松田龍平を主演に迎え、約7年ぶりに松尾スズキが長編映画のメガホンを取った『ジヌよさらば〜かむろば村へ』（2015年春公開予定）。このほど都内で無事クランクアップを迎えました。

　漫画家いがらしみきおの人気コミック（小学館『ビッグコミック』2007年〜2008年連載）を原作に、松田龍平をはじめ、阿部サダヲ、松たか子、二階堂ふみ、西田敏行ら日本を代表する俳優陣が顔を揃えた本作。笑いとシリアスが絶妙にブレンドされた独特の世界感で、“お金を一円も使わずに生きること”を決意した主人公・武晴と、彼を支える村人たちとの奇妙な交流を描きます。

　本作の舞台となる、病院も学校も警察も郵便局もなくなった限界集落“かむろば村”として松尾監督が選んだのは、福島県河沼郡柳津町。5月7日（水）に柳津でクランクイン、約1ヵ月に渡る滞在ロケにて撮影、さる6月4日（水）に都内でクランクアップ。

　花束を監督から贈呈された松田は、「メインロケ地の福島でアップしたかったなぁという気持ちもありますが、楽しかったです。『恋の門』以来、10年ぶりの松尾組でしたが、撮影が終わって、今振り返ってみると、10年前よりも客観的な視点を持って現場にいれたかな、という気がしています」。撮影中は、「台本に書かれていないことが、演出として次々と松尾さんから出てくるので、どのシーンも刺激的で楽しく、それゆえ不安もありました」だったそうですが、「頑なにお金を使わない武晴を、周りの一風変わった人たちが、なんとかして助けようとする、いい話になっているのではないかと思います。僕自身、仕上がりが楽しみです」と、コメント。

　また、かむろば村の村長“与三郎”を演じた阿部は、「撮影は朝早い日が多かったのですが、時間の流れが良くて、とてもいい過ごし方が出来ました。松尾さんとは、長編映画で組むのは初めてでしたが、映画でも舞台でも演出の仕方は変わらないので、安心して挑めました。あと、松尾さんが元気そうなので良かったです」。与三郎の妻“亜希子”を演じた松は、「撮影は町のあらゆるところを活用させて頂けて、集中して出来たので、とても幸運だったと思います。柳津の町に溶け込ませて頂いて、馴染ませて頂けたのが良かったです。松尾監督らしいアクセントのある演出や要望に、求めて下さることが嬉しくもあり、毎日“今日はどんなことを言われるのかな？”とワクワクドキドキしていました」と、充実した撮影期間について語っています。

　またクランクアップ直後、松尾監督は、「すごく濃いメンツに集まってもらい、今までにない演技をしてもらいました。完成を楽しみに待っていてください」と、自信をのぞかせました！


　なお、キャストとして、「スーパーあまの」で働く“いそ子”役に片桐はいり、温泉旅館の女将“奈津”役に中村優子、旅館の板前“勝男”役にオクイシュージ、田植えを教える“みょんつぁん”役にモロ師岡、かむろば村の助役に村杉蝉之介、その妻に伊勢志摩、美人局をするチンピラ“青木”役に荒川良々、隣接する町の議員の青砥に皆川猿時らが参加していることも発表。松尾監督自身もヤクザの“多治見”役として出演しています！

（C）2015 いがらしみきお・小学館 / 『ジヌよさらば〜かむろば村へ〜』製作委員会