世界的人気を誇るテノールのグリゴーロによるアルバム。プッチーニの『トゥーランドット』や『蝶々夫人』、マスカーニの『カヴァレリア・ルスティカーナ』などの歌劇より、テノールの名アリア15曲を収録している。

ウィルソン、SOLの勢いが止まらない。たびたび弦楽アンサンブルのアルバムを制作してきた、SOLの弦楽に焦点が当たったアルバムが仕上がった。作品自体ポピュラーなものではないが、至福のアンサンブルが楽しめる。

トゥッツァーはザルツブルク・モーツァルテウム管の首席を務めた後、ヨーロッパの主要オーケストラの客演し、後進の指導にも力を入れている有数のファゴット奏者だ。ファゴットの魅力と表現力を存分に発揮している。

世界各地の音楽祭で作品が演奏され、自身でも国際的な演奏会を手がける作曲家、伊藤祐二の作品集。“関係性の中から、それら一つひとつの音を聴き出すこと”を一貫して志向する伊藤の音楽を、現代作品に精通した演奏家陣を迎えて綴るシリーズの第1弾だ。

イタリア・バロックの鍵盤楽器作品に注力してきた平井み帆による、選りすぐりの作品を収録。ルッツァスキやマイヨーネ、フレスコバルディ、スカルラッティなど、16・17世紀の作品を収録。2003年製作のイタリアン・チェンバロを使用している。

NHK交響楽団首席クラリネット奏者の伊藤圭による小品集。ラヴェルの小品や、ラフマニノフの編曲作品、他にもピアソラやバルトークなどの音楽を収録。ピアニストの榊原紀保子と阿吽の呼吸が合ったアンサンブルで、作品に息を吹き込む。

ピアニストのルガンスキーによる、ワーグナーのオペラの名場面集。「ワルキューレ」や「神々の黄昏」、「トリスタンとイゾルデ」など、オペラの一場面をピアノ版に編曲されたものを演奏。ワーグナー本来の魅力が、円熟のピアノや編曲で説得力を増している。

エラス＝カサドによる「三角帽子」「恋は魔術師」に次ぐファリャ・アルバム。「ペドロ親方」でも使われているが、チェンバロ協奏曲は、モダン・チェンバロを使用。その響きに驚くはずだ。併録のストラヴィンスキーも聴きもの。

第4番はワルター晩年の名演として知られる録音。何十回も再発され、演奏は語りつくされている。本再発は、高品質の2トラ38のテープを新たに取り寄せて、プロ用機器でマスタリングしている。一聴の価値大。

フルトヴェングラー指揮、フィルハーモニア管による、フィッシャーがソロを務めるベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」、ディースカウが歌うマーラーの「さすらう若人の歌」を収録（1951年、52年録音）。名手たちの共演が繰り広げられる一枚。

トロント響は、小澤の指揮で「トゥーランガリラ」を初めて録音した楽団。創設100周年記念ということで、就任2年目のヒメノの指揮により、55年ぶりの録音となった。このめくるめく大作をスケール豊かに描き出している。

世界的なパンデミック期を越えて、ユンディの活動再開を告げる新プロジェクトとなるモーツァルト：ピアノ・ソナタ・シリーズの第1作目。有名なトルコ行進曲付きのイ長調のソナタ、2つの短調のソナタ、ハ短調の幻想曲をじっくりと聴かせてくれる。

ヴァイオリニストの石田泰尚が率いるストリングス・グループ“石田組”によるアルバム。2024年に結成10周年を迎えたことを記念し、グリーグ、ピアソラ、レッド・ツェッペリン、布袋寅泰、三木たかしなど、さまざまなジャンルを横断した作品を収録。

NHK交響楽団首席クラリネット奏者の伊藤圭率いる、クラリネット・アンサンブルのアルバム。平吉毅州、伊藤康英、内田祥子など、邦人作曲家の作品をセレクト。5人のクラリネット奏者とピアノの榊原紀保子による、深淵なアンサンブルの世界に引き込まれる。

モディリアーニ弦楽四重奏団による、グリーグおよびスメタナの弦楽四重奏曲第1番を収録。ノルウェーとチェコ、場所や文化の違う国に生まれた二人の作曲家が同時期に書いた作品をカップリングし、それぞれの魅力を見出す一枚。

チェリストのブリュノ・フィリップ、ピアニストのヴィリアンクールによるアルバム。フォーレの「ロマンス」やサン＝サーンスの協奏曲、そしてフランクのヴァイオリン・ソナタ（チェロ版に編曲）など、作品への高い解像度と美しい歌心を感じさせる一枚。

バロック・ヴァイオリンの名手、ド・スワルテのソロによるアルバム。ヴィヴァルディの作品を中心に収録し、中には世界初録音の協奏曲も複数演奏。世界的に評価を受けている古楽アンサンブルの“ル・コンソール”とともに奏でる。

大野和士とブリュッセル・フィルとによる録音プロジェクトの第1弾。大野の中でも重要な位置を占めているスクリャービンを取り上げた。ブリュッセル・フィルを完全にドライヴして、見事な一体感を創り出している。

ガードナー、ベルゲン・フィルによるニールセン・プロジェクトの第2弾。本作は「ニールセンの田園交響楽」と呼ばれる第3番と、元ロンドン響首席ウォーカーとのフルート協奏曲。ニールセンの再々評価に繋がる一枚だ。

カウンターテナーの上村誠一によるアルバム。中世のヴォルケンシュタインから、バッハの教会カンタータ、クィルター、ヴォーン・ウィリアムズまで、幅広い時代の歌曲を収録。上村のオリジナリティあふれる歌声を楽しむ。

大井剛史指揮、東京佼成ウインドオーケストラによる、2024年度全日本吹奏楽コンクール課題曲の4曲を収めたアルバム。吹奏楽界の未来のレパートリーとなり得る作品たちを、新鮮なサウンドのままに収録している。

シューマンの室内楽作品を収録した一枚。イザベル・ファウストや、バロック音楽の名手であるシュライバー、世界で活躍するタメスティやケラス、そしてさまざまな楽器を弾きこなすフォルテピアノのメルニコフという豪華メンバーが揃った貴重なアルバムだ。

フルトヴェングラー唯一の「ファウストの劫罰」。世界初出LPのマスター（収集家所蔵のテープ）からのCD化だが、興味深いのは、通常のフランス語版でなく、ドイツ語版での演奏だ。ソリストも一流で見逃せない。

2CELLOSのステファン・ハウザーのソロ4作目は、2020年の初ソロ・アルバム『クラシック』の続編。時代や世代をこえて人々に愛聴されてきたクラシックの名旋律をロンドン交響楽団との共演でスケール感たっぷりに奏でている。

韓国出身のピアニスト、イム・ユンチャンのメジャー・デビュー・アルバム。ショパンの「12の練習曲」作品10と作品25を全曲収録。今後の活躍を予言するような真摯な演奏が素晴らしい。録音は2023年12月、ロンドンのヘンリー・ウッド・ホール。