知る人ぞ知る、福岡の脱力系3ピース・バンド“シナプス”のヴォーカリスト / パーカッショニスト、中島涼之介によるソロ・プロジェクトが、初のフル・アルバム『情緒不安定』を11月10日(水)にリリース。本作は、HIP LAND MUSICによるデジタルディストリビューション&プロモーションサービス「FRIENDSHIP.」がデジタル・リリースをサポートしています。
今作は、シナプスで見せるサウンドとはまた一変した、独特の世界観全開の作品。また、リード・トラックである「Pink Moon」のミュージック・ビデオを11月11日(木)12:00に自身のYouTubeチャンネルより公開しています。
なお、中島は11月20日(土)に、福岡の大名にあるライヴハウス「秘密」にて、ソロでは初となるライヴ出演を控えています。
[コメント] 今回ソロ初のフルアルバムとしてリリースした「情緒不安定」という作品は、私の中の狂気が暴れ出そうとするのを、なんとか楽曲に封じ込めることで完成した、というようなロマンティックな作品となっております。 全て宅録で制作しました。ミックスまでは自分で行い、マスタリングのみ、旧友であり、諸外国でも活躍しているビートメーカーのBeardにお願いをしました。彼のおかげで、本当にいい作品になりました。 作品を制作するにあたり、私の関心は、一貫して自分の心であったように思います。このアルバムは、愛する人との出会いをもって始まり、別れをもって完成したと言っても過言ではないかもしれません。悲しいかな、私の心は、愛や恋に一生囚われていくのでしょうね。こうして、私の中の情緒の揺らぎを、音と詩とともに記録し、永遠化させたいという歪んだ魂胆が、私を作品の完成へと突き動かしたように思います。 愛する人が私のそばに居てくれたことによる、精神的な安定感、安心感、安堵感によって、苦しくも、なんとか創作に向かい続けることができました。束の間ではありましたが、私のことを深く愛してくれたことに、私は大きな喜びを覚えます。愛は至福です。そして、地獄です。 今回のMVを制作した、リードトラックでもある「Pink Moon」も、非常に歪んだラブソングです。実のところ、愛も恋も、私にはよく分かりません。しかし、それと思われるものを前にしたときに、なぜだかいつも、胸が苦しくなり、張り裂けそうなってしまいます。ですが、同時に、そういう哀れで切ない気持ちや、その様子を、どこか美しいとも思ってしまうわけです。悲しみに浸っていながら、どこか、その悲哀の美しさに感動している自分もいる。一人の個人を通して、愛という存在自体と対峙し、その恐ろしさと美しさに思わず立ちすくみ、絶望と希望、そして救いが、心に入り乱れたようになってしまうのです。 この美しさを、どうしても、何度も味わいたい、という拗れた思いで書き上げたのが、このPink Moonという曲です。また、この曲は高校時代のからの友人で、現在佐賀大学の大学院に在籍中の岩崎千万里(いわさきちまり)さんに、ハモリを入れていただきました。 アルバム全体を通して、自己の内的な感覚を、とにかく主観的に描くことにこだわりました。そうした意識の中で、主観的なものは、極限まで追求すると、どこか普遍性を帯びはじめると感じるようになりました。つまり、私の心の奥にあるものは、よくよく他の人の心の中を探ってみると、誰しもの心の奥底にもあるのではないかと考えるようになったのです。 どうか私の狂った感受性を、悲しみを、過ちを、そして悦びを、楽しんでいただけますように。どうか、私の屈折した世界をみなさんの心の奥底にまで流し込み、そこで共鳴しようという私の企みが、成功しますように。私はそのように願っています。 私は、この運命の重たさに、どうも耐えられそうにありません。 P.S. 以前にD. Falkenburgという名の下で、「名無しのマリア」というミニアルバムを1枚ソロでリリースしておりますが、今作からは、本名である中島涼之介として作品をリリースすることしました。これまでは職業上の都合で、音楽活動をしていることを隠す必要があったのですが、今年度いっぱいでクビだという宣告を受け、その必要がなくなったからです。今作の「情緒不安定」が売れなければ、私は来年度無職になっています。どうか、聴いて、ください、、、。僕を、救ってくださいな。少し喋りすぎてしまいました。どうもすみません。 ――中島涼之介 VIDEO