クラーク・テリーのクインテットにレッド・ホロウェイが客演した丁々発止の95年セッション。端正なテリーのトランペットとソウルフルなホロウェイのサックスが互いの個性を発揮した刺激的なライヴ。

95年当時すでにベテランだったクラリネット奏者のケニー・ダヴァーンが、自身よりさらにベテランのフリップ・フィリップスらと行なったライヴ演奏。タイトル曲における泰然としたスウィング感と場の開放感がたまらない。

温かみのあるアコースティック・ギター・サウンドに定評のあったジーン・バートンシーニがドラムレスのトリオで録音した96年作品。哀愁あふれる「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」など、繊細な指遣いを堪能できるプレイが満載。

ビバップ期からジャズを支えたジェイ・マクシャンが晩年に行なったライヴを収めたキアロスクーロ盤。デヴィッド・ニューマンやフリップ・フィリップス、フィル・ウッズといった個性豊かなサックス奏者が客演して華を添えている。

ピアノのジュニア・マンスとサックスのジョー・テンパレイを中心とするコンボによる作品。ゆったり朗々と歌うテンパレイのブロウが印象的で、きびきびとしたミッキー・ローカーらリズム・セクションとのコントラストが美しい。

2017年にトミー・リピューマを失ったダイアナ・クラールがその3年後にリリースした特別なアルバム。思い出の詰まった未発表音源集のみならず、クリスチャン・マクブライドらとの豪華セッション集としての性格も持つ一作。

97年当時すでに大ベテラン奏者に位置付けられていたテリー・ギブスとバディ・デフランコ。孫ほども歳の離れたアーロン・ゴールドバーグを迎えた本セッションでは、二人とも円熟味のあるプレイで聴衆を魅了している。

トニー・ベネットとダイアナ・クラールという超有名歌手が初めてアルバム単位で共演した2018年の作品。ビル・チャーラップ・トリオをバックに、「ファシネイティング・リズム」をはじめとするガーシュウィンの名曲をとりあげている。

パーカーの後継者の一人としても個性派としても成功したフィル・ウッズ。本作はビル・チャーラップのピアノ・トリオをバックにブロウしたワン・ホーン作で、常に平均点以上を叩き出すウッズらしい堅実なプレイが聴かれる。

“ウィスパー・ヴォイスの妖精”ことブロッサム・ディアリーの生誕100年を祝して編まれたコンピレーション盤。ヴァーヴやフォンタナに遺された珠玉の名歌唱をたっぷり20曲詰め込んだ入門者にうってつけの一枚。

カンツォーネの国が生んだジャズ・ピアニストが,アメリカン・スタンダードに取り組んだ2018年のソロ・ピアノ作品。ファラオの母国イタリアのトリオで録音されたもので、原曲の持つ豊かなメロディをストレートに味わうことができる。

疾患を患った後、現代音楽の作曲家としてキャリアを積んだメル・パウエルが晩年に再びジャズに取り組んだ記念碑的作品。確かな腕前が錆びついていないことをベニー・カーターらとの円熟味のあるプレイで証明してみせた。

ヴォーカリストにしてダンサーでもあるヨダアミの1stアルバム。約半数を完全なソロで収録しているほか、後半は山頂での野外録音で構成。愛知が生んだ規格外のパフォーマーが裸足で演じる音楽。

ブルージーかつソウルフルなプレイで活躍したレッド・ホロウェイが、キアロスクーロ・レーベルに遺したリーダー・セッション。フィル・アップチャーチら共演陣も好調そのもので、あっという間に聴き終えてしまう秀逸なライヴ。

プレイヤーとして井上銘らと共演するほか、劇伴音楽の制作者としても活躍する魚返明未が率いるピアノ・トリオによるアルバム。その才を活かして全曲を自身のペンによる独創的な楽曲で構成している。

米・ニューヨークで研鑽を積み、関東を中心に活動するジャズ・ヴォーカリスト、駒井りなの2ndアルバム。「スペイン」をはじめとするジャズ・スタンダードのほか、オリジナル曲も2曲収録。駒井の持ち味であるハスキーヴォイスで聴き手を魅了する。

30年近くライヴ活動を続けてきたヴォーカリスト、佐野亜利亜による初のスタジオ録音作。スタンダードからポップスのカヴァーに至るまで、さすがにベテランと言える貫禄の歌い口。佐野が師と仰ぐ大森明がサックスで参加している。

女性ヴォーカル作品に対する並々ならぬ思い入れを隠さない寺島靖国によるコンピレーション・シリーズ第7弾。歌唱そのものの魅力のほか、オーディオファイル的な視点やジャケットの美麗さでもリスナーを惹きつける。

ジャズ・ベーシストの中島仁率いるトリオによる2023年録音作。メンバーのオリジナル曲のみで構成された充実の内容に加え、北欧を中心に活躍するサックス奏者のオーベ・インゲマールソンも客演している。

2017年以来7年ぶりの発表となったナベサダのスタジオ録音盤。イエロージャケッツで知られるラッセル・フェランテやベン・ウィリアムスを迎え、自身のオリジナル曲のほかにホレス・シルヴァーのペンによるタイトル曲などを披露。

T-SQUAREの鍵盤奏者として知られた和泉宏隆。本作はフュージョンにとどまらない彼の幅広い音楽性を象徴するソロ・ピアノ演奏が聴けるアルバムで、パット・メセニーのカヴァーも収録している。

ウイルス禍でスナーキー・パピーのツアーがキャンセルになったのをきっかけにブロック、ランゼッティ、小川の3人が結成したバンドの1stアルバム。メロディアスかつパーカッシヴな音像が立体的に迫ってくるアルバムだ。

欧州のトラッドフォーク音楽を原語で歌うという興味深い試みを収めたアルバム。ホッピー神山、吉田達也らをゲストに迎えた津山篤と長野友美による歌唱は、各曲が本来持つ味わい深いメロディを際立たせている。