フェイクなしで綴られた恋愛観 矢野まき、2年ぶりアルバム『本音とは愛よ』が完成!

2009/06/17掲載
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 寺岡呼人さだまさし仲井戸麗市ら他者が作った楽曲を歌うことで、シンガーに徹した前作『BIRTH』。それから約2年。矢野まきのニュー・アルバムが6月10日に発売された。タイトルは『本音とは愛よ』。本作は、松岡モトキのプロデュースによるバンド・サウンドに乗って、恋愛におけるストレートな本音が全開で繰り出されている快作。本作について彼女に話を訊いた。



 矢野まきのアルバム『本音とは愛よ』は、すべての曲の歌詞を自身が手掛けた。プロデューサーに松岡モトキを迎えたバンド・サウンドと共にパワフルな歌声を聴かせてくれている。アルバム・タイトルにもある通り、彼女の今の正直な想いや恋愛観がストレートに綴られた一枚だ。
 「前作『BIRTH』は作家さんたちが書いてくれた曲に対して表現者として挑むというコンセプトのアルバムだったので、逆に今作では“今の私のありのままの心の世界をとことん残したいな”という気持ちで作りました。こうして形にできて、ちょっとすっきりしましたね(笑)」


 今年の7月でデビューから10周年を迎える。ここ数年では“泣ける歌”を歌うシンガーとしても同世代の女性を中心に幅広く支持されてきた。けれど矢野まきはもともと、心の不安や世の中に対する憤りも愛情もストレートに言葉にして放ち、歌に込めるタイプのシンガー・ソングライターだった。そう、今作『本音とは愛よ』は自身の原点でもある。
 「そういう意味で、またこういう作品を作る機会は絶対来るだろうと思っていたんです。確かにデビュー当時に抱いていた“歌う”という意識からは、私の中でちょっとずつ変化していって。やっぱり自分の世界に入り過ぎて自分を俯瞰で見れなくなったりしたときに、孤立した音楽になって、そこにとどまったまま動けなくなることを自分はどこかで恐れていたと思う。それに心の中にある“感情のいろは”をどこまで歌うことだけで表現できるのか、その可能性を知りたいという気持ちになっていって。この10年、いろんな人と作品との出会いがあって、それには全部意味があることなんだと今あらためて感じています。だから今作では、そうした経験にも感謝しながら新しい歩みを踏み出せました」


 1曲目の「本音とは愛よ」のイントロがタフなビートと共に鳴り響く。“言いたい事はそれだけですか?”としょっぱなから投げかけている。昔からのファンなら“これぞ矢野まき!”と思わずガッツ・ポーズしそうなロック・チューンだ。
 「どういうわけか、憤りを感じた時に本領発揮してしまうんですよね(苦笑)。〈本音とは愛よ〉に書かれてるようなことは、私がずっといろんな場面やいろんな人に対して感じてたこと。こうして作品として物を残したり、何かを発することは素晴らしいことであり、とても恐ろしいこと。というのは常に、言葉を伝えるということはそこに愛がなければ本音なんてたやすく言えるものではなくて。それだけに責任と覚悟がいかに必要かっていうことを、どんな表現者の人でもずっと持ってないといけない。だからこれからも作品を生み出す人間として、自分に言い聞かせる意味も込めて書いた曲なんです」

 他にも、明るい躍動感いっぱいの「プロポーズ」、ソウルフルに歌いあげるスロウ・バラード「情熱の記憶」など個性豊かな全8曲。彼女ならではの鋭い視点、大きな愛情を、自由な言葉と歌声に乗せて、ひとつの節目をパワフルに飾る作品が出来上がった。
 「まずは自分に素直になることを心に決めて作った歌たちです。これからも人として胸を張っていい歳の重ね方をしていきたいですし、それが音楽にも反映されるような歌い手でありたいなと思っています」




取材・文/上野三樹(2009年5月)




〈矢野まき Live 2009 「本音とは愛よ」 〉


●公演日:2009年7月12日(日)
●開場/開演:open 17:30 / start 18:00
●会場:赤坂BLITZ
●料金:前売¥5,500(税込・全席指定)※ドリンク代別
●問い合わせ:ソーゴー東京[Tel] 03-3405-9999


●公演日: 2009年7月18日(土)
●開場/開演: open 17:30 / start 18:00
●会場: 大阪ビジネスパーク円形ホール(旧:MIDシアター)
●料金: 前売¥5,500(税込・全席指定)
●問い合わせ:キョードーチケットセンター[Tel] 06-7732-8888(毎日10:00〜19:00)

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https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
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