辻一郎のソロ・ユニット“
Dissecting Table”が、アルバム『Escape From The Nethermost Hell』を12月18日(日)にデジタル配信、2023年2月7日(火)にCDRの第1版を13枚限定でリリースします。また、CDRの第2版は、プロモーション用に配布する予定です。
辻一郎は1966年生まれ。東京で86年から“Dissecting Table”という名義でノイズ・インダストリアル・ミュージックの制作を開始し、98年に故郷の広島に戻り音楽活動を展開。おもに自主レーベル「UPD organization」とヨーロッパとアメリカのレーベルよりレコードやCD作品を発表してきました。初期、中期の作品は、シンセサイザー、サンプラーをシーケンサーで制御することで作品を制作していましたが、2012年頃から、コンピュータでUSB接続デバイスから出力されるPWM信号を制御して音楽制作を行なうようになり、現在は、独自のシンセサイザーシステムを開発しながら作品を制作しています。
開発したシンセサイザーシステムは、主に、コンピュータ、universal serial bus(USB)接続デバイス、ラインセレクタ、フィルタ及び、ミキサーで構成されています。フィルタは、2つの複合型シンセサイザー、1つのオールパスフィルタ及び、3つの状態変数フィルタを用いました。3つの状態変数フィルタは、回路構成が異なります。曲に応じて2つのフィルタを選びました。第1の複合型シンセサイザーは、主に、ウィーンブリッジ発振器、バイカッド回路、乗算器及び、電圧制御回路で構成されています。第2の複合型シンセサイザーは、主に、ウィーンブリッジ発振器と乗算器で構成されています。このフィルタは、ラインセレクタを経由して、コンピュータシンセサイザーと接続することにより、複合型シンセサイザーとして機能します。コンピュータシンセサイザーは、USBインターフェイスで接続するコンピュータとUSB接続デバイスで構成されています。
2曲目以外の曲で、ラインセレクタは、USB接続デバイスから出力される4つのpulse width modulation信号と4つのフィルタの接続を変更しました。これにより、フィルタの音色が変化しました。1曲目で、第1と第3の状態変数フィルタを用いました。これらのフィルタの2つの発振音は、異なる高い音色でハードな演奏を行いました。各フィルタは、感度、遮断周波数及び、中心周波数などを、コンピュータで制御することができます。更に、第3の状態変数フィルタのバンドパスフィルタの中心周波数は、手動で操作して音色を変更しました。3曲目で、1曲目と同様に、第1と第3の状態変数フィルタを用いました。これらのフィルタの2つ発振音は、異なる低い音色でハードな演奏を行いました。この曲は、コンピュータによる自動演奏です。6曲目で、第1と第2の状態変数フィルタを用いたため、第2の状態変数フィルタの発振音は、1曲目の発振音の音色と異なります。第2の状態変数フィルタのバンドパスフィルタの中心周波数は、コンピュータによる制御に加えて、手動で操作して音色を変更しました。このシステムの演奏は、コンピュータの自動演奏による規則的な要素と手動でフィルタを操作する不規則的な要素を兼ね備えています。更に、このシステムは、曲に応じてフィルタを変更することができる柔軟性を持っています。