ピアニストの
辻井伸行が、11月6日にベルリンのフィルハーモニー・ホールにデビュー! 得意の
ショパン&
リスト・プログラムで喝采を浴びました。
コンサートが行なわれたフィルハーモニーは、“音楽界の帝王”と呼ばれた、20世紀を代表する名指揮者
ヘルベルト・フォン・カラヤンが、みずから音楽監督を務める
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地として1963年に完成させた建物。モダンな外装によって“カラヤン・サーカス”とも呼ばれており、今シーズンで50周年を迎えました。
辻井のベルリンでの演奏は3回目で、ドイツ音楽界の殿堂と目されるフィルハーモニーへは初登場。辻井自身が「コンサートで演奏するのが夢だった」と語るショパンの代表作、ピアノ・ソナタ第2番「葬送」など、アンコールを加えて全14曲を披露、熱い喝采を浴びました。
現地の聴衆は辻井の演奏について「音楽が彼の内面からあふれ出てくるようだった。彼自身が作曲家のように感じた。次はモーツァルトを聴きたい」「難しい曲なのに楽々と弾いていて驚いた」「今の若い演奏家は、とかく自分自身の主張を繰り広げがちだが、辻井の演奏はとても誠実で自然なものだった」「辻井の演奏には、イタリア語で言うGusto(高雅な趣味、品格)を感じる」などと語っていました。
なお、辻井は帰国後、ベルリンで演奏したショパンとリストのプログラムで11月下旬から全国18都市を巡るリサイタルツアーを行ないます。そちらも楽しみですね!
撮影: ペーター・アダミク