2006/10/27掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
日本での上映権が切れ、最終上映となる音楽ドキュメンタリー名作が2本。それは、
トーキング・ヘッズ出演の『ストップ・メイキング・センス』(写真上)と1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルの模様を収めた『真夏の夜のジャズ』(写真下)。
70〜80年代に活躍、時代の最先端を走り抜けたトーキング・ヘッズの頂点を記録した『ストップ・メイキング・センス』。こちらは
デヴィッド・バーンのイマジネーションあふれるハイテンションかつ奇妙なパフォーマンス、民族音楽のエッセンスなどを取り入れた高揚感あふれるサウンドが楽しめます。『羊たちの沈黙』の
ジョナサン・デミが監督、『ブレートランナー』のジョーダン・クローネンウェスが撮影を担当し、そんじょそこらのドキュメンタリー映画に終わらない、映画のマジックを感じさせる仕上がり。
一方、『真夏の夜のジャズ』は、数ある音楽映画のなかでも古く、50年ほど前のカラー作品。モントルー、モンタレーに並ぶ世界3大ジャズ・フェスのひとつ、ニューポートがもっとも輝いていた頃、つまり登場するミュージシャンの凄さがミソ。“サッチモ”という愛称で、歌もトランペットも一流の存在感を誇る
ルイ・アームストロング、その美しさがひときわ映える
アニタ・オデイ、ジャズ・フェスに当時最新の音楽、ロックンロールで聴衆にひと泡ふかせてみせた
チャック・ベリーのほか、
ダイナ・ワシントン、
セロニアス・モンク、
ジェリー・マリガンに、ゴスペル界からは女王
マヘリア・ジャクソンなどが出演しています。また当時新進気鋭の写真家、バート・スターンが撮影・監督を務め、演奏シーンだけでなく、観客の姿などその周辺の描写もきっちりと収めており、雰囲気重視といえるジャズのエッセンスを捉えた作品。
どちらもDVDで観ることもできますが、これらを映画館のオーディオとスクリーンでじっくり楽しめる最後のチャンスです。この最終上映を見逃さないように、劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか?
『ストップ・メイキング・センス』(日本最終上映)
■監督・脚本:ジョナサン・デミ/撮影:ジョーダン・クローネンウェス
出演:トーキング・ヘッズ(デヴィッド・バーン、クリス・フランツ、ジェリー・ハリソン、ティナ・ウェイマン)
■1984年/アメリカ/88分/ビスタ/配給:キネティック
●上映情報
吉祥寺バウスシアター 11/18(土)〜11/24(金)レイトショー 21:00より
渋谷ユーロスペース 11/25(土)〜11/30(木)レイトショー 21:10より
●当日料金(税込み、両会場共通)
一般・学生1,300円
シニア・会員1,000円
『真夏の夜のジャズ』(日本最終上映)
■監督:バート・スターン、アラム・アヴァキアン/撮影:バート・スターン、コートニー・ヘィフェラ、レイ・フェアラン
出演:ルイ・アームストロング、セロニアス・モンク、アニタ・オデイ、ダイナ・ワシントン、チャック・ベリー、ジェリー・マリガン、マヘリア・ジャクソンほか
■1959年/アメリカ/86分/スタンダード/配給:角川ヘラルド映画
●上映情報
渋谷ユーロスペース 11/18(土)〜11/24(金)レイトショー 21:10より
吉祥寺バウスシアター 11/25(土)〜11/30(木)レイトショー 21:00より
●当日料金(税込み、両会場共通)
一般・学生1,300円
シニア・会員1,000円