「もしも、あの瞬間に死ぬ事が出来たらそれこそ･･･」とか「日本の田舎に家を買う事に決めた！」とか、「こういうオーディエンスを何十年も探し求めていた」などなど「本当かよ？」と思うほど、ファン以上にコンサートに感動していたボサノバの神ジョアン・ジルベルト。それなら70歳を超える前に来ていただきたかったような。でも、そんな事を言ってはいけません！　数々の伝説を生んだ奇蹟の初来日公演、その様子がジョアン様たっての希望でCD化される事になりました！！　『ジョアン・ジルベルト・イン・トーキョー』(UCCJ-1005 \3,000(税込))と名付けられた本作は日本先行発売。海外発売は未定との事ですので、行った人も行けなかった人も、今年最大のマスト盤でしょう！　発売は2月21日。

　来日公演で一番の思い出と言えば、公演スタッフからは“フリーズタイム”と呼ばれ恐れられた約20分間にも及ぶジョアンの“硬直”ですね。ステージ中央、椅子に座ったままうつむいて、全く動かなくなってしまった“あれ”です。「死んだのか？」「寝たのか？」「病気か？」と不安に包まれ、「起きろ〜」の声が客席と飛び交い、医者まで現れてそりゃもうびっくりだったのですが、後で聞けば神に感謝をしていたようで･･･。つくづく伝説の巨人ぶりをこれでもかと発揮したジョアン。個人的には、あの“フリーズタイム”の観客のどよめきと拍手も編集無しで収録して欲しいですが、いかがでしょうか？
収録予定曲は以下。

・アコテッシ・キ・エア・ソウ・バイアーノ(アルバム初収録)
・メディテーション
・ドラリッシ
・コルコヴァード
・まなざし
・イスト・アキ・オ・キ・エー
・ウェイブ
・マダムとの喧嘩はなんのため
・リジア
・ロウコ（アルバム初収録）
・紙風船
・ホーザ・モレーナ
・思い知るがいいさ
・アデウス・アメリカ
・プレコンセイト
・十字架のもとで
(曲目/曲順/曲数は変更になる可能性も有)

　ジョアンのディスコグラフィーって、いろいろあって実態がつかめないのですが、今回の日本公演で演奏した楽曲にはアルバム未収録、初めて聴く曲が何曲もあったので、これらが収録されれば、単なる実況録音盤の枠を越えて、世界中から「いいなぁ〜」と羨望の眼差しが注がれる名盤になりそうです！　最も感動した歴史的名曲「シェガジ・サウダージ」が入っていないのが残念ですが。

　ギター1本と声だけで人を感動を与える人がいる。この日本にジョアンが来てくれた事に感謝しようではありませんか！　しあわせになろうよ！