ピンクのサイリウムがきらめく代々木第一体育館。この日出演するアーティストの映像が巨大なビジョンに映し出されると、客席から大歓声が沸き上がった。2008年のソウル、上海、バンコクでの開催を皮切りに、昨年はソウル、ロサンゼルス、上海で計8万人を動員する大成功を収めてきた＜SMTOWN LIVE＞。その日本公演がついに開催される瞬間を迎えたことで、早くもオ―ディエンスは興奮を抑えられない様子。そんな1万2千人の前に最初に姿を見せたのは、仲間由紀恵主演ドラマ『アンタッチャブル』の挿入歌にもなっていたバラード「ここにいるよ」でデビューを飾ったシンガー・ソングライター・72（ナツ）。今回の公演では「こわくない」を透明感ある歌声で聴かせ、客席を魅了。その後も、抜群の歌唱力のJ-MinやKANGTA、軽快なダンス・チューンで会場を盛り上げたf（x）など個性豊かなアーティストが次々と登場。応募総数が40万人を越えた中からこの日のチケットを手に入れた幸運なオ―ディエンスは、＜SMTOWN LIVE＞ならではの幅広い音楽性に酔いしれていました。

　楽しそうにサイリウムを振っていた客席が一気にヒートアップしたのはSHINeeがステージに現れた瞬間。ポップなナンバー「Stand by me」を日本語バージョンで歌い、会場をアッという間にひとつに。すでに昨年の12月に代々木第一体育館での追加公演を含め計2回の単独ライヴを成功させている彼らは、この春EMI Music Japanより日本正式デビューも決定。日本中にSHINee旋風が吹き荒れるのは間違いないでしょう。

　そしてSHINeeの登場を契機に、ここからは今をときめく人気グループが立て続けにステージに！　昨年日本デビューを果たし、2ndシングル「Gee」がオリコン1位を獲得するなど、またたく間にトップア―ティストの座に上り詰めた少女時代が「Run Devil Run」（日本語バージョン）や「Kissing You」で華やかに舞台を彩れば、正式デビュー前にもかかわらず、横浜アリーナでのライヴが決定したSUPER JUNIORは、エネルギッシュな「美人（BONAMANA）」やキャッチ―なナンバー「Super Girl」で客席を熱狂の渦に巻き込んでいく。中でも、キャノン砲も炸裂した「Dancing Out」は、メンバーと一緒に1万2千人もジャンプ！　ライヴ前半を最高の盛り上がりで締めくくりました。

　中盤は、昨年韓国でデビュー10周年を迎え、今年日本でも10周年イヤーに突入するBoAのスタイリッシュなステージでスタート。ダンサーを6人従え「My name」を歌い踊る姿には、もはや貫禄さえ漂っていました。「久しぶりに日本のみなさんにお会いできてうれしいです」と語った彼女は、次の楽曲である、アメリカ・デビュー・アルバムからのナンバー「I did it for love」をSHINeeのKeyとコラボ。ソロとは、また一味違った表情を見せてくれました。

　実は、こういったコラボも＜SMTOWN LIVE＞の特徴のひとつ。この日も、SUPER JUNIORのHeeChulとSUPER JUNIOR-MのHenry、TRAXのJungmo、SHINeeのTaeminによるヘビーなロック・チューン「誘惑のソナタ」や、SUPER JUNIORのEunhyuk、Shindong、SHINeeのMinho、Keyという4MCでの「A-Yo」。そして SUPER JUNIORのRyeowook、YesungとSHINeeのOnew による「千の風になって」などのコラボ曲が数々繰り出され、オ―ディエンスに新鮮な驚きを与えていた。単独のライヴでは決して観ることのできない、トップア―ティスト同士がタッグを組んだステージ。これもSMTOWN LIVEにしかない魅力だと言えるでしょう。

　ライヴも、いよいよ終盤。再び姿を現したBoAが、“オ―ディオテクニカ”のCMソングとしてオンエアされ、昨年12月に配信限定でリリースされたバラード「I See Me」をしっとりと歌い、会場を冬の雰囲気に染め上げる。「Copy&Paste」や「Energetic」などのシャープなダンス・チューンもカッコイイが、せつない歌声もまた格別。この二面性が、BoAが多くの人を引き付けている要因であることをこの日のライヴで再確認させてくれました。

　ついに＜SMTOWN LIVE＞が終わりに近づいてきたとき、鐘の音と共に上空から登場したのが東方神起。久しぶりにユンホとチャンミンを目の前にした1万2千人から割れんばかりの歓声が沸き上がる。そのままワイヤーでメインステージへ移動したあと、「MAXIMUM」を2人が歌い始めると、客席は熱狂。ファンたちが、どれだけ彼らを待っていたのかがダイレクトに伝わる。そんなファンに向かい、2人も「待ちに待った日本でのライヴで今日は緊張していたんですけど、みなさんの声援でラクになりました」（チャンミン）「これから日本での活動を頑張っていきますので、応援よろしくお願いします」（ユンホ）と挨拶。再始動への熱い想いを語ってくれました。

　そして、「日本語バージョンでは、今日のステージが初めてです！」（チャンミン）と、1月26日リリースの新曲「Why?（Keep Your Head Down）」を熱唱。東方神起らしさ全開のアグレッシヴなナンバーで彼らのポテンシャルの高さを見せつけてる。さらに2人はエンディング近くで、ライヴの定番中の定番「Somebody to love」も歌い、1万2千人と共にジャンプ＆タオル回し！　楽しそうに跳ねるオ―ディエンスは、このとき、本当に東方神起が戻ってきたのだということを実感していたのでは。

　3時間半に及ぶライヴのラストナンバーは、出演アーティスト全員で一つになって歌った「光」。心が温かくなるようなメロディアスな楽曲に1万2千人に笑顔が広がる。好評を受け、4月9日、10日には東京ドーム2Daysライヴも決定した＜SMTOWN LIVE＞。そこではきっと、今回以上の素晴らしい時間が味わえるはずです。