「DADDY」では曲中にCLが“Hey, where'd you get that body from?”(ねえ、その身体はどこからきたの?)と歌っていますが、これはブラック・アイド・ピーズの頭脳として知られるウィル・アイ・アム(will.i.am)が2009年に発表した「アイ・ガット・イット・フロム・マイ・ママ」(I Got It From My Mama)の“Baby, where'd you get your body from?”(ベイビー、どこでその体を手に入れたんだい?)のフレーズをサンプリング的に用いたもの。ウィル・アイ・アムが“ママから身体をもらった”と歌っているのを、PSYはパパ(=DADDY)に変えてパロディ化しています。
さて、「DADDY」の元ネタともいえる「アイ・ガット・イット・フロム・マイ・ママ」にもサンプリングネタが使われています。ひとつがボブ・ジェームスの「テイク・ミー・トゥー・ザ・マルディ・グラ」(Take Me to the Mardi Gras / 邦題「夢のマルディ・グラ」)で、もうひとつがマガジン60の「ドン・キホーテ」(Don Quichotte)です。
マガジン60はフランスの3人組シンセポップ・バンドで、1980年初めから1992年まで活動。1984年に発表したシングル「ドン・キホーテ」が全仏トップ10ヒットを記録すると、1986年には全米チャートにランクインしたほか、日本のディスコ / ユーロビート・シーンでも人気を博し、アルファレコードのユーロビート / ディスコ・コンピレーション・アルバム『That's EUROBEAT』シリーズにも「レッツゴー・セニョール」(Rendez-Vous Sur La Costa Del Sol)とともに収録されています。ウィル・アイ・アム「アイ・ガット・イット・フロム・マイ・ママ」には、マガジン60のジャン=リュック・ドリオンとドミニク・レジアコルテが共同作曲者としてクレジットされています。