2009年に51歳の若さで亡くなったマレーシアの映画監督、ヤスミン・アフマドを特集した映画「伝説の監督 ヤスミン・アフマド特集」が、7月20日(土)より東京・渋谷 シアター・イメージフォーラムにて上映されます。
母方の祖母が日本人というヤスミン・アフマドは、2003年に「ラブン」で映画監督デビュー。その後、実妹と同じ名前で自身を投影した女性・オーキッドを主役にした3部作「細い目」(2004年)、「グブラ」(2005年)、「ムクシン」(2007年)を発表。「細い目」は〈東京国際映画祭〉“最優秀アジア映画賞”を獲得、「ムクシン」は〈ベルリン国際映画祭〉に出品されるなど世界的に注目を浴びました。続く「ムアラフ-改心」(2007年)は〈東京国際映画祭〉“アジア映画賞スペシャル・メンション”を受賞し、さらなる活躍が期待されたものの、2009年の「タレンタイム〜優しい歌」の公開直後に死去。残した長編は6編と少ないながらも、民族・多言語・多宗教の混成社会マレーシアにおける多文化共生の理想と現実とのギャップを優しく、ときに冷徹に、かつウィットとユーモアを込めて描き出した作品群は今も語り継がれる名作として知られています。
今回の特集上映では、長編6作品に遺作となった短編「チョコレート」を含むオムニバス作品「15マレーシア」も特別上映されるほか、アフマド作品に欠かせない女優シャリファ・アマニや、「タレンタイム〜優しい歌」などの音楽を担当したピート・テオなどのゲスト登壇も予定されています。