米の人気ポストメタル・バンド、
ロシアン・サークルズ来日時にはサポートアクトを務めるなど、実力に定評のある岐阜発の3ピース・バンド“
quiqui”が、「3LA -LongLegsLongArms Records-」とUKの「Dog Knights Productions」による日英レーベル共同リリース作品となる1stアルバム『もう少しの暦』を11月26日(金)にリリースします。
岐阜県羽島にて2013年にスタートしたquiquiは、2枚のEPを経て、2018年には台北のDIYインディーミュージックフェス巨獸搖滾音樂祭への出演を果たし、書き下ろし新曲も収録された編集盤CD『
町の鈴生り』をリリース。活動当初のエモ、スクリーモ、マスロックといった音楽性を、未完成な若者の感性により消化して感情と共に吐き出した楽曲たちは、どのような姿にも変わる可能性を持ち、日本から失われつつある田舎的風景スケッチのような楽曲や、UKインディ・ロックの系譜にある実験的精神を宿したミニマル・ミュージックなど、音楽的野心に満ち溢れたサウンドを複雑精緻に組み立てられたアンサンブルで展開しました。
しかし、1stアルバム『もう少しの暦』はこれまでの全てを塗り替えました。
スタジオ「nostos」にてレコーディング / ミックス / マスタリングまでして制作されたサウンドプロダクションはこれまでのEMOの標準を一気に押し上げる可能性を秘めています。進化したバンドの音楽性を余すことなく表現された音の奥行き、深さ、そしてそこにある無音の空白までもが生々しく蘇り、新たに手に入れたサウンドの確信とともに新境地に足を踏み入れようとしているのが伝わります。激情ハードコア、と呼ばれるような音楽性の枠組みから遂に逸脱した彼らのサウンドを表現するとしたら、まさに“Skramz jazz”。先人への憧れを振り払い、自分たちの道を歩み始めた音を宿しつつ、ローカル、コミュニティ、ファミリーの絆と共にある“EMOの暦”が綴られた、2020年代のEMOとして申し分ない究極の1stアルバムの完成となりました。
カバーアートワークは前作編集盤『町の鈴生り』CDと同じく片桐水面、CD / LPの装丁をnabsLABが担当しています。
[コメント]敢えて言及することでもないですが
時代が少しずつ変わっているということです。
変わるということは恐れ多いながら
受け入れたり受け入れられなかったりするものです。
そんな出来事や傍観を何度も繰り返し
仲間や家族に支えられながら
ぽつぽつと紡ぎ出してきました。
その中で見つめてきた変わらないもの。
それがわたしたちをどこまでも強くしてくれる。
だからどれだけ疲れ果てても
わたしたちは活動できるのです。
この録音は2020年12月末のものです。
誰かの書斎から手に取るような
誰かの日記を覗き込むような
そんな身近な好奇心でこのアルバムを聴いていただければ
わたしたちも嬉しいです。――quiqui