Didilongという台北出身イケメ〜ンラッパーの台北直直撞という曲のPVのロケ地にも使われていました。

※この写真は私のルームメイトで写真家のSean Marc Leeが撮ってくれました。




02
by Sean Marc Lee

03
散歩していたら出会ったどの街にも必ずいる発明おじさん。ちなみに、気になって話しかけてみた時、iPadでエロサイト見てました(笑)。

04
ルームメイトの猫、グアバオ。私のこと完全に見下しています

05
街角で見かけた坊主のよく似合っていた青年。
報到
Waiting Room
104 台湾 Taipei City, Zhongshan District, Alley 10, Lane 40, Chang'an W Rd, 1號號



象山
110 台湾 台北市 信義区


收音機
拡大表示
ROOM RADIO presents
LATE NIGHT RADIO


2016年10月28日(金)
台湾 台北 Waiting Room
22:00〜01:00
入場無料

[DJ]
1-Drink
Chen Yinn(Catnip Breaks / Chi-Ching)
Yella Tee(Chi-Ching)

[配信]
ROOM RADIO
mixlr.com/room_radio

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