言葉少なに訴えるサシャの真っ直ぐな瞳と強い意志が、観る者の心を震わせるドキュメンタリー映画『Little Girl』が、邦題『リトル・ガール』として、11月19日(金)より東京・新宿武蔵野館、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次ロードショー。シーン写真が公開されています。
男の子の身体に生まれたけど、女の子になることを夢見ているサシャ。本作ではさまざまな社会の壁に阻まれながらも、まだ幼く自分の身を守る術を持たない彼女の幸せを守るために奔走する母カリーヌと家族、サシャの“ゆずれない戦い”が描かれています。
サシャは2歳を過ぎた頃から自身の“性別の違和感”を訴えていましたが、学校では女の子としての登録が認められず、“男子”からも“女子”からも疎外、バレエ教室では男の子の衣装を着せられてしまうなど、社会は彼女を他の子どもと同じように扱えずにいました。やがて7歳になってもありのままに生きることができない、不自由なサシャ。家族は、そんな彼女の個性を支え、周囲に受け入れさせるため、学校や周囲へ働きかけます。
この度公開されたシーン写真は、一番“自分らしくいられる”洋服を着て庭で幸せそうにダンスするサシャや、お気に入りのピンクのヘアクリップをつけている姿、母親と過ごす優しい時間、そして、バレエ教室で女の子用の衣装を着用させてもらえず、少し切なげに女の子たちを見つめるシーンなど。いずれも、まだ幼くても“本当の自分”であろうとする意志を感じる瞬間を切り取ったものとなっています。
本作の監督を務めたのは、これまでもジェンダーやセクシュアリティに目を向けた作品を撮り続け、カンヌやベルリンを始め、世界中の映画祭で高く評価されている
セバスチャン・リフシッツ。性と身体の不一致は肉体が成長する思春期に起こるのではなく、幼少期で自覚されることについて取材を始めていた過程で、サシャの母親カリーヌに出会い、この作品が生まれました。
© AGAT FILMS & CIE – ARTE France – Final Cut For real - 2020