オスカー・ピーターソンら名手たちのバッキングを得て小粋に歌う白人ヴォーカリスト、アニタ・オデイの代表作。ハスキーな声質ではあるが、洒落た歌い回しでしつこさをまったく感じさせない天性の歌姫だ。

魅惑的な女性ジャズ・ヴォーカリストを送り出す日本のヴィーナス・レコードからの2018年のニューカマー。ロシアが生んだアレキサンドラ・シャキナをマッシモ・ファラオのトリオががっちりサポート。

ジョアン・ジルベルトとともにボサ・ノヴァを世界に広めたジョビンの1963年録音の代表作。ジョビンが奏でるクールなピアノとクラウス・オガーマンの温かなアレンジが魅力的な、インスト版ジョビン・スタンダード集だ。

ウェスの最高傑作のひとつであると同時に、共演したウィントン・ケリーにとっても出色の出来に仕上がったライヴ盤。マイルス・デイヴィスのコンボでもおなじみのメンツとともに綴られた、ジャズ・ギターの歴史の1ページだ。

ドン・セベスキーによる編曲／指揮のゴージャスなオーケストラ・サウンドをバックに、天才ギタリストがポップ・チューンを演奏する人気作品。オクターブ奏法での名人芸を遺憾なく発揮している。

エラと“サッチモ”というジャズ・ヴォーカル界の巨人ふたりによる名共演アルバム。息の合ったデュエットは聴いている者までも楽しくさせてしまうほどゴキゲン。ピーターソンやバディ・リッチの巧みなバッキングも秀逸だ。

オスカー・ピーターソン・トリオによる1964年発表の名盤。タイトルどおりファンのリクエストによって人気の高いスタンダードやボサ・ノヴァ楽曲を取り上げた一枚で、ザ・トリオのヴァーヴでの最終作にあたる。

カナダ出身のジャズ・ジャイアント、オスカー・ピーターソン率いるレギュラー・トリオによる1970年代初頭の稀少な演奏記録。堅実でメロディアスなベース、軽やかで歯切れの良いドラムスに乗って、炸裂するピーターソン節が堪能できる。

オリヴァー・ネルソン自身にとってもインパルスにとってもハイライトとなった1961年の傑作。ドルフィーにハバード、さらにはビル・エヴァンスにロイ・ヘインズと、信じられないメンツが顔をそろえ、ぶつかり合う。

エリントン楽団の名物トランぺッター、アンダーソンが1964年にパリで録音したセクステット作品。同楽団のメンバーと地元ミュージシャンの共演が興味深い。フロントの３人はいずれもエリントンの片腕的存在で、ジャズの楽しさを体現した演奏がご機嫌に響く。

マイルス・デイヴィスの痺れるようなミュート・トランペットによる「枯葉」を収録したジャズの金字塔的作品。1958年発表。リーダーとしてクレジットされたキャノンボールのサックスも凡人を遥かに凌ぐ名演だ。

ブルージィなフィーリングで大人気のギタリスト、ケニー・バレル。その名声を決定付けたといえる大人気盤。スタンリー・タレンタインのテナーとも相まって、グルーヴの塊が押し寄せる。1963年録音。

アメリカのソプラノ・サックス奏者とフランスのピアノ奏者とが組み、パリで1957年に録音したカルテット作品。張りのあるサックスの音色が起伏に富んだメロディに合う「The Man I Love」、軽快なスウィングにのって、両者ともにソロで流麗なフレーズを連続させる「All The Things You Are」などがいい。

ブルース〜ソウル系のシンガーがバック・クレイトン・オールスターズの一員として1961年4月、パリのオリンピア劇場に出演したときの実況録音。深い情感を湛えるブルース「シー・シー・ライダー」、間奏のトランペットも聴きどころの「イット・エイント・ノーバディズ・ビジネス」など、すばらしい。

「危険がいっぱい」でも知られるラロ・シフリンがアレンジ・指揮した1964年録音の傑作。トランペット6本にホルンやチューバといった変則オケやケニー・バレルの渋いギターをバックに、ジミー・スミスが豪快なソロを炸裂させる。

オルガン人気に火をつけた1964年のヒット作『ザ・キャット』から16年後の80年に放った続編。レイ・ブラウンやグラディ・テイトらスター軍団を従え、グル―ヴィーにうねりまくるファンキー・サウンド全開。アーシーでブルージーなオルガンの響きが何ともクール。

シカゴ出身のシンガー／キーボード奏者が80年に録音したブラジリアン・フュージョン作。「コモン・グラウンド」はアコースティック楽器中心の演奏と弾むヴォーカルが涼味を醸す。爽快な曲が大勢を占めるなか、ファンキーな「トゥー・アンド・ア・ハーフ」やピアノで弾き語る「ソフィスティケイテッド・レディ」も高水準。

1940〜50年代にキャブ・キャロウェイ楽団で活躍した知る人ぞ知るジョナ・ジョーンズの1954年パリ録音。前半８曲はシドニー・ベシェのセッションに参加したもの。後半６曲は仏のテナー奏者アリックス・コンベルに加わっての演奏。得意のミュートは押さえ気味、オープンで快活に吹いている。

絶頂期にあったモダン・ジャズの聖人、ジョン・コルトレーンが重厚なヴォーカルを聴かせるアルバム。ジョニー・ハートマンと共演した心温まるジャズの名盤で、歌心あふれる両者のプレイは聴きどころ満載だ。

黄金のカルテットによる名演で知られ、いまだに多くの人々から愛聴される1962年リリースの名盤。ジャズにそれほど詳しくない人でも耳にしていると思われる有名曲がずらり。しっとりとした歌心とあふれる情感が胸に染み込むバラード・アルバムだ。

ブルーノートを代表する1957年のコルトレーンの大名盤。青みがかったクールなジャケット、奥行とダイナミックさを備えたサウンド、何よりコルトレーンの堂々とした重厚感のある演奏が徹頭徹尾貫かれている。

ジャズ史上に燦然と輝くサックス・カルテット作品。1964年、コルトレーンがその精神世界を組曲風の大作として吹き込んだもので、魂の叫びとも言えるブロウと各人の熱のこもったインタープレイは必聴。

中間派ジャズに主眼を置いていたインナーシティにしては珍しいコンテンポラリー・ジャズ系の作品。売り出し中のストーウェルにニューヨーク派の凄腕を配し、ひたすら軽快なギター・サウンドを鳴り響かせる。メセニー系のギターが好きなひとにおススメ。

フランツ・リストの生誕200年を記念した企画。ヴィーナス・レコードの人気ピアノ・トリオが「ハンガリアン・ラプソディ」ほかの名曲を華麗にジャズとして料理。欧州的な洗練性が随所にみられる好演集。

1964年のリリース以来、世界中のジャズ・ボッサ・ファンを魅了し続けるバイブル的名盤。独特のメロディに彩られた冒頭曲「イパネマの娘」をはじめ、ゲッツらのプレイ・スタイルが後進に絶大な影響を与えた。